孫達の夢。洋画家今井繁三郎がのこした鶴岡の地を食と芸術の森へ

支援総額

3,800,000

目標金額 3,000,000円

支援者
112人
募集終了日
2018年3月5日

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プロジェクト本文

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■お礼とネクストゴール挑戦のお知らせ■(2/6追記)

 

みなさまからの力強い応援・ご支援をいただき、無事に目標金額の300万円を達成することができました。

 

「祖父が生前から描いていたビジョンを、孫世代の私たちが引き継いで形にする」

という今回の挑戦に賛同していただき、ご支援をしてくださったみなさま、本当にありがとうございます。

 

みなさまの期待に応えるべく、引き続きメンバー一丸となって取り組みを進めて参ります。

 

そして、プロジェクト終了まであと1ヶ月弱あることから、私たちは次のゴールに挑戦することにいたしました。

 

まずは、今回達成した目標金額で、「アトリエ部分の工事」と「厨房部分の工事」を進めていきたいと思いますが、もし、さらにそれを超えてご支援をいただくことができれば、「駐車場の新設や庭の整備」などの実現も目指すことができます。

そこで、新たな目標金額として500万円を目指すことにいたしました。

 

ネクストゴールを設定することで、更に多くの方にこのプロジェクトについて知っていただけるだけでも、大変嬉しく思います。

 

3月5日(月)まで、引き続き応援とご支援をお願い申し上げます。

 

羽黒・芸術森運営会議 プロジェクトメンバー一同

 

イラスト・ハミングデザイン(鶴岡市)

 

山形県鶴岡市で生涯を通して心象画を描き続けた画家・今井繁三郎。今年、没後16年を迎えます。その美術館とアトリエを未来に繋いでいくため、私たち実の孫やゆかりの方々など有志で2016年に結成したのが、「羽黒・芸術の森運営会議」です。

 

今回は、今井の死後使われなくなったアトリエをリニューアルし、「アートと食で、訪れた人の感性を刺激する」場としてよみがえらせるため、プロジェクトを立ち上げました。

 

クラウドファンディングという方法はもちろん初めてですが、これを通して、今井繁三郎という画家のこと、新しい「羽黒・芸術の森」のこと、そしてそれを運営していく私たちの思いを知っていただけたらと思っています。

 

 

あえて羽黒を拠点に……画家・今井繁三郎とは。

 

 

今井繁三郎は、1910年、羽黒町(現・鶴岡市)の造り酒屋の四男坊として生まれました。17歳のとき、画家の道を志すと決めて、勘当同然で上京。銀座・資生堂での展覧会など、画家としてキャリアを積んでいきましたが、終戦後まもなく、拠点を羽黒町に戻す決意をします。当時35歳。「郷里の自然の中で子を育て、創作を行うのだ」という思いがあったといいます。

 

実家の所有する山林を自ら開墾し移り住み、以降は一貫して地元で創作を続けました。コンクールに出品することも画商に頼ることもなく、東京や長崎など各地で個展を開き、作品を売って生活を成り立たせました。2001年に羽黒町名誉町民(現・鶴岡市名誉市民)となり、翌年91歳で亡くなっています。

 

絵のモチーフは、少女や子どもたちなど人間愛に満ちたもの、飢餓・貧困・格差といった弱者に焦点をあてたもの、庄内の美しい自然を描いたものなど多岐に渡りますが、その全てが、今井の心のフィルターを通して描かれた「心象画」です。

 

故郷・羽黒での創作にこだわり続けた今井ですが、一方で、「私ははじめから 条件の悪い土地で 絵を描いているのだ。とそう腹にきめている。」とも書き残しています。故郷にとどまるという選択は、画家としてどう生きるかを考えた時に生まれた、覚悟のようなものだったのかもしれません。

 

孫の私たちから見ると、祖父は「娘である母たちを振り回していた」印象がありますが(笑)、私たちのことはとても可愛がってくれ、ひ孫に至っては溺愛といえるほどの愛情を注いでくれました。

 

後進の育成にも力を注ぎ、親子以上に歳が離れた知人も多く、没後15年たった今もたくさんの仲間が羽黒を訪れてくれます。

 

 

1990年の設立以来、ファンや地元民に愛された「今井繁三郎美術収蔵館」。

 

そんな今井が、羽黒の地に私設の美術館を建てたのは、80歳になってからのことでした。自らの作品約400点に加え、今井が日本全国、世界各地で集めてきた1000点にも及ぶ民芸品などの展示もあります。

 

当時、ロビーの大きなテーブルには、全国から訪れた方たちの名刺が所狭しと並べられていました。「まあ!よくこんなところまで!」と驚くような来館者の名前もしばしば見られたといいます。

 

