セーリング競技について

今日は、このキャンペーンを通してセーリングを知ってくださった皆様にむけて、競技の説明をしたいと思います。

セーリングは帆（セール）に流れる風による揚力を動力としてレースを行う競技です。一人乗りの小型ヨットから10人以上がのる大型の船まで多様な船が使われ、１対１のレースから100艇近くが参加するもの、数十分の短いレースを何本もこなし総合得点を競うものから何日もかけて一レースを行うものまでレースの形も様々です。ウィンドサーフィンもセーリング競技の一種目です。オリンピックには一人乗り、二人乗りの小型ヨットとウィンドサーフィンの10種目が採用されています（http://bit.ly/2NlPNje）。

同じく船のレースであるボート競技と混同されることがありますが、大きな違いは動力源が風であることと、スタートからフィニッシュまでのコースが決まっていないことです。比較的短いレースではスタートラインの真風上にマークが設置され風に平行のコースを何周か回る形式を取りますが、風を動力源とするヨットは真風上や真風下には進むことができない、つまり次のマークに一直線に向かうことができません。したがって最も良い速度で進めるように風に対する角度を調整し、方向転換をしながら斜め斜めに進んでいきます。またマークまで数百メートルの狭い範囲でも風向風速は違っていて時間とともに変化するため、有利な風の吹く場所を選んで走ります。

ロープで帆の形を操ることで生まれる船のスピードもちろん良い風を受けるためのコース取りや他の船とのルールを駆使した駆け引きも勝敗を左右することから、"洋上のチェス"と例えられることもあります。

同じ種類の船のレースであってもレースの様相はその日の風や波のコンディションによって全く違ったものになります。勝敗を決める要素や求められる力が多岐にわたるので初めはわかりづらいですが、知るほどに魅力が増えていくのがセーリングだと思います。

セーリングに興味を持ってくださった方はぜひヨットレースを見て、また一度はヨットに乗ってみていただけたら嬉しいです。