皆様のお陰で、ユメソダテは進化しています!
【皆様のご支援のお陰で、ユメソダテは新しいステージに入っています!】
ご無沙汰致しております。ユメソダテの前川です。本年はじめに、皆様から頂きましたご支援のお陰で、5月ころから、傾聴で見つけたユメのタネを出発点に、当事者に伴走し、様々な体験をしたり、人をつないだり、身近な人間関係に働きかけたりする、ユメソダテ活動を進めることが出来ました。
【傾聴から伴走支援へ、そして具体的な成功例が出てきています!】
ユメソダテは、設立から本年春まで、傾聴を中心に活動して参りました。これは、ユメの発達段階仮説に基づき、障がい者施設でのヒアリングを経て、
- 誰もの心にはユメのタネがあり、傾聴を通じて、自ら発見できること
- 豊かな人間関係がユメを育てること
の2つの気づきを通じて、当事者に人生全体を語って頂き、辛い経験、苦しいことを全て肯定的に受け止めるとともに、語りの中で見つかるユメのタネを集めて、出発点とすることとし、ひたすら傾聴を重ねました。
この傾聴体験を重ねる中で感じましたのは、健常の方でも同じかもしれませんが、特に障がいのある方は、様々な情報はインプットされるが、なかなか言葉にできない、或いは言葉にはできても、なかなか真剣に聴いてもらえる人に恵まれない人が本当に数多くいるということです。言葉にするということは、情報を整理することでもあります。
傾聴を続ける中で、皆さんが、これまで例外なく元気になられるのを見て、当事者の方々は、沢山の情報が意識や無意識に整理されないまま積みあがっていて、苦しくなり、二次的な障がいや、心のひきこもり傾向につながっていっているのだと感じました。そしてこの二次障がいこそが、自らの可能性を狭めているのです。まず、思いを吐き出すことが、とっても大切だと思います。
そして、当事者のことを一番心配している家族、特に親は、関係が近すぎて、なかなかできないことにも気づきました。当事者も甘えてしまいますし、家族も、言葉のでにくい当事者のユメのタネをゆっくり傾聴したり、当人がなかなか進められないタネを育てるための試行錯誤を、3歩下がって応援する支援する待ちの姿勢を保つことが難しいのです。家族がこれをやろうとすると、一種の苦行になると思います。多くの家族は、むしろ、当事者よりも前に出て、当事者にあっているであろう具体的な活動を探して用意して与えたり、就労するための実務的なことをやらせる機会を作ったりすることに熱心で、ややもすれば、当人の思いを知ってはいても育てることができにくい感があります。それは当然だと思いますし、お気持ちは、当事者の親として痛いほどわかります。
皆様の支援を得て、春から、傾聴を通じて見つけたユメのタネを育てる活動を始めました。その際、私たちが原則としたのは以下のようなことです。
初回傾聴の5原則
- 傾聴する:人生曲線を描いてもらい、人生全体を、最大限の集中力で、聴く。(感想・意見は控え、集中し共感していることを目線、又は、最小限の言葉(「辛かったですね」、「素晴らしいですね」)で伝える。)
- 分析や診断やアドバイスをする姿勢を放棄しきる。(障がいや疾患や問題を解決しようという姿勢を捨て切って聴く。)
- ユメのタネが本人から出てくるのを待つ。(感動、好きなこと・人、やってみたかったことなど、全てのユメのタネを漏らさずメモに取る。)
- 良いことも悪いこともすべて受け入れる。(語りきるのをひたすら待ち、万感の思いを込めて、人生全体を短く肯定する(例「つらいことが沢山あったのに、よく、頑張ってこられましたね!」))
- ユメのタネを、共同で確認する。(最後に、全てのユメのタネを、一つ一つ語り返し、反応を注意深く観察し、ユメのタネの大きさを計る。)
- 次のステップを明らかにする。(次回はユメのタネを材料に、ユメやアクションにつなげるので、考えてきてくださいと伝える。)
伴走計画の5原則
- ユメのタネを振り返りながら、タネの大小をみつける。
- ユメのタネから連想をつなぎ、アコガレを膨らませる。(聴き手は書記。)
- アコガレから、アクションを考える。(聴き手は当人の発意を邪魔しないよう最大限注意しつつヒントを出す)
