戦争・ISで傷ついたイラクの子どもたちの心と未来を救いたい!

寄付総額

5,738,000

目標金額 4,000,000円

寄付者
408人
募集終了日
2019年10月3日

    https://readyfor.jp/projects/iraqchildcare?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2021年04月10日 11:34

20年度もピースヤードを実施できました。 ご支援に感謝します!

 2019年実施のクラウドファンディングへのご寄付、ありがとうございました。目標を上回る額のご寄付をいただき、20年度もひきつづきイラクで子どもたちのための活動を実施することができました。

 以下に、活動をご報告させていただきます。


*****


 20年4月から5月にかけて「ピースヤード(平和のひろば)」を実施する計画でしたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大によりイラクでは3月中旬から断続的に外出規制が続き、9月中旬にようやく全面解除されました。
 これを受けて、9月15日に「ピースヤード」を開始。紛争で傷ついた子どもたちの居場所づくり・心のケア・平和共存のための学びのプログラムを実施し、10歳前後の子どもたち36人が参加しました。
 

 従来に比べて参加人数を半分程度に絞り、マスク着用にて距離を取るなど感染防止策をとりながら実施し、新型コロナウイルスについての知識や感染防止のための方法を伝えるプログラムも盛り込みました。プログラム開始時には表情が硬い子も多くいましたが、安心して過ごすことのできる環境でスタッフや他の子どもたちと交流しつつ一緒にプログラムに取り組んだり、精神的なケアを受けたりする中で笑顔が見られるようになりました。
 
 並行して、過去6年間にわたる「ピースヤード」の活動を振り返りその成果を確認するために、過去の参加者およびその保護者や地域の人々からの聞き取りを実施しました。
  
 なお、イラクでは新型コロナウイルスにより21年3月末までに約14,300人が亡くなり、2月中旬より再度部分的な外出制限が出されています。
 
  

子どもたちに正しい手の洗い方を説明

 

 

<プロジェクト概要>  
実施協力団体:INSAN Iraqi Society (インサーン)

(1)  子どもたちとつくる「ピースヤード(平和のひろば)」
期間:2020年9月15日から11月15日まで
活動内容:キルクークの子どもたちに対して計16日間のワークショップ等のプログラムを実施


参加者:36名(6ー13歳)     *従来の約半分の規模
       アラブ系12人、クルド系18人、トルコ系6人
       女子17人、男子19人
       
 (2) これまでの活動の振り返りと今後の活動に向けての情報収集
これまでの活動と成果を振り返るために、過去の参加者の保護者および地域社会の人々からの聞き取り調査を実施。

 

■目指したこと
(1) 「ピースヤード」に参加した子どもたちの間に、民族や文化の違いを越えた共生の芽が生まれる。心の傷を受けた子どもたちの状態が向上する。
(2) これまでの活動の意義やインパクトを見定めるとともに、過去の参加者や地域コミュティに平和共存について改めて意識してもらうきっかけとする。 

 
■活動の詳細
(1)-1 居場所づくりと交流・平和共存の学び
 複雑な民族構成を持つキルクーク市にて、いまだ紛争の傷が残る状況の中、子どもたちが安心して集まれる場を提供。異なる民族・宗派の子どもたちが出会い交流しながら、アートや音楽活動を通じて平和・平等・人権・生命の尊厳などについて学ぶワークショップを実施。過去のピースヤードの卒業生もボランティアスタッフとして一部に参加しました。
 ふだん交流のない民族・宗派・出身地の違う子どもたちが集まり、さらに慣れないマスクの着用や距離をとっての着席で、初めは緊張している子どもも多く見られました。マスクで表情が見えない難しさもある中で、まずは互いを知るために、自己紹介から、将来の夢や好きなことを伝え合うワークショップを行いました。また、歌やダンス、