クラウドファンディング プロジェクト終了報告書
【改めて感謝の言葉】
当法人では、2022年2月17日~4月15日にかけて、「友達の目が怖い コロナ禍の子どもたちのメンタルの危機に緊急の救援策を」として、READYFORを通じてクラウドファンディングに取り組んで参りました。
61名と言う多くの方々から、ご支援とご理解、応援のメッセージを頂きました事、改めて深く御礼を申し上げます。
【収支のご報告】
皆様からご支援頂いた資金は、全て、スタッフの学校、関係機関への交通費と、先生方が使用される書籍の購入費に充てさせて頂きました。
【コロナ禍を経て子どもたちのメンタルな現状】
私たちがプロジェクトを始めた2022年は、小中高校生の自殺数が514人(確定値)と、過去最多となった年でした。しかし、2023年も513人(確定値)とその数は高止まりをしています。
小中高校生の不登校数も昨年度は過去最高で、文科省は、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの採用を一割近い予算増で対応しています。
それでも、何らかの症状の出る前の「予防教育」にはなかなか予算がつかないのが現状です。
メンタルヘルスの予防教育は、そのうち多くの皆様がその必要性に気づいて下さる分野だと思いますが、それまでは、その必要性を痛感されて、今のうちに子どもたちのために何かしなければと思っておられる、現場の先生方の個別の努力に頼った、草の根式の実装が続いていくと思います。
【今後について】
READYFORでのプロジェクト期間は、これで一区切りがつきますが、実施している事業(その学校やその子に合った、使いやすいリジリエンシープログラムの作成と、学校でのメンタルヘルス予防教育の実施)は本当にまだまだこれからで、一区切りと言う実感は全くありません。
当初、新たに作成したリジリエンシープログラムや、その一部をいくつかの学校等で実施してみましたが、やはり、それは体に合わない既製服の様に使い心地が悪く、堅く、融通の利かないものに思えました。
使っていること自体がストレスになるような時もありました。
そこで、現在は、既成のリジリエンシープログラムではなく、それぞれの学校単位で、また、対象者の子どもさん専用にアレンジして、実施するプログラムの内容をチョイスしたり、オーダーメードのプログラムを作って使用することが多くなりました。
そのためには、先生方を援助する側の私たちも、もっと、もっと、こなれていきたいと思っています。
今年度は、京都府の2つの高校と、京都市の3つ小学校で、オーダーメイドのプログラムを作成、実施する予定です。(そのうちの2校は、昨年度から作成・実施していますが、来年度からは、年間の実施回数を増やす予定です。)
プログラムの名前も、中心になってくれた先生のお名前を入れたオリジナルなプログラムになりました。
この学校では、登校した生徒が、すぐに目にする掲示板にも、日常的に使って欲しい
マインドフルネスの技法などが、イラスト入りで何枚か重ねて大きく張り出してあります。
多くの子どもたちは、登校するとすぐに、そのポスターを捲って見ています。
プログラム内容の伝え方も、授業にこだわらず、色々なパターンを発見していきたいと思っています。
また、それをそれぞれの学校間で情報交換できると楽しいと思います。
2年かかって、まだ、(日本人学校を入れても)7校かと思う時もありますが、自転車の漕ぎ初めも、初めの一漕ぎ、二漕ぎは、一番ペダルが重いけれども、車輪が回り始めると、回転はとても速くなるという事を、私たちは、先行のプロジェクトで知っています。
漕ぎ始めが何とか回り始めているのは、理解してくれる先生方の存在です。
もうすでにこのプロジェクトは、私たち先行ではなく、現場の先生方の熱意に私たちが協力している形になりつつあります。
国内の子どもたちよりも、時にもっと過酷な環境にある、海外の日本人学校の子どもたちにも、先生方は個別の実施を考えて下さっています。
こういったプログラムや援助の形が草の根的に広がることを祈念して、皆様のご理解と
ご援助に対するお礼とさせて頂き、併せて、当プロジェクトの終了報告とさせて頂きます。