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唐津くんちの曳山通りに建つ旧東木屋酒造場を守りたい

菊池郁夫

菊池郁夫

唐津くんちの曳山通りに建つ旧東木屋酒造場を守りたい

支援総額

2,154,000

目標金額 1,500,000円

支援者
111人
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プロジェクトは成立しました!
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2018年05月20日 14:42

木屋利右衛門と木屋一族をめぐって 1

クラウドファンディング開始当初は、私たちが景観を個人の所有を超えた公共のものと捉えていることをご理解いただけるものかと不安な心持ちでした。

 

そのうち皆さまから他人事というより我がことのように感じてのお言葉をいただくようになり、緊張がほどけて自然に感謝の気持ちが湧きあがってくるようになりました。

 

今回のクラウドファンディングの目標額では傾きを止めるための最低限の筋交いや防蟻処理などしかできないかもしれません。

 

しかし、これだけ注目していただき、かつて東木屋で働いていらっしゃった方たちが駆けつけて雲を吹き払うような力強い風となって下さったり、記者の皆さまから確かなまなざしとゆるぎない応援の手をさしのべていただいたり、これだけの皆さまにFacebookや記事のシェアをしていただき、あるいはわざわざ手間をかけて未来への力を投じてくださったり。そのひとつひとつに感謝の気持ちを感じられるようになってきたこと。この流れのすべてが一番の成果なのではないかと思うようになりました。これは確かな希望なのです。

 

東木屋をただ残すだけでなく皆さまが集まることのできるような空間としてより活用することがお返しになるのではないか。小さい灯でも未来の唐津のひかりになるのではないか。そのように気持ちを新たに引き締めて皆さまのお気持ちを必ず活かしたいと考えております。

 

さて、これから木屋一族とはどういう人たちであったか何回かにわけて語ろうかと思っております。話は大航海時代、秀吉が生きていた時代にまで遡ります。よろしければおつきあいください。

 

 

戦国武将が全国から唐津に集まってきた時代
秀吉の命で堺の商人・木屋利右衛門がやってきた

 

中世から安土桃山時代に入り、秀吉が朝鮮出兵のため唐津にやってきた頃まで唐津を支配していたのは波多三河守親(はた みかわのかみ ちかし)でした。居城は現在の唐津城よりもさらに奥まった北波多と相知の境にある岸岳城。鎌倉時代初期の中世の遺構を残す城郭遺跡は今も残っています。松浦党を束ねていた波多氏は秀吉の不興を買って改易となります。

 

その前後のこと、朝鮮出兵の拠点であった名護屋城の後詰めの意味合いもあってか現在ある唐津の城下町が形成されることになります。唐津の町は城下町としての規模は比較的小さいのですが、天然の要害である海や川を利用した濠を回した武家の町、商人町、寺町を配置し、農人町を配置していくところは、堺の環濠都市を模しているように見えるのだそうです。

 

波多氏の後、譜代大名の治める唐津へ

江戸時代初期から住んでいた木屋一族

 

安土桃山時代から江戸時代にかけて唐津藩を支配したのは寺沢氏、大久保氏、松平氏、土井氏、水野氏、小笠原氏などの譜代大名。いわば九州の外様大名のお目付け役のような存在で、いずれ転勤していくエリートという感じでしょうか。このため大名クラスの唐津に関する江戸時代の記録はほとんどなく、この時期の唐津の歴史を知る史料としては商家や庄屋の保管していた文書に頼る面が大きいようです。

 

それだけに唐津の城下町の形成期から関わり、江戸時代を経て現代までの来歴が詳らかな木屋一族は貴重な存在だといえます。

 

 

 

今、手元に『木屋利右衛門』(講談社出版社サービスセンター)という書籍をお借りしています。

 

「泉州堺の船頭木屋利右衛門が秀吉の朝鮮出兵に従って海を渡ったころ、肥前唐津は堺の自由都市と違って小さな城下町であったが、すでに戦乱を避けて疎開していた博多の神屋宗湛(そうたん)などを中心とする豪商の時代に入っていた。

一介の船頭が信長・秀吉の革命期に遭遇して、大航海時代の貿易商として活躍し、日本二十六聖人を温かく木屋の屋敷に擁護するなど、鎖国によって酒造業に転換するまでの九十八歳の足跡を忠実に追ってみたい」

 

この本の著者である古舘六郎(曹人)は東大ホトトギス会で山口青邨に師事し、俳句雑誌『夏草』を編集。1979年には句集『砂の音』で俳人協会賞を受賞した人物です。そして、古舘六郎の本籍地は唐津。木屋一族と松浦党、双方の血を引いていました。

