大阪府三島救命救急センター:命と向き合う現場を存続させたい。

大阪府三島救命救急センター:命と向き合う現場を存続させたい。

寄付総額

41,838,000

目標金額 20,000,000円

寄付者
1,909人
募集終了日
2019年9月3日

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2019年07月04日 14:46

【当センターでの活動1】搬送依頼現場に出動する特別救急隊

 

まず、先日の新潟・山形地震、そしてこの度の九州豪雨により被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

 


 

 

支援者の皆様、引き続きの応援と暖かいお言葉をお寄せ頂き誠に有難う御座います。

 

今回は新着情報として当センターでの活動のひとつであり、大きな特色でもある「特別救急隊」に関してご紹介させて頂きます。

 

 

 

 

特別救急隊は救急車に救命士と医師が同時に乗り込み、搬送依頼を受けた現場に出動するものです。

 

当センターでは2002年下旬より試行運用を開始し、2006年より本格的に「高槻市消防本部特別救急隊」として稼働が始まりました。

 

当センターの建物の1階に救命士が待機する救急ステーションを設置しています。

 

 

救急ステーションキャプション

 

 

心肺停止や頭痛を伴う意識障害、胸痛または緊急性が高いと想定される外傷、多数の傷病者発生などに対して救急本部から出動の指令を受け、24時間365日体制で運用しています。

 

重症の患者さんに対し少しでも救命率を上げるため、そして社会復帰が出来る確率を上げるために、病院に到着するまでのわずかな時間の救護活動が重要な役割を果たしています。

 

 

青線が高槻市消防本部特別救急隊

 

上のグラフは特別救急隊により当センターに搬送された、目撃者ありの心原性心肺停止(心臓が原因の心肺停止)の患者さんの社会復帰率を示しております。

 

全国平均と比較しても高い水準を維持しており、病院前救護の体制は大きな役割を担っていると考えています(青線が高槻市消防本部特別救急隊)。

 

 

救命できる可能性が残されている患者さんを救うためには、病気や怪我の発症直後から診療を行うことが重要です。現場と、搬送中の救急車内で患者さんを診察し、携帯型の超音波を使って内臓に異常がないかなどを観察して状態を把握し、必要に応じて処置を行います。医師の管理下のもと、点滴や薬の投与なども行われます。

 

病院到着前に新しい情報があれば、センター内の医師に連絡を行い、到着後にすぐに処置が出来るように準備を整えることで、途切れることなく継続的な治療が行えます。

 

 

 

突然死(突然の心肺停止、死亡)ということに焦点を当てますと、その原因として最も多いのが心臓を起因としたもので、6割以上を占めると言われています。その他の原因としては大動脈疾患や脳卒中、呼吸器疾患などがあります。

 

心臓が原因の突然死のことを心臓突然死といい、心筋梗塞や不整脈、心不全、弁膜症などが原因疾患となります。

 

心臓突然死は、症状が起こってから短時間で心肺停止に至ってしまうもので、特に心筋梗塞が原因の多くを占めます。

 

 

心肺停止に至った場合速やかに心臓マッサージ(胸骨圧迫)などの救命処置が開始され搬送処置が行われなければ、例え心臓の動きが再開したとしても脳に不可逆的なダメージが残り、意識が戻らないことも多く経験されます。時間との勝負なのです。

 

心肺停止の患者さんが心肺蘇生と処置を行われ社会復帰が出来るためには中枢神経、つまり脳や神経系へのダメージを最小限にすることが大切になります。

 

 

特別救急隊が出動し現場から早い判断で処置を行うことで、当センターでかねてから行っている体温管理療法も救急車内から導入することが可能です。

 

体温管理療法は心肺停止後の脳神経を保護するために体温を33~34℃に冷やすという治療法で、本邦で一般的な治療として知られる前から当センターでは積極的に取り組んでおり、これに関する大規模な研究にも参加しています。

 

2018年度に特別救急隊により搬送された心肺停止の患者さんは156人(目撃者なし、心原性以外も含まれる)で、そのうち9人が社会復帰しています。救命と社会復帰には速やかな処置がいかに重要かを物語っていると思います。

 

 

 

ところで、突然死は就寝中に最も多く起こっていることが知られています。日中も、そして夜中も、365日、特別救急隊は走ります

 

私たちは現場に向かい、一人でも多くの命を救うべく邁進して参ります。

引き続きの御支援の程何卒宜しくお願い致します。

 

 

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