株式会社文化財マネージメントの宮本晶朗です。

私からの新着情報は、だいぶ久しぶりになってしまいました。

 

皆様のご支援により、6月(および7月)に十六羅漢像の修復を無事に終えることができました。

ありがとうございます。

今回は修復作業についての概要をお知らせします。

 

修復作業は、当初予定どおり、木製彫刻文化財保存修復研究所の岡田靖さんにおこなっていただきました。

主な修復内容である、①剥落止め処置、②クリーニング処置、③補填処置、④補彩処置、について書いていきます。

 

①剥落止め処置

下地層から剥離している塗膜に対し、接着剤を注入し圧着した。

 

②クリーニング処置

まず柔らかい刷毛で埃を払い落し、そのうえで洗浄液を染みこませた脱脂綿で、こびり付いた汚れを慎重に除去した。

ただし、本像が経てきた歴史性に配慮し、汚れの除去は最小限に留めることとした。

 

③補填処置

他の14体の十六羅漢像の損傷と比較した場合、本修復対象である両像の正面の剥落損傷が顕著であったため、十六羅漢像全体でみた時の尊容の統一感を図る必要があると考えられた。

そのため、両像に生じている剥落箇所に対し、補填剤を当該箇所に補填し、硬化後に周辺箇所とつながるような形状に仕上げた。

ただし、補填処置は像正面に生じている大規模な剥落損傷箇所に留め、背面の剥落箇所の補填は行わないこととした。

 

④補彩処置

補填処置を行った箇所に対し、周辺の色彩と調和するような補彩を施した。

補彩は、オリジナルとの識別性に配慮し、遠方から見た際には調和し、近くから見た際には判別可能な線描を用いた補彩方法(リガティーノ)を採用した。

 

今回リターンとして作成しました修復報告書にはより詳しい内容を記していますが、ここでは概要に留めます。

次回は、修復の前後の像全体の画像を掲載します。

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