 

元禄二年作成の三十畳もの大きさの

「堺大絵図」を広げ、妹・一力安子と

木屋一族の住まいを探した古舘六郎

 

そんな古舘六郎が晩年に至って俳人としての人生から鮮やかに身を引き、追い始めるのが木屋利右衛門です。句集とは違い、非売品でたった千部しか刷られることのなかった『木屋利右衛門』。その取材のために妹の一力安子とともに400年前の父祖の地・堺に赴き、元禄2年につくられた30畳もの大きさの「堺大絵図」を広げるシーンは圧巻です。

 

この文中で「大仙博物館」と書かれているのは現在の堺市博物館、「堺大絵図」を広げたとされる「隣の図書館」は現在の堺市立中央図書館のことでしょう。図書館に電話をしたら司書の大浦さんが「堺大絵図」の原本は堺市立博物館と千葉県佐倉市にあること、堺市立中央図書館には確かに前田書店版の「堺大絵図」があることを教えてくださいました。

 

この「堺大絵図」には戸籍の役目も果たすような目次があり、ここに記載された木屋一族の家屋は貸家だけでも総数百六軒にも及びます。

 

古舘は他に借り出した『堺市史』の史跡名勝の項にも「木屋屋敷址」という記録を見つけ、堺全盛期の名家として知られた木屋一族の本拠地が材木町浜であることを知ります。貸家の中には利右衛門の名はなく、膨大な個別位置番号図の中から利右衛門の名を探し当て、住んでいた住所を3軒にまで絞り込んでいきます。

 

その後、寺院に目を向け、妙法寺に入り、利休の師の北向道陳や秀吉のお伽衆としても落語家の祖としても知られる曽呂利新左衛門、石津屋宗栄一門の墓を見い出すのです。

 

ちなみにこの曽呂利新左衛門は庭園の設計でも知られています。唐津の近松寺などにも曽呂利新左衛門作と伝えられている庭が残っています。名護屋城跡とその周辺の各戦国武将の陣址も含め、秀吉の時代の恩恵と傷痕が唐津にはここそこに残っているのです。

 

 

 

 

さて、話を堺に戻しましょう。古館はもう一つの居宅と思われる地を探して、同行する吉田君とともに400年前の海岸線、さらには今は埋め立てられている戎島(えびすじま)の稜線を探し求めます。そして往時と同じポイントを三つ求め、豪州のようなかたちの旧戎島のコピーを合わせて探り当てることを思いつきます。今でいうと、まるでNHKのファミリーヒストリー。むかしでいうとルーツを探る旅。なかなかに壮大です。

 

全国津々浦々に配置された堺の商人は

短期間で各城下町のインフラを整えていった

 

「信長以来、堺の商人を全国の城下に住まわせることが徹底して、江戸に移住した堺の商人は故郷を偲ぶためにかならず柳を植えたところから、『銀座の柳』が出現し、『堺町』の町名は全国津々浦々にひろがったという」『木屋利右衛門』

 

短期間で各城下のインフラをある一定の高い質で整えていく仕事。この信長や秀吉の意図を明敏に理解し、確実に実行に移していく事業は、物流と情報の根幹を担っていた堺の商人なしには困難なことであったに違いありません。大航海時代の風を受けた豪商の気概が伝わってきます。

 

堺市立中央図書館の大浦さんによれば、堺の町は大阪夏の陣で焼き払われるまでは堺大絵図の描かれた元禄2年よりも遥かに規模は大きく、最近の発掘調査では濠の幅だけでも12メートルもあったとか。

 

大浦さんは、堺の商人は力を持ちすぎていたので日本各地に分散させられたという説もあり、全国各地に残る堺町や栄町といった名称は大阪の堺に由来するものが多いのだとも教えてくださいました。

 

また北前船などを持つ商人はいくつかの地域に家屋敷を持つことがあったようで、名護屋城築城の際に唐津に家屋敷をもっていた木屋利右衛門が、大阪夏の陣の後にも堺に家屋敷をもつことも十分考えられるということでした。

 

豪商たちは社会情勢はもちろん

茶事や俳諧などの諸文化に深く通じ

戦国武将を魅了し渡り合っていた

 

さて、『木屋利右衛門』によれば、天正19年(1591)年8月15日、石田三成の兄・正澄が島津義弘にあてた第一報に「なごや御普請」という書状があったといわれています。「御普請方ご奉行役」に割り当てられた6人の中に石田三成と石田正澄の名があります。

