「あなたたち一人ひとりが主役です。あなたたち一人ひとりが世界を変えるのです」ジェーン・グドール　

「人間とチンパンジーの遺伝子は９８％同じです。互いに輸血だってできるんです。ゴリラとはできません。脳や中枢神経システムも他のいかなる動物よりも似ています。言葉にはよらない複雑なコミュニケーションができるんです。

　彼らは、幸せとか、哀しみとか、怖れとかいった、複雑な感情を持っています。体だけでなく、心の苦しみを知っています。そして愛や慈悲心さえあるんです。

　チンパンジーは既にこの世の不思議に気づいています。我々と同じように、何か大いなる力の存在に気づいています。もし彼らがその感覚を他者に伝える言葉を持っていたなら、きっと、宗教の原点のようなものが生まれたでしょう。

　でも彼らは、目の前にある事しか子どもたちに伝えられない。想いを魂にまで高められない。だから、人間が言葉を持ったことはとても重要なことなんです。

　悲しいことですが、彼らは人間の醜い側面のルーツも全て持っています。戦争のルーツも、残虐極まりない行動もあります。縄張り意識はとても強いし、特に雄は、権力争いに夢中になります。

　これらの行動はみな、血の中に深く根差しています。しかし、人間はただ遺伝子や脳にだけ支配された存在ではない。我々には、魂があり、心があります。利己的な遺伝子をコントロールする力があるんです。」（野生チンパンジー研究家のジェーン・グドールさんは、２０２５年7月２６日土曜日午後６時から「屋久島文化村センター」で上映される「地球交響曲ガイアシンフォニー」第四番に出演されています。ご協力ありがとうございます！あなたの１０００円のご支援で離島に住む方も視聴することができます。）