【自由民になりたいラジオ：配信レポート】特別編「翠山大学、準備しています」後半

◆ どんな人が集うのか？——社会への「違和感」を原動力に

翠山大学の大学院には、どんな人が学びに来るのでしょうか。現役の社会人でもあるパーソナリティの下伏さんの問題提起から、議論が始まりました。

下伏さん：社会人になってから大学の学びがめっちゃ大事なことだったんだなっていうのはすごい内観した。（中略）答えのないことをなんかこう話す時間みたいなのが、そもそもこう社会に出てからってなかなか取れないなと。

坂本さん： （今ある大学や学びの場に）「それじゃないな」っていう人が来んやろうなって。（中略）いわゆる「稼ぐ」っていうことを教えるところがほとんどじゃないですか、今。（翠山大学は）そうじゃなくって「よく生きる」みたいなことがなんかどうやったら教われるんやったっけ、みたいな。

青木さん： 僕にとっては（大学院は）やっぱ「研究」する場だっていう風に自分は思ってて。（中略）研究って絶対に終わらない。やればやるほど（探求したいことが）出てくる。なんか「よく生きる」ことに繋がんじゃないかなっていう。死ぬまでにしたいことのチェックリストが増えてっちゃうみたいな。

「もっと深く対話したい」「よりよく生きたい」「終わらない探求がしたい」。社会に出て、既存の仕組みの中に身を置く中で生まれた、漠然とした、しかし切実な願い。翠山大学は、そんな社会への違和感や渇望を抱く、すべての人のための学び舎となりそうです。

◆  教員もまた「探求者」である——翠山大学で、私たちがやりたいこと

翠山大学では、教える側と教わる側の立場は固定化されません。設立メンバー自身もまた、この新しい場で自らの「探求」を実践しようとしています。

坂本さん：  今、デザインの「脱植民地化」って話をしてて。（日本の）すごい山奥の道の駅でも東京のデザインがある。（中略）本当はその土地いきなりのデザインっていうのは生み出せるはずなんです。その土地らしい表現の仕方が本来はあるはずで。

堀田さん：  （近代社会は）生き方をトータルでものすごく変えたわけですよね。（中略）図書館とか言っても、大学のなんかセンターみたいなところに一元化され集中しているっていうようなあり方とは違うアーカイブとか情報とか本のあり方を考えていくし、教授会と学生会の関係とか、そういう1個1個の細かいところも全部何か考えて変わっていく。

下伏さん： 私はずっと都市で生きてきたっていうところがあるんですけど、その都市でも何かこう翠山大学の学びを実践できるような場があってもいいんじゃないかというか、作れるんじゃないかっていうところはすごく思っているので、そこを繋いでいくなんかこう役割みたいなのをしたいな、みたいな。

地域の文化を取り戻すデザインの実践、大学というシステムの根本的な再発明、都市と地域を繋ぐ新しい場の創出。設立メンバーそれぞれの探求が、そのまま大学のカリキュラムとなっていきます。