佐賀新聞では今回は論説の欄で吉木正彦さんが記事を書いてくださいました。

 

東木屋プロジェクト、資金調達の手法という意味合いにとどまらず、あらゆる現場の課題の解決方法のための社会的な実験の場としての、クラウドファンディングの本質を鮮やかに切り取っていただきました。目を開かれる思いです。

 

クラウドファンディング開始前、私たちはいくつかのプロジェクトの動きを見ていました。大学への研究費も滞り、福祉の場への援助も滞る中、次々とプロジェクトが立ち上がっていく。それぞれの現場で人びとが研究内容や社会の現状を語り始めていました。

 

ひとつひとつのプロジェクトの存在は、消滅していきそうな、文化財と銘打たずとも価値のある文化財や文物を留めようとする人びとの存在や世界の様々な現場で奮闘する人びとの実情を生々しく感じとる助けになりました。

 

それはまるで社会に開かれた教室のようであったのです。

 

そして、ほんの小さな志をアンコールワットの修復へ届けようとしたときに返ってきた先生の丁寧なコメント。このようなやりとりはお金をお金にとどめない。

未来を切り開くために投じた祈りや対話にしていく力があることに気づいたのです。

 

補助金というものは薄く広く皆さまの命を削ってもたらされた税金をいただいたものです。しかしながら実績に乏しい私たちには建物の修復といったハードにかける助成金を得ることができません。そこには忸怩たるものがあります。

 

同時に折角使わせていただいた税金に対する感謝の念というものをきちんと感じていたでしょうか。

 

しかし、こうした皆さまとのやりとりの中で私たちは深い感謝の念ばかりでなく、皆さまの景観を守りたいという思い、唐津くんちや故郷の人びとへの思い、親類縁者ばかりでなく地域の人の他人様の選択に口は出しては申し訳ないけれども、本当は残してほしい。名前を隠してでもその思いだけは届けておきたい。そんな心を感じることができるのです。

 

唐津くんちの曳山が、極端に言えばずっと続く空き地の中を通ることになってしまっては、祭りの多くの部分が損なわれてしまわないか。

 

個人の所有でありながら公共の景観に大きく寄与している旧東木屋酒造場のような歴史的建造物をどう継承していくのか。

 

建物の傷み具合から考えると、限られた時間の中で最小限の資金をとやむにやまれずとったクラウドファンディングという手法でした。

 

そんな私たちの思いを正鵠を得る記事で表現していただき、佐賀新聞の地域をたゆみなく支えているまなざし、記者の吉木正彦さんの力強い意志を感じております。

 

あらゆる立場から未来への力を投じて下さっている皆さま。

東木屋プロジェクトの伴走をしていただき、感謝の思いでいっぱいです。

 

今後どのように展開するのか、私たちは期待と不安の中にいます。

そして、小さな修復にとどまらず、この動きが大きなうねりになっていくことを私たちは祈っています。

 

これからも広い視点でこの東木屋プロジェクトを見守っていてください。

そして傷みの激しい東木屋に少しでも多くの修復の手を入れることができますよう皆さまの力強いご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

http://www.saga-s.co.jp/articles/-/216650

 

新着情報一覧へ