ラオスの障がい児ケアが一歩前へ進んでいます!
昨年、『ラオスの障がい児ケアを一歩前へ!心に寄り添う人材を育てたい』で障がい児クリニック継続のためのご協力をお願いし、多くのご支援をいただき、プロジェクトの達成を迎えることができました。本当にありがとうございました。8月31日にプロジェクトを終了してから7ヶ月が過ぎ、大変遅くなりましたが、プロジェクト終了のご報告をさせていただきます。
以下が、2019年の活動指標となる数字です。
■クリニックへ訪れたのべ患者合計数➡426
■新しく登録された患者合計数➡195
■開催したクリニックの回数➡51
昨年は、患者さんへの個別ケアをプランニングできるようなスキルを充実させる、ということを目標としました。そして、具体的には患者さんのニーズに沿った、5つのケアの充実を掲げました。
5つのケア、それぞれの進捗をお伝えいたします。
<新生児ケア>
フォローアップが必要な新生児や栄養失調の患者さんは訪問看護対象として登録し、経過観察や障がい児クリニックでのフォロー漏れが無いようにということで、新生児病棟、入院病棟の回診に訪問看護スタッフも参加し、退院計画を立てるようになりました。
<口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)の子供達へのケア>
スピーチセラピストの専門家が、2019年8月より2020年1月まで院内でスタッフを対象に口蓋裂の子供の発声練習の仕方、嚥下障害のある患者さんの評価の仕方、また、食事の与え方などについて指導をしてくれました。
<コミュニケーションに問題ある子供達のケア>
このケアについては、まだ十分に対応ができていません。しかし、スタッフ教育として、家族に対するサポートの必要性を次に挙げているサポートグループの必要性と共に、伝えています。
<患者さんご家族のためのサポートケア>
2020年1月にダウン症の子供とその家族のためのサポートグループミーティングを開催し、11家族が集まりました。
子供と家族が一緒にできるアクティビティの時間、スタッフが子供たちのお世話をしている間に親御さんがダウン症についての知識を学ぶ時間、ランチなど、みんなが楽しみながら情報をシェアできるようなプログラムを組みました。今回、初めてダウン症について知った家族もいましたし、全員が他のダウン症の家族との交流は初めてと言っていました。半日のプログラムでしたが、とても充実した時間が持てたというスタッフの印象で、継続したい!という意見も出ていました。今回参加した家族は、比較的病院の近くに住んでいる人がほとんどでしたので、次回は遠隔地の人たちも巻き込めるような会を開きたいという意見が出ていました。初めての試みでしたが、大成功だったと思います。
<患者さんやご家族へ対する緩和ケア>
緩和ケアは、院内でもとても大きなトピックとなっています。数々の悪性疾患、慢性疾患で緩和ケアが必要な機会がとても増えてきています。訪問看護のチームでは、筋ジストロフィーの患者さんと向き合うために、1月~3月上旬まで、緩和ケアを専門にしていたボランティアを招聘し、緩和ケアのレクチャーと臨床での指導をお願いしました。「手の施しようがなければ何をするの?」「ガンじゃなければ緩和ケアは不要」と思っているスタッフもまだたくさんいます。これを機に正しい知識を上書きしていこうと思います。
現在のところ、このようなところが進捗となります。皆さまからのご支援は、上記の専門家招聘やスタッフ、また患者サポートグループミーティング経費、患者さんの交通費のために大事に使わせていただいております。
こうして、皆さまのご支援のもと、プロジェクトも日々充実してきた矢先、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により世界中が翻弄されているように、ラオ・フレンズ小児病院へも様々な影響が出てきております。
不急な活動の停止を余儀なくされ、また、資金源となるイベント等もほぼすべてが中止となり、病院の運営費が危機に直面しています。この危機を克服するために、急遽ですが、今年もクラウドファンディングを実施する決断をいたしました。詳細は近々公開いたします。
近づいた医療が「遠い医療」になってしまわないために、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。