しかし、2002年に91歳で今井が逝去したのち、主を失った美術収蔵館は、次第に現状維持すらままならない状況になっていきました。家族経営では受付、清掃などの開館業務が精一杯で、動員のための企画展もままならず、来場者は減少。結果、2014 年秋にいったん休館となりました。

 

建物は、鶴岡市山王町にあった江戸時代の土蔵(築300年)を移築したもの。できるだけそのままの形でという今井の意志で、手を加えるところは極力減らし、柱や梁は当時のまま残されています。

 

 

 

でも。「25年もの間、親しまれた美術館をこのまま終わらせたくない!」

 

そんな想いから、今井の孫・ゆかりの方たち有志が中心となり、2016年「羽黒・芸術の森運営会議」が立ち上がり、美術館を再開することとなりました。

 

とはいえ、もともと私設の美術収蔵館。公的な補助があるわけではないので、運営のコンセプトや経営基盤を固め、今度こそ継続的にこの場所を守っていける形を作らなければいけません。

 

そこで、私たちは敷地全体を「羽黒・芸術の森」と名付けました。そして、美術館を「今井アートギャラリー」、アトリエを「工房いずみの」、庭を「羽黒の小さな森」とパートを分けて、単なる美術館ではなく、アーティストや地域の方々が気軽に集える「拠点」にしていくべく、さまざまなイベント企画も進めています。

 

イラスト・秋野わかな

 

昨年は2度、「工房いずみの」で地元のクラフト作家さんたちと「小さな森の市(マーケット)」を開催。20近い出店があり、大変活気のあるイベントとなりました。

 

 

旧アトリエを改修し、「食」と「創作」が共存する場として蘇らせたい。

 

さらに、今年は「工房いずみの」を大改修し、鶴岡の食材を生かしたメニューを提供するレストラン、かつ貸しアトリエやワークショップ会場として使える空間に、再生したいと考えています。ゆくゆくは、芸術家同士の交流や、次世代を担う若手作家の育成に寄与できる場としていければと思っています。


レストランは、東京・吉祥寺で「ovenKato(オーブンカトウ)」を営んできた加藤博紀、あさ野が担当します。あさ野は今井の孫です。幼い頃から慣れ親しんだこの場所を何とか残していきたいという思いで、今回東京の店を閉め、夫妻で移住するという大きな決断をしました。

 

 

ただ、ネックになっているのが建物の老朽化です。厳冬の雪国で耐えうる、長く使える施設にするためには、2重サッシの取り付けなど大きく手を入れる必要があるのですが、その資金すべてを私たち運営会議メンバーだけで捻出するのはどうしても難しく、今回クラウドファンディングを立ち上げました。

 

イラスト・ハミングデザイン(鶴岡市)

 

【改修の概要と必要な費用】

今回第一目標額を達成できれば、自己資金とあわせ、①②を実現することができます。もし、さらにそれを超えてご支援をいただくことができれば、③の実現も目指していきます。

 

もとは今井が創作を行っていたアトリエ兼住居。旧鶴岡裁判所の執務室を移設したもので、天井が高く、暖炉もそなえた趣のある建物です。

 

 

祖父が生前から描いていたビジョンを、私たちが引き継いで形にする。

 

美術館の休館が決まり、その後どうするかを孫世代が集まり話し合ったとき、出たのは賛成の意見ばかりではありませんでした。

 

「子どもの頃から親しんだ羽黒が、今までとは違う姿になるなら、もう再開はしなくていい」「採算の見込みなんてないのでは?」「母たちに替わって誰が維持管理や運営をやるの?」

 

にもかかわらず、この場所を繋いでいこうと決めたのは、祖父の信条「よりよく生きる」がいつのまにか孫の私たちの中にも根付いてしまったからなのかもしれません。いや、後先考えずに行動してしまう無鉄砲なところを受け継いだのかも(笑)。

 

「衣食住足りれば人は生きていけるが、心が動かないと本当の人として成り立たない」。美術館・アトリエ・庭で構成される「羽黒・芸術の森」は今井の“生き様”そのものです。

 

この場所を、「人が人として生きる」ための場にすべく、運営メンバー一丸となって、本気で取り組みます。皆さまのご支援を、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

「羽黒・芸術の森運営会議」メンバー紹介

 

羽黒・芸術の森は当面、運営会議メンバーで企画、運営、維持管理を担う予定ですが、より継続的な活動ができるよう、近い将来の法人化を目指しています。

 

齋藤 健太郎(今井の孫、四女木草の長男)

「羽黒・芸術の森」代表。酒田市出身。小6まで酒田で過ごした後、中学~高校は祖父とともに羽黒で過ごしました。大学から横浜に移りましたが、社会人6年目に酒田に戻り、父の会社を継ぎました。会社以外にも、酒田福祉住環境を考える会(副会長)、酒田方言あそび研究会(代表)としても活動しています。

