2017年 活動のご報告
いつも活動を応援いただきありがとうございます。
みなさんに支えていただき誕生した赤ちゃん縁組事業も2年目を迎えることができ、今年も駆け抜けるように赤ちゃんや妊娠に悩む女性をサポートしながら1年を終えようとしています。2017年の締めくくりに、ご支援いただいた皆さまに、これまでの活動のご報告をさせていただきます。
●妊娠相談の活動
・2016年4月~2017年3月 対応件数 409件
・2017年4月~2017年11月 対応件数 503件
●特別養子縁組の支援件数(新しい家族に迎えられた赤ちゃんの人数)
・2016年4月~2017年12月
特別養子縁組委託に至った赤ちゃん:8人
フローレンスの「にんしん相談」に寄せられる相談のうち養子縁組に至るケースは1%以下です。
相談者の方は、はじめから特別養子縁組を決断している訳ではありません。多くの場合、予期せぬ妊娠によって心が大きく揺れ、また、厳しい経済状況を抱えて相談してこられます。フローレンスでは不安を抱える相談者の方の気持ちを受け止めつつ、相談者自身が最善な道を選択できるようサポートをしていくことを大切にしています。自分で育てる自信がないと話していた女性が、相談支援を通じて、最終的に自分の手で育てることを決意することもあるのです。
皆さまからの寄付によって、フローレンスでは特別養子縁組ありきではない、相談者ひとりひとりに寄り添ったにんしん相談事業を運営することができています。皆さまからのご支援によって赤ちゃんだけでなく多くの女性たちが支えられていることを知っていただけたらと思います。
生みのお母さんが最善の道として特別養子縁組を選び、新しい家族に迎えられることとなった赤ちゃんたちは、育ての親のご夫婦だけでなくご家族みなさんを笑顔にし、たくさんの愛情を受けて健やかに育っています。
私たちスタッフもそのようなご家族の様子に触れるたびに、特別養子縁組は子どもと関わる人たちみんなを幸せにする制度だという確信を強くしています。そしてこの制度をもっと拡げていかなければという思いを新たにしています。
*にんしん相談に関する報告を下記にまとめましたので、ご覧ください。(フローレンスWebサイトへリンク)
-特別養子縁組で子どもを迎えたい夫婦への情報提供
今年度はジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会様からご支援を受け、特別養子縁組を啓発すると共に、子どもを受け入れる「育ての親」を育成するための活動を強化しました。
その第一弾として、11月18日(土)「夫婦のための特別養子縁組入門研修」を実施しました。特別養子縁組について知り、養親となるためにはどのような心構えが必要となるかを一から学ぶためのプログラム構成となっており、特別養子縁組で迎えることになる子どもとその実親の抱える背景、制度や家庭裁判所での手続き等をお伝えしました。また、特別養子縁組で子どもを迎えたご夫婦の経験談を直接聞ける時間も設け、『養子縁組について夫婦で話し合うために必要な情報を数多く得ることができ、とても参考になった』という声をたくさんいただきました。
来年春には第2回めの「入門研修」、一歩進めて子どもの発達や親としての関わりについて学ぶ「実践研修」の開催も予定しており、現在準備を進めています。
*詳しくはこちらの活動報告をご覧ください(フローレンスWebサイトへリンク)
-政策提言活動
昨年12月に「養子縁組あっせん法」が成立し、2018年4月に施行することが決まっています。法律施行のために必要な政省令が立案されるにあたり、8月7日に緊急シンポジウムを開催しました。塩崎恭久前厚生労働大臣などこの法律の成立に尽力した国会議員の皆さん、厚生労働省の担当課長に参加いただき、活発なディスカッションの場となりました。法律は「成立したらゴール」ではありません。具体的にどのような法令にしていくのか、現場から声を上げ、意味ある法律になるまでしっかりとレビューしていくこと重要です。今後も民間団体同士で連携し、行政機関や政治家の方とも対話を重ねながら、より多くの子どもたちを支えられる法律になるよう働きかけていきます。
*詳しくはこちらの活動報告をご覧ください(フローレンスWebサイトへリンク)
-皆さまへのお願い
相談者に寄り添いながら専門性をもって丁寧な支援を続けてゆくためには、人件費をはじめとした運営コストがかかります。赤ちゃんが特別養子縁組で新しい家族に迎えられることになった場合には、育ての親となるご夫婦に生みのお母さんへの支援の費用を負担して頂いていますが、養子縁組に至らない相談にかかる人件費等については支援団体の持ち出しとなるため、活動の継続を支える資金集めは大きな課題です。
多くの方に継続的に活動を支えていただければと「フローレンスマンスリーサポーター」という仕組を用意しておりますので、ぜひご支援くださいますようお願いいたします。
特別養子縁組制度によって「家族」となることが、当たり前の社会となるよう、引き続きにんしん相談・育ての親育成・養子縁組支援・政策提言に力を注いでまいります。これからも活動へのご理解、皆さんの応援どうぞ宜しくお願い致します。
みなさま、どうぞよいお年をお過ごしください。