ご支援いただいた皆様へ
西日本豪雨の被災地へのご支援ありがとうございます。
皆様のおかげで、2018年11月末、約3カ月にわたるReadyforのプロジェクト目標が達成されました。多大なるご寄付とともに、あたたかくて力強いメッセージをいただき、元気付けられました。皆様のご寄付を通じて、引き続き岡山県真備町の「そーる訪問看護ステーション」を支えていきます。
さて、早いもので、2018年も残すところ、あと3週間ほどとなりました。
6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、 度重なる台風、 9月の北海道地震 ・ ・ ・かつて、これほどたくさんの自然災害に見舞われた年があったでし
特に河川の氾濫や土砂災害で 200 人以上 が亡くなった西日本豪雨の被災地では、その後の大型台風で被害がさらに拡大。避難所から仮設住宅な
発災直後にヘリや水陸両用車などで真備町に入ったA-PADジャパンのレスキューチーム「空飛ぶ医師団」は、病院患者の搬送支援や行方不明者の捜索、物資の配布といった緊急支援を続けてきましたが、現在は中長期的な視点での復興支援に力を注いでいます。
そーる訪問看護ステーションが取り組む「訪問看護」という仕事は、重い病気や障がいを持つ人も、すべての年代の人が住み慣れた地域や家庭で暮らせるよう在宅での看護ケアを支援するサービスで、まさに豪雨災害後の新しいまちづくりともリンクします。
そーるは、訪問看護と予防訪問看護に患者搬送を組み合わせた、岡山県では数少ない組織の一つで、訪問看護や看取り看護の重要性を広く訴えてきました。しかし、7月の豪雨で事務所や片岡さんの自宅も浸水。避難先から、高齢者や障がい児者など在宅療養を必要とする利用者全員の安否を確認し、今も訪問看護を続けています。なかには、水害の後に亡くなった方の”看取り”を担ったスタッフもいます。
利用者の数は震災前から半減してしまいましたが、時間が経つにつれ徐々に増え、今はなんとか「2人体制」を維持しています。訪問では、人工呼吸器の装着や器官切開、人工肛門のケア、リハビリ、精神障害を抱えた人の生活支援などそれぞれにあったケアや医療支援が求められ、多様なニーズに一つ一つ答えています。
「地域の人々と一緒に水害後の新しいまちをつくっていきたい」。そう考えるそーるは、10月から「enrichカフェ」という取り組みも始めました。それまでも、地域の人々に全国から届いた支援物資を届ける「配布会」やお祭などを開催してきましたが、新しいカフェでは地域の人たちの得意分野を持ち寄ってみんなで一緒にまちを盛り上げていこうとしています。
カフェには、近所の高齢者や小さな子連れの家族、なかには真備町外の避難者などたくさんの人が集まります。そーるは、このカフェで「健康チェック」と題して、地域の人々のさまざまな声を聞いています。血圧測定や体重測定をしながら、「食事はどうしてる?」「夜は眠れている?」と問いかけ、健康に関する相談があれば自己対処できる方法を伝えます。また、避難先の医療機関で生活・健康状態を把握してもらいやすいよう、血圧手帳を渡してカルテ代わりに利用してもらうこともあります。
地域の人々の変わりゆく課題や悩みをキャッチし、必要な支援につなげる「そーる訪問看護ステーション」。被災しながらも身銭をきって始めた看護スタッフたちの自主的な活動は、たくさんの人を笑顔にしています。そして、「町の復興」という大きなテーマにもつながっています。
そーるのメンバーは12月初旬、東日本大震災の被災地である宮城県の仙台や南三陸町を訪問し、ホームホスピス研修への参加や震災後の復興に向けた取り組みについて学ぶ機会を得ました。2011年の震災から7年を経た東北で、何を学び得ることができたのでしょうか。詳細は近日中に改めてご報告いたしますが、豪雨から5カ月が経過した真備の新しいまちづくりは、まさにこれからが正念場です。
引き続き皆さんのあたたかい応援をよろしくお願いいたします。