📣 応援メッセージのご紹介 #9 「佐藤淳様」

環境科学の研究・教育の第一線で活躍され、次世代への科学的な気づきを育て続けておられる佐藤淳先生。福山大学生命工学部生物科学科の教授であり、福山大学グリーンサイエンス研究センターのセンター長も務めておられます。博士（地球環境科学）として、環境保全や生物多様性の研究に日々取り組まれています。

そんな佐藤先生から寄せられた、生態系へのまなざしと未来を見据える力強いメッセージに、私たちも背筋が伸びる思いです。

佐藤先生の専門的な視点からの応援は、私たちの活動にとって何よりの励みとなります。
今後も皆さまのご支援をいただきながら、森のいきものたちの未来を守る取り組みを進めてまいります。

それでは、佐藤先生からのメッセージをご紹介いたします。

🧬ヒメネズミのDNAが語る、森の分断の影響

福山大学の佐藤淳教授の研究グループによる成果が、山梨放送の番組で紹介されました。
▶︎ 福山大学サイトの記事はこちら

この研究では、富士スバルラインによって森が分断されたことで、道の両側に生息するヒメネズミのDNAに違いが生じていることが明らかにされました。
つまり、道路でヒメネズミの移動が制限されたことで、それぞれの個体群が別々に進化し始めている可能性があるというのです。

🏔富士スバルラインがもたらす“見えない分断”

興味深いのは、富士スバルラインの道路幅はわずか5〜10メートル程度であるにもかかわらず、

・ヒメネズミは枝を伝って移動する習性があるため、舗装された開けた空間を避ける傾向があること
・結果として、道を挟んで個体群が行き来できなくなっていること

が分かっています。

ヒメネズミは、ドングリを運ぶなど、森の生態系維持に欠かせない役割も担っているそうです。

富士山は、多様な森のタイプが共存する日本有数の生物多様性の宝庫です。
このような場所でも、道路一本という工作物が自然に大きな影響を与えていることが、今回の研究で改めて浮き彫りになりました。

このような発見は、アニマルパスウェイの必要性と重要性を、科学的に裏づけるものでもあります。小さないのちがつながりを取り戻すために――皆さまのご支援が、未来の森を支える力になります。

▶YBS山梨放送 公式チャンネル
【特集】スバルラインが生息域分断か
https://www.youtube.com/watch?v=IbmYhSmI-5A