グリーフケアとの出会い

当法人は「グリーフケアをもっと身近に…」という理念を掲げて設立しました。

私は東日本大震災後に地元で写真修復、映像制作のボランティア活動「スマイルアゲインプロジェクト」を始めました。その活動を通じて多くの方とのご縁を頂きました。毎日仙台に通勤しながら帰宅後、お預かりしたお写真をスキャンしてそのデータを修復する活動を続けていました。お預かりした大切な大切なお写真から様々なおもいを受け止める間に心が苦しくなり、活動を続けることに不安を感じてしまうようになりました。地元の新聞に「心の健康相談」が載っていて偶然、仙台グリーフケア研究会の電話番号が目に入り、「何か心のケアをしてくれるのかな」と漠然と思い込んで電話をしたのがグリーフケアを知るきっかけになりました。

 

その時、私の話を聞いてくれたのが仙台グリーフケア研究会の滑川先生でした。滑川先生は私の活動の事、人と会うのが怖くなってしまった事など淡々と聞いてくれました。

具体的なアドバイスのようなものはなかったように記憶していますがこれまで誰にも話せなかった不安な気持ちを話せた事ですっきりした感覚を得られたと思います。

グリーフケアは何か専門的な知識や方法があるわけではないけれど学ぶことで得られる事もあると思うので学んでみませんかと誘って頂き、そこからグリーフケアを学び続けています。

 

グリーフケアは治療的な関りではなく、喪失による精神的な苦痛は病気ではなく、正常な心の反応ですと学びました。

 

グリーフは変化、しかし人生観が変わるほどの大きな変化は心の痛み（グリーフ）となってしまいます。その痛みを和らげる、何かしらの方法があるわけではなく、その痛み（グリーフ）と共に人生のストーリーを再構成する営みが大切であると私の師である水野治太郎先生から学ばせていただきました。

 

水野先生は亡くされた方の存在が大切であればあるほど悲嘆の度合いは深く、悲しみは続きます。しかし、日々変化するその思いに心を寄せ、大切な方と内なる会話の中で対話し、亡き方と共に生き続ける事が叶うならば、、、と教えを頂きました。

 

喪失体験は死別だけではなく、障がい、難病、貧困、虐待など社会でつらい思いをされている方々も含まれると思っています。それらのつらい思い、心の痛みへのサポート、ケアもグリーフケアには含まれていると思っています。

 

何らかの形でグリーフ（悲しみ、悲嘆）を抱えた方々へ寄り添い、つながる事で地域が豊かに誰にでも優しい社会になれるように活動を続けていきたいと思っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。