「世界のすべての国を長寿国にしたい」プロジェクト終了のご報告
クラウドファンディングにご協力いただいた皆様へ
この度は、クラウドファンディング「世界のすべての国を長寿国にしたい」へのご支援を賜り誠にありがとうございました。皆さまの温かいご支援により、挑戦項目として挙げていた①National Model Unitednations/②ヨーロッパ視察/③ボリビア保健医療支援参加、を無事に終えることができました。
今回は終了報告のみとなりますが、詳細な内容は後日報告書をお送りいたします。どうぞ宜しくお願いいたします。
①National Model United Nations (世界模擬国連)
写真は開会式の様子です。
模擬国連とは、国際会議をはじめとする国際会議のシミュレーションを行う教育活動で、実際に国連にて協議されている内容を扱い、国連の会議と同じように議論、交渉をしながら国際問題への理解や交渉術の向上を図ることを目的とした活動です。
NMUNカンファレンスは様々な国で開催されていますが、New York カンファレンスは世界最大規模で世界の大学・大学院から約5,000名の学生が集まります。
カンファレンス全体の中には、UNICEF、UNESCO、WHOなど約20種類の委員会が実際の国連会議と同じようにあり、委員会ごとに与えられた議題に対して5日間討議します。
最初の4日間はNew York市内にあるホテルにて委員会ごとの討議が行われ、最終日は国連本部に移動して4日間の討議で作成した報告書の採決を行うというのが全体の流れです。私は、GA2(General Assembly-Second Committee) という400名ほどの委員会に所属しエネルギー政策について討議しました。
大変光栄なことに、それぞれの委員会に所属する同大学のメンバーが活躍したようで、世界から200大学以上集まる今回のカンファレンスでOutstanding Delegation Awardという最優秀賞を私たちの大学が受賞することができました。
”健康寿命延伸のための国際的な支援”を目指す上で、他国と協力して進めるプロジェクトは今後確実に出てくると思っております。今回のカンファレンスを通して、英語力以外にも、交渉力や協調性、情報収集能力など、自身の課題に多く気づく機会をいただきました。今後に生かせるようにします。
②ヨーロッパ(スウェーデン、ドイツ)視察
◇スウェーデン
3日間という短い期間ではありましたが、ストックホルム県内にある4カ所の老人ホームと病院の見学をさせていただきました。
福祉大国と言われるスウェーデン。特に関心があったのは、コミューン(日本の市町村にあたる基礎自治体)の役割と、在宅介護を中心とした「順序モデル」です。日本と違い、スウェーデンの高齢者の大多数(約93%)は自分の家に住み続けていると言われており、要支援になった高齢者もほとんどが在宅介護です。「全国医療福祉委員会と統計中央局の共同調査」によると、スウェーデンは在宅介護に対する公的サービスが非常に整っているため、在宅介護サービス利用者の満足度は75ポイントと非常に高いようです。
ストックホルムの病院にて撮影
北欧型の福祉国家モデルにも課題はあり、不況や高齢化によるシステムへの懸念はされていますし、そもそも日本に北欧型のモデルをそのまま当てはめられるわけではないです。ただ、日本としても在宅介護を増やす流れで進めており2025年には在宅医療を受ける人が100万人を超えると言われており(厚生労働省推計)、世界に先駆けて高齢者福祉に力を入れたスウェーデンから学ぶことはやはり大変多いと感じました。
滞在中、老人ホームから病院まで、知人から紹介いただいた現地の看護師に案内していただき沢山の情報に触れることができました。ここで得たヒントを今後に生かせるようにします。
◇ドイツ
ドイツを訪れた目的は、ドイツ政府が2006年から実施している「多世代の家」(高齢者から子どもまで多世代のコミュニティ創出を目的とした施設)を視察することです。
ドイツは4日間の滞在でしたが、現地の医師のご自宅に泊めていただけて色々とお話を伺えましたし車も出してもらえたため広範囲で動くことができました。詳しくは報告書に書かせていただきますが、様々な種類・規模の多世代の家があり、今後日本にも応用できる情報を多く得ることができたと感じています。
