ラジオで朗読します「地球愛歌」

いよいよ明日！FMみやこ淳さんの「かなす宮古」戦後80年特別番組「基点から澄み切った空へ」での二女最後の出演です。
明日は10:00〜の1時間25分の拡大版だそうで、二女の出演は11:00ゴロだそうです。

最後の朗読は、二女が平和メッセージ展に出した4つの詩のうち、去年詩作した詩(平和メッセージへはこの作品が最後の出展になりました)です。
良かったら聴いてください。

こちらから世界中で聴くことができます♡

https://fm-miyako.com/

地球愛歌　

青一面の空
手の届きそうな距離で
太陽が燦々と照りつける
6月の沖縄
今年もようやく聴こえ始めた
ニイニイゼミの合唱は
長い暗闇を抜け出して見る景色を
歓喜しているのでしょうか
それでもどこか痛々しく響くのは
そこに見た
人間に破壊されゆくものへの
嘆きの謳だからでしょうか

哀しみを流し
人々を潤してきた
若夏の海に両足をひたすとき
肌を纏うこのあたたかさは
偉大なる恵みに抱かれる実感でしょうか
無償の愛の温み(ぬくみ)でしょうか
そこに生きるいきものたちの
或い(あるい)はその向こう側でたった“いま”苦しんでいるだれかの
こぼした涙の温度でしょうか
辛さに滲む汗の熱り(ほとぼり)でしょうか

地球よ

あなたはきっと
今日も耳を塞いでいるのでしょう
撃ち込まれる無数の大砲
滑空する爆撃機の轟音や
逃げ惑う家族の叫びに
住処を奪われたちいさき命の悲鳴
生きたまま埋められていく
海原が苛みもがく声に　

地球よ
あなたはきっと
いまも泣いているでしょう
銃で撃たれたあの子に
戦車に踏み潰された花々に
焼かれ切り倒された樹木
飢えて骨となった動物たち
愛するこどもたちが
毎日残酷に死にゆくこと
拭えど止め処(とめど)ない血の流れ
死をもってして癒えない
傷の痛みに

地球よ
わたしの生きる美しいこの星よ
地球よ
生きとし生けるものすべて
わたしの母よ

果てしないあなたへ
顔も知らない兄妹たちへ
あなたを母体とする
すべてのいのちへ　
問う

大きなあなたへ
数多(あまた)の兄妹へ
いまのわたしに何ができるか
あまりに小さく
あまりに頼りない
しかし確かに
ここに生きているわたしは
何から始めればいいのかと

母よ
なおも照りつける真太陽
じりじりと焼けつくような日差しは
今日を生きるわたしへのエールでしょうか
見てみぬふりをするわたしへの
いましめでしょうか

母は語りかける

愛する我が子よ
覚えているでしょうか
兄や姉たちがあの日一心に願った
穏やかに昇る朝日
安らかな夕暮れ
あなたの身体を支えている
土壌のその歩み

愛する我が子よ　
私が諦めていないのは
見えているから
絶やされた大地に苗を植え 
水やりに通う
傷ついたあなたの足取り
夫を殺された妻が与えた赦し
過ちを悔いたあの子
武器を持たないことを誓ったあの子が
平和を願っているすべてのこどもたちが
ひたむきに生を請う
すべての愛するこどもたちが

自分もお腹を空かせていて
それでもパンを半分にわける
あの子のちいさなやさしさが

互いに痛んで
それでも手を取り合うことを決めた
兄と弟のちいさなゆうきが

伝わっているから
差し伸べられた手が
どんなに温かかったか
ひしひしと伝わるから
憎しみに打ち勝った心が
どんなに強く尊いものか

愛する我が子よ
知っているでしょうか
あなたの願う平和の光は
そのやさしさが灯していくこと　
あなたの持つやさしさの灯りは
すぐにでも誰かを照らせることを
我が子よ知っているでしょうか
あなたの願う平和の光は
そのゆうきが繋いでいくこと
あなたの持つゆうきの灯りは
ちいさな火をも炎(ほむら)となせることを
我が子よどうか
忘れないでほしい
あなたのもつ力は
ちっとも小さくなんかない
あなたやあなたの兄弟姉妹
ひとりひとりのやさしさ
ひとりひとりのゆうき
そのエネルギーは
やがて私のすべてを包み込んでしまえることを＿＿＿＿＿＿＿＿

81億1900の人類
共に生きる兄弟 姉妹たちよ

いまこそ
疑うべき時じゃないか
啀み(いがみ)合う当たり前
壊している日常
奪い合ってしか得られぬものが
果たして本当にあるのか

兄弟よ 姉妹よ
いまこそともに
目を
そこに向けてみないか
耳を
傾けてみないか
手を伸ばしてみないか 
声をあげてみないか

描いてみないか
笑い合うひとびと
分け与えあえる幸せを
緑萌ゆる華やかな森を
心奪われるような海の碧さ
分断されない蒼空の広さを
とりどりの水鳥が憩い
動物たちが草を食む
のどかな未来の姿を

信じてみないか
わたしのもつ力
あなたのもつその力
わたしたちみんなの力を
やさしさを
ゆうきを

平和を

ああ 地球よ
わたしたちの母よ