フィンランドで日本の木のおもちゃの魅力を伝えたい

みなさんこんにちは！

フィンランドの父の日直前の土曜日の今日は、ヘルシンキの港エリアにあるヤトカサーリ児童図書館で木のおもちゃのイベントを行いました。こちらの図書館は、まだクラウドファンディングのおもちゃが届く前の今年4月末に、私の手元にあったおもちゃで小さなイベントを開催させていただいたご縁で、ついにクラウドファンディングのおもちゃを持って凱旋イベントを実現することができました。私たちのプロジェクトに共感し、応援してくださっている図書館の司書のみなさんに心から感謝です。スーツケースからおもちゃを取り出しているうちから、子どもたちは木のおもちゃに興味を持って早速遊びに来てくれました。

少しずつソーシャルメディアでのネットワークも広がってきたので、春のイベントのようにたまたま本を返しに来たご家族だけでなく、このイベントをめがけて駆けつけてくださったご家族もいらっしゃり、本当に嬉しい限りでした。そして、一緒に遊ぶために話しかけてくれる子もなんだか増えたような気がして、遊ぶのに親近感を持ってもらえて嬉しいと思うと同時に、もっとフィンランド語をはじめ色んな言語が話せたらいいなあと思うのでした。

お父さんお母さんに構わずひとりで黙々と遊ぶ子もいれば、自分の見つけたおもちゃの楽しいところをひとつひとつお父さんお母さんに見せて遊ぶ子もいて、みんな違くておもしろいなあと思いました。毎週土曜日に一緒に図書館に来ている兄弟は、よく私にも話しかけてくれて色んな遊び方を試しているようでした。

この男の子は、電話を耳にあてながら木の車のハンドルを握って、頭のなかではドライブしている感覚になっていました。きっとどこかで、こんなドライバーさんを見かけたんでしょうね。子どもたちは日々の何気ない小さなことを、しっかりと見ているんだなあと感心しました。

核家族が多いフィンランドではなかなか珍しい、親子3代のご家族も今日は遊びに来てくれていました。ご高齢な方でも一人暮らしの方が意外と多いということを聞いたことがあります。少し疎遠になっているかもしれない世代間の交流を持つきっかけが、こういった遊びや木のおもちゃであれば、誰でも垣根なく気軽に輪に入ることができそうだなあと思いました。

アフリカ出身の姉妹は、ふたりで仲良くずーっと閉館まで遊んでいってくれました。私は今まで一度もこの「かえるくん」で遊ぶときに色を気にかけたことがなかったのですが、この姉妹はどんなふうに積み重ねたらきれいな組み合わせになるかを考えながら遊んでいました。このようすを見たときに、とっても感性が豊かだなあと思いました。世の中には色んな基準がありますが、「どうすれば美しくできるか」という基準を私も持っていたいなと思いました。

カーモスという日照時間が特に少ない季節に突入しているヘルシンキは、15時台だというのに窓の外はこんなに暗くなっていました。気持ちが滅入ってしまいやすい季節なので、いつも以上に家族や大切な人とのつながりや、あったかさを感じられる時間が大切になっています。今日は、木のおもちゃたちも十分にあったかさをお届けするお手伝いができたのではないでしょうか。

寝っ転がっているお父さんと娘さんは合計3～4時間、この図書館にいてずーっと一緒に遊んだり本を探したりしていました。お父さんは面倒な顔ひとつせず、一緒に遊んでいるのが印象的でした。電話の受話器をそれぞれに持って、長電話する遊びをしたりしていたのがとっても微笑ましかったです。きっと明日の父の日には、家族でたくさんお祝いしてもらえることでしょう。

今日は手一杯で「もっと木のおもちゃで遊びたい？」の質問ボードの説明をたくさんの人にはできなかったのですが、2～3時間ずっと遊んでくれた子どもたちは自分から「これなあに？」と質問してくれて、シールを貼っていってくれました。おもちゃを手に取って遊んでくれているようすが、すでに木のおもちゃを好きなことを伝えてくれますが、こうして改めて投票してもらって子どもたちの意見を知ることができるのもいいなあと思います。

来週の土曜日にも、もうひとつヘルシンキの別の図書館でイベントを予定しています。木のおもちゃで子どもたちに素敵な時間を届けたいという思いが色んな人に伝わり、イベントを実現し続けることができているのが奇跡のようです。私自身も、このありがたい時間を噛みしめて未来につなげていけたらと思っています。