皆様のご支援で、素晴らしい処置室が完成しました!!
子どもたちのための「がんばれる部屋」へのクラウドファンディング
2022年2月14日からクラウドファンディングを開始し、皆さまからの応援とご支援のおかげで、子どもたちの主体性を大切にした処置室が完成しました。 完成した処置室は、想像以上の出来上がりになり、計画から完成までの道のりを振り返ると、とても感慨深いです。
「子どもたちのための処置室とは?」という疑問から始まったこのプロジェクトです。知らない部屋(処置室)で、見慣れない大人(医療スタッフ)に囲まれて痛い思いをする経験は、子どもにとっては恐怖そのものです。これまで、子どもの不安や恐怖を減らすために、できるだけ保護者と一緒に注射や採血ができるように調整したり、子どもの気持ちが落ち着けるように音楽や動画を流したり、痛み止めのクリームを塗ったりしていました。しかし、「処置室の怖さ」を和らげるのには限界がありました。そのため、処置室自体の怖いイメージをなくし、子どもができるだけ安心してがんばることができるように、“注射の部屋”を、子どもたちが少しでも前向きに勇気を持って“がんばれる部屋”に変えたいと思いました。この取り組みに賛同して、島根大学総合理工学部建築デザイン学科の細田教授と学生さんがデザインを担当して頂けることとなり、クラウドファンディングを始めることとなりました。
島根大学が一つになった子どもたちのための計画に対して、子どもたち自身とご家族、病院を含めた大学の職員およびその関係者、地域の方、県外の方などから、たくさんの応援メッセージとご支援をいただく結果になりました。395人の皆様から当初の目標を大きく上回る852万円のご寄付を頂けたこと、改めて深く御礼申し上げます。
ご支援いただきました寄付は、2つの処置室の改修として、小児外来は “森の動物たち”をテーマに、かくれんぼしている動物を子どもたちが探せるようなデザインになりました。
一方、小児病棟の処置室は、長期で入院している子どもや、中・高生も治療するため、落ち着いた“海の生き物”をテーマに選びました。エコー検査などで暗くすると、光る素材のステッカーが、子どもたちへ楽しいびっくりをもたらしてくれます。また、壁や天井・床のデザインだけでなく、小児外来処置室前の掲示板や、点滴作業台、患者さんが座る椅子なども、デザインに合った内容に変えることができました。
処置室完成がゴールではありません。採血がいやだなと思っている子どもは、こんなにかわいい部屋を見ても、緊張した表情はすぐには変わりません。そこで、看護師は「この足あとはだれのかな?何がいるのかな。探してみよう!」と、声をかけます。子どもは「あっ!くまがいる。」と言いながら、すっと椅子に座ることができます。
できあがった空間や工夫を効果的に使うためには、子どもたちの主体性を大切にした声かけや関わりが大切だと感じています。今後も病棟スタッフ一同で子どもやご家族のためによりより療育環境に取り組んで参ります。
引き続き、皆様のご指導のほどよろしくお願いいたします。
【収支報告】
項目 |
金額 |
クラウドファンディングによる寄付 |
8,521,000円 |
収入合計 |
8,521,000円 |
支出 |
|
項目 |
金額 |
内装工事(壁紙クロス張替) |
5,218,400円 |
電気工事 |
77,000円 |
水道工事 |
222,000円 |
建築工事 |
187,000円 |
医療ガス工事 |
473,000円 |
備品(片面作業台) |
530,666円 |
2階外来処置室前掲示板 |
74,800円 |
手数料(READYFOR、島根大学) |
1,738,134円 |
支出合計 |
8,521,000円 |