 

この普請のため泉州堺の木屋利右衛門は、秀吉の命を受け名護屋御陣材木運搬船頭として唐津大石町に住むことになりました。

 

「朝鮮陣御用意として大船仰付けられた覚」の中には名護屋船奉行の命を受けた「石田三成、大谷吉継、岡本良勝、牧野利貞」とあり、その下に「屋号木屋 山内利右衛門」と記載されていたそうです。

 

その当時、博多での戦乱を避けて唐津に移住していた神屋宗湛の日記がありました。この日記も木屋一族の西の木屋から出たものです。

 

 

この日記を語り言葉に書き下した井伏鱒二の『神屋宗湛の残した日記』(講談社)には、茶会などで使われている茶器などについての詳細も記されています。読み進めるうちに名護屋城内でたびたび開かれる茶会に石田正澄や宗湛が呼ばれていることや、それまで宗湛を伴い、パードレとともに気軽に南蛮船に乗船していた秀吉が、唐突に伴天連(ばてれん)追放令を発令する様子まで生々しく書かれていました。

 

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リターン

3,000

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感謝の気持ちを込めたメッセージ

・感謝の気持ちを込めたお手紙をお送りします

支援者
33人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

10,000

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唐津の建築遺産をお教えします

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・お礼のお手紙

支援者
51人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

30,000

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唐津堪能セット(町歩きガイド)

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・唐津 町歩きガイド ※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・商品券500円相当×5枚 ※唐津建築遺産MAPⅡに載っている「町家カフェ野いちご」と中心市街地にある「オデカフェ」及び「カフェ・ゴフクマチ」で使えます。 ※有効期限2019年3月
・お礼のお手紙

支援者
3人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

30,000

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★出張★伝統的建造物活用相談会

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・出張 伝統的建造物活用相談会 ※交通費は別途 ※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・お礼のお手紙

支援者
3人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

30,000

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昔は鯨・今はいかで有名な呼子名産品セット

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・名産品 呼子朝市セット(生干しいか、いかしゅうまい、いかさしなど)
・呼子絵葉書セット
・お礼のお手紙

支援者
8人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

50,000

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オリジナル本付唐津堪能セット

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・唐津 町歩きガイド ※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・商品券500円相当×5枚 ※唐津建築遺産MAPⅡに載っている「町家カフェ野いちご」と中心市街地にある「オデカフェ」及び「カフェ・ゴフクマチ」で使えます。※有効期限2019年3月
・(仮)唐津建築遺産 (支援者名簿付き) ※出版予定 2018年度中に予定しておりますので、暫くお待ちいただくことをご了承ください。
・お礼のお手紙

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

50,000

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唐津焼絵付け体験プラン

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)

・唐津焼窯元で絵付け体験 完成した作品は窯元から支援者に直送します。※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・お礼のお手紙

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

50,000

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唐津大好き 応援コース

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・お礼のお手紙

※リターンを求めでない方はこちらをご支援ください。より多くのご支援金を本プロジェクトに使わせていただくことができます

支援者
6人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

70,000

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唐津の水野旅館(登録有形文化財)でお食事

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・唐津 町歩きガイド ※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・(仮)唐津建築遺産 (支援者名簿付き) ※出版予定 2018年度中に予定しておりますので、暫くお待ちいただくことをご了承ください。
・ペア昼食券 ※日程は別途調整 ※チケット発送予定月2018年7月 ※有効期限2019年3月
・お礼のお手紙

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

100,000

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唐津の旅館綿屋(登録有形文化財)に泊まる

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・唐津 町歩きガイド ※日程は別途調整 ※有効期限2019年3月
・(仮)唐津建築遺産 (支援者名簿付き) ※出版予定 2018年度中に予定しておりますので、暫くお待ちいただくことをご了承ください。
・ペア宿泊券※日程は別途調整(原則としてお盆、年末・年始、唐津くんち期間、金曜日、土曜日、日曜日はお使いになれませんので、あらかじめ旅館にお問い合わせいただき、ご確認下さい) ※チケット発送予定月2018年7月 ※有効期限2019年3月
・お礼のお手紙

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

100,000

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唐津大好き 全力応援コース

・唐津建築遺産 MAP Ⅰ・Ⅱ (支援者名簿付き)
・お礼のお手紙

※リターンを求めでない方はこちらをご支援ください。より多くのご支援金を本プロジェクトに使わせていただくことができます

支援者
6人
在庫数
制限なし
発送予定
2018年7月

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