- アクションの優先順位を考える。(ヒントは出しても良いが、優先順位は絶対に本人しか決めない)
- 当人が決めた優先順位に沿い、体験や出会いを一緒に考える。(聴き手の語り解禁。聴き手のリソースを総動員して選択肢を出す )
この2つのステップを経て、当事者の人間関係を豊かにすることに注意しながら、伴走活動を進めていますが、3名の方の伴走についてご報告申し上げます。
1名の方は、学校で孤立して不登校になっている16歳の特別支援学校1年生の男の子の場合、大好きなトヨタの車に一緒に試乗したり、プラモデルの先生を見つけて一緒にプラモデル教室をしたり、友人を創るために学校でクラブを作るチラシを配布したりするなかで、「トラックドライバーになりたい」というユメを語るようになり、2学期からは無欠席で学校に通い始めています。
また、辛い体験が重なって鬱になっている30代の女性は、なかなか聞き取れる声で話せなかったのですが、人生曲線を「波の絵を描くのは楽しい」と語り、数多くあるユメのタネの中でも、降り注ぐ太陽の下で、汗だくになって働き、美味しい野菜を収穫できる農業が一番やってみたいことであることに気がつきました。一回目の傾聴を終えた時にも、伴走支援計画を建てた時にはも、普通の声になっていました。そこで、いろいろな団体でいろいろな方にお目にかかり、農家で働くことや、各種の農業関係の学校、そして将来の就農に向けた可能性などの選択肢を勉強し、まずは農家で雇ってもらうことを目指して活動を始めています。ご両親も、通っている就労移行支援事業所の方も、変化に驚いておられるそうです。
さらに、58歳のALS当事者の方は、実は前川の農林水産省の先輩ですが、ご自身が当事者であるにも関わらず、ユメソダテのクラウドファンディングに「僕にもユメがあります。ユメがあるから、どんな困難にぶつかっても人は生きていけるのだと思います。ユメがあるから強くなれる!」と力強いメッセージを寄せてくださいました。彼は2015年にALSであることが分かり、右手→両足と動かなくなっていくなか、左手を訓練して、左手で絵を描くことを再開し、次に口で、そして最後には、視線入力の機械を入手し、自ら視線入力でお絵かきソフトが使えることを発見し、今も絵を描き続けておられます。次回のユメへの作戦会議に向けて、2015年以来、様々な方法で描いてきた80枚を超える絵を冊子の形で皆様に見て頂こうと計画しております。そして、絵本を出したいというご本人のユメを応援してくださる方は、是非、僕たちと一緒にやりましょう。
この3名の方々には、次回のユメへの作戦会議(10月27日(日)@桜神宮会館)で、ご本人たち自身からユメの発表をして頂きます。
そして、この10/27のイベント後、基本的考え方を共有する数名の大人とチームを作り、ユメソダテ共育プログラムを立ち上げる予定にしています。当事者1名に担当1名を決めて傾聴・伴走し、1回/2週程度の定例会で経験を分かち合うとともに、専門家から学びながら共に育つ活動を始めます。そして、この実験的な活動の成果は、第5回ユメへの作戦会議(2020年春頃)にて、発表したいと考えていますので、どうか、期待していてください!
【収支報告】クラウドファンディングにて支援頂きました153万6千円からReadyforの手数料を引いた122万1591円を頂きました。これに賛助会費収入約27万9000円を加えた約150万円の収入がありました。支出は、イベント関連費用に45万円、傾聴活動に15万円、ユメソダテ伴走活動に50万円、法人の運営と行政手続きに40万円の費用を支出しました。
今後の活動は、賛助会費収入でしばらく進めることとなりますが、賛助会員が不足しています。どうか、賛助会員になってください。https://syncable.biz/associate/yumesodate)
なお、リターンの発送は2019年5月末に終了しています。(もしも、もしもまだ届いていないという方がおられましたら、前川maekawa@yume-sodate.comまでご連絡ください!)
2018年9月に法人設立したユメソダテは、1周年を迎えました。ユメを育てる社会に向けて、これからがいよいよ本番です。どうか、応援してください!よろしくお願いします!