重要文化財日下部民藝館・吉島家住宅｜歴史を護り繋ぐ運営費にご支援を

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さて、今回は吉島家住宅で過去に行った素晴らしいイベント、「高山サマーセミナー」をご紹介します。
1973年から1977年まで5年間で、吉島家住宅を会場に、建築史家、伊藤ていじさんが企画し、新建築社が主催した文化セミナーです。伊藤ていじさんは民家研究の第一人者、氏が執筆し、1957年に刊行された写真集「日本の民家」の第一巻は日下部、吉島両住宅や白川郷など飛騨の民家を取り上げています。
「祖先への郷愁としてではなく、輝かしい構想力にみちた未来への現代的象徴または反映として、民家を保存すべき」と考える伊藤氏が、現代に生かされる民家の活用として、吉島家住宅で、当時最高の知の精鋭たちを集めて行ったのが「高山サマーセミナー」でした。講師となったその顔ぶれは、磯崎新、安藤忠雄といった現代建築界の巨匠とも言える面々や、グラフィックデザイナーの粟津潔、彫刻家の流政之、照明デザイナーの石井幹子、映画監督の篠田正浩、哲学者の梅原猛、放送作家の永六輔(敬称略)等々が議論を交わし合いました。2016年に吉島家住宅、日下部民藝館の文化財指定50周年ではこの素晴らしい企画を「新・高山サマーセミナー」として復刻、当時を彷彿とさせる催しとなりました。吉島家住宅では、「民家」をテーマにこうしたセミナーや研究会を開き、吉島家住宅を生きた建築の「教科書」のような場所にしたいと思っています。