”Sosial Integration(Capital)”という概念では、人と人との結びつきが身体的・精神的・社会的健康に与える影響の大きさが注目されています。健康運動指導士として、私は主に身体的健康のサポートに携わってきましたが、QOLやwell-beingという考え方でいうとき、”人と人の繋がり”にフォーカスした支援が今後必須であると考えます。高齢化が急速に進む日本(世界)ですが、ここで得た学びを、今後の明るい長寿社会実現のための仕組みづくりに生かしたいと思っております。
③ボリビア国際保健医療支援の見学
今回ご縁があり、JICA(国際協力機構)が南米ボリビアにて実施している「母子保健ネットワーク強化FORSAプロジェクト」の見学をさせていただきました。写真など、どこまで載せてよいか確認を取って、詳細は報告書にてご報告できればと思っております。
FORSAは19年間続くプロジェクトなのですが、JICAが行った医療協力の中で最も成功した一つと言われていて、世界に羽ばたくような医師も大勢育ったそうです。そして、半年後にこのプロジェクトが終わるとのことで、最後のまとめをするタイミングで今回お声をかけていただけたことは大変幸運なことだったと思っております。
私の目指すところは、”日本の明るい長寿社会づくりに貢献する”ことに加えて、積極的に世界に情報を発信し、そして世界の取り組みを学ばせていただく中で国際的な健康支援に貢献の範囲を広げるということです。高齢化という巨大な問題と向き合う上では、1国の問題としてではなく、他国と積極的に情報交換する中で最善の策を見つけていく必要があると考えるからです。
ボリビアの場合、高齢化というよりは母子保健に力を入れる段階ではありましたが、日本の医療従事者が他国での新しい仕組みづくりに介入する現場を見ることができ、19年の取り組みが現地に根付いてきている様子を見れたことは、私にとって将来の活動イメージを具体的にするための貴重な機会となりました。
最後になりますが、ボリビアでは学ぶ環境にない多くの子どもたちに会いました。私が、今こうして学べていることは当たり前でないということ。そして今回も、ヨーロッパ視察からボリビアでの国際支援まで、皆さまのご支援があったからこそ、現地に足を運ぶことができ、より多くの良質な情報に触れることができました。
このご支援を無駄にすることのないよう、私にできることを着実に続け、何か一つでも社会に貢献できたという結果を残せるよう努力を続けて参りますので、今後とも応援いただけると幸いです。
【収支報告】
◇収入
・ご支援金: 1,248,000円
◇支出
●NMUN(世界模擬国連)
・交通費:5000円
・5日間の食費:10,000円
●スウェーデン
・日本 ー フィンランド往復航空券: 118,170円
・フィンランド→スウェーデン航空券: 6,630円
※フィンランド便の方が安価だったので、フィンランドからスウェーデンに入りました
・宿泊費(謝礼金):20,000円
・国内交通費(鉄道カード):5,000円
・食費:5,400円
●ドイツ
・スウェーデン→ドイツ航空券: 11,794円
・ドイツ→フィンランド: 12,350円
・宿泊費(謝礼金):25,000円
・交通費(鉄道チケット):1,500円
・視察場所へのお土産(スウェーデン、ドイツ):4,100円
●ボリビア
・日本 ー アメリカ 往復航空券:145,610円
・アメリカ ー ボリビア往復航空券:123,480円
・宿泊費(10泊):52,000円
・食費:18,000円
・通訳:50,000円
・交通費:3,100円
・高山病予防薬: 3,000円
・携行品:5,700円
(日焼け止めや、OS1、酸素濃縮液、ホッカイロなど)
・海外旅行保険:20,900円
●アメリカ
健康保険料(年間):180,000円
活動費(交通費や食費など):82,000円
アメリカー日本航空券(帰国):75,010円
●Readyfor手数料: 161,740円
1,248,000-1,145,484=102,516円
一点だけ、当初の予定から変更点がございます。奨学金の制度変更により急遽大学を休学することとなりました。今後については現在検討中ですが、「米国での活動資金」として使用予定だったご支援金の残りは、日本での活動費として使わせていただけたらと思っております。何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
私の志を達成するために、今後も邁進して参ります。
この度は、貴重なご支援を誠にありがとうございました。
上條聖一エマヌエル