 

秋野 わかな (今井の孫、四女木草の二女)

「羽黒・芸術の森」の管理を担っています。羽黒町出身。高校卒業までと今井の最晩年をこの地でともに暮らしました。あえて地方に居を構えながら、毎年数ヵ所で個展を開き中央へ作品を発信し続けてきた祖父の気概、遺した絵の素晴らしさ。その全てを多くの方々に知っていただくべく、今回のチャレンジは必ず実現させたいと思っています。

 

髙橋 芽ぶき(今井の孫、三女萬里野の長女)

東京生まれの東京育ちですが、祖父母の住んでいた羽黒は、幼い頃毎年いとこ達と夏休みを過ごした大切な場所です。美術収蔵館(現アートギャラリー)ができてからは、多くの方たちにとって大切な場所になっているこの場所を、私たち孫の世代が引き継ぎ、また次の世代に繋いでいきたいという思いでこのプロジェクトを立ち上げました。

 

加藤 博紀・あさ野(夫妻。あさ野は今井の孫、三女萬里野の二女)

東京生まれ、東京育ちの二人が吉祥寺で出会い、2006年に結婚しました。2008年に夢を叶え、吉祥寺に自分たちのレストラン「ovenKato(オーブンカトウ)」をオープン。あさ野が、「幼少の頃は毎夏、その後も通い続けた、思い出深い大好きな場所を残したい!」との想いを夫に相談したところ、ふたつ返事で同意してくれたため、今春「ovenKato」を閉め、羽黒に移転・移住することを決意しました。

 

通称「いとこ会」。東京・吉祥寺の「ovenKato」で今井の子、孫、ひ孫が集まり、美術館の行く末について話し合いを重ねました。

 

 

今井繁三郎 略年譜


1910 年 2 月7 日、山形県東田川郡羽黒町(旧泉村)戸野に生まれる。
1927 年 3 月、山形県立鶴岡中学校(鶴岡南高等学校)卒業後、画家を志し上京する。芝絵画研究所に入所、山本鼎・山崎省三・木村荘八らに指導を受ける。
1936 年 鷲田新太の誘いにより美之国社に入社。美術雑誌「美之国」の編集に携わる。
1937 年 自由美術家協会創立に参加。
1941 年 東北生活美術協会を結成。銀座資生堂にて展覧会を開催。10 月、美之国社の客員となり、海軍省の従軍画家として南方に赴く。
1942 年 帰国する。5 月銀座資生堂にて展覧会を開催。7 月 満州国に赴き当時の奉天・新京・ハルピン熱河を写生旅行し9 月に帰国する。
1943 年 銀座村松画廊にて「海南島風物画展」開催。7 月 台湾に赴き、台北・高雄にて個展開催。全島を巡る。10 月帰国。
1945 年 敗戦、東京を離れて郷里に帰り、山野を拓いて家族と共に住む。
1946 年 日動画廊にて旧自由美術家協会の会員展を開催。
1947 年 毎日新聞主催美術団体連合展、都美術館で開催。
1956 年 山形県美術連盟運営委員長に就任。
1957 年 白甕社委員長に就任。
1964 年 欧州に赴き、パリに滞在する。
1976 年 美術団体「光陽会」の委員となる。
1979 年 齋藤茂吉文化賞受賞。
1981 年 サントリー地域文化賞受賞。
1983 年 光陽会文部大臣奨励賞受賞。
1989 年 美術団体「光陽会」の委員長に就任。
1990 年 羽黒町泉野の自宅庭に今井繁三郎美術収蔵館を設立。
1996 年 鶴岡市特別文化功績賞を受賞。
1998 年 長崎県立美術博物館にて回顧展開催。
1999 年 O 美術館(東京都)にて90 歳展開催。
2000 年 山形美術館にて2000 年記念展を開催。アート・CON(混)展、文藝春秋画廊にて開催。
2001 年 羽黒町名誉町民となる(合併に伴い 現在は鶴岡市名誉市民)。
2002 年 1 月9 日 死去。享年91。

 

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プロフィール

羽黒・芸術の森運営会議代表 今井繁三郎は母方の祖父にあたり、2016年より現職 株式会社ブルー代表取締役 酒田方言あそび研究会代表

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10,000


【おすすめ①】羽黒・芸術の森に遊びに来てください!

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申込数
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在庫数
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発送完了予定月
2018年5月

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【おすすめ②】羽黒・芸術の森オリジナルグッズコース

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【おすすめ①】羽黒・芸術の森に遊びに来てください!

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申込数
31
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年5月
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