「お父さんほれ直したやろ？」-80代女性のご家族を通じて-

症例

症例　　Ａさん　８０代　女性　
子宮体癌　尿道口周囲腫瘍　多発性脳梗塞　終末期

癌性貧血　Ｈｂ5.4にて輸血

外陰腫瘍より出血にて貧血あり倦怠感が強く食欲も低下。日常生活援助、腫瘍圧迫にて尿閉の可能性あり緊急時の相談・対応希望にて訪問看護希望される。

訪問看護１回（状態観察、内服管理、点滴、生活介助、アロマヒーリングなど）　　訪問介護２回　１日３回の訪問を毎日在宅医による訪問適宜（最低２週間に１回）　

　

訪問開始から3日目に娘さんより

「入院中足のむくみどうやってもとれなかったけど、こんな一瞬でなくなるなんて、ほんま不思議でしょうがない　アロマ学びたい」と言われる。

右足　ヒーリングアロマトリートメント

前

 

後

 

左足　ヒーリングアロマトリートメント

前

 

後

 

 

時々苦悶様表情が見られたり、体動後などに肩呼吸がしばらくみられるなどあったが、看護師さんが来てくれるだけで、なんだか落ち着いてるように見えるし、ヒーリングをしてもらったら、呼吸も表情も穏やかになってるわ～と長女さんより。

 

カンファレンス時病院側より在宅どころか移送時に亡くなられる可能性もあるということでしたが、家で過ごしたいとの本人希望、家族の強い意思があったため、その旨をお伝えさせていただいて、在宅で過ごすことができた。

Ａさんはそれまで、思い出の写真などが飾られている部屋で、好きな音楽を聞きながら、長女さんにアロマトリートメントをしてもらったり、ご主人に手を握りながら話しかけてもらったり、家族や親戚が会いに来てくれて、楽しそうな声や笑い声をきいて穏やかに過ごされていたが、訪問開始から９７日目に家族に見守られながら旅立たれる。

 

ニット帽をかぶせてもらって浴衣ではない姿のＡさんは今にもおはようって起きてきそうなぐらい寝ているようにしか見えないとてもかわいらしい姿でした。

 

家族の方ももう一回嫁にいけそうやな～とかお父さん惚れ直したやろ？と言われるぐらいでした。