【自由民になりたいラジオ：配信レポート】特別編「翠山大学、準備しています」前半

◆なぜ今、大学を作るのか？——ランキング社会のその先へ

まず話題は、プロジェクトのキックオフとなった6月20日の設立記念イベントの振り返りから。イベントに参加しての感想を、代表理事の堀田さんに尋ねます。

青木さん：6月20日のイベントはいかがでしたでしょう？

堀田さん： （登壇した先生方は）皆さん一致してこうおっしゃっていたことっていうのは、（中略）資本主義と言いますか、全てのものに値札がついて何かこう成果が量というか金銭というかそういうもので測られていて、数値で測られるってことはなんかランキングアップを目指していくと。（中略）何か勝敗が数値やに現れていくような学び方とか生き方暮らし方がちょっと行きすぎていて、もっと違うあり方、そういうものをこう見出していくような、学びの場、生きる場、暮らし方、それを本当にちゃんと模索してやるようなシステムが必要。(ということでした）。

単に知識を頭で学ぶだけでなく、身体を通して実践し、自らの血肉としていく「身体知」。それこそが、今の時代に求められている——。登壇した先生方の専門分野は違えど、その考えは一致していました。

◆  「知るに値することは、すべて教えられない」——答えのない学びの場へ

「翠山大学とは、一体何なのか？」設立メンバー自身も、この問いに日々向き合っています。議論の中で、坂本さんは内田樹先生が語った「『自己』を殺信し続ける」ことの重要性に触れ、固定された自分から離れることこそが、学びの本質ではないかと語ります。

坂本さん：  何かその自分自身を自己し続けることがなんかそのそれこそウェルビーイングじゃないですけど幸せに近づく唯一の方法なんじゃないかみたいな話をなんかしてらっしゃったような記憶があって。（中略）だから変わっていいんだなみたいなのが、あの時に一番自分の中では記憶に残った話でしたかね。

堀田さん： これオスカー・ワイルドの言葉らしいんですけれども、「本当に知るに値することは全て教えることができない」というなんか言葉あるんですよね。（中略）学校でこうなんか教科書で教えられるような、つまり答えがあってマニュアル通りにやればいいっていうのは教えられることなんだけど、それってね本当に生きることになるっていうとやっぱりそうじゃなくて。

坂本さん： だからどちらかが正解みたいに言っちゃうことそのものがなんかおかしいというか、間違っちゃってるっていう。うん。だからどちらも正しくもあるし間違ってる状態でもあるっていうか。

翠山大学は、あらかじめ用意された「答え」を提供する場所ではありません。答えのない問いと向き合い、試行錯誤を繰り返す。そのプロセスそのものの中にこそ、本当の学びがある。そんな確信をメンバー全員が共有する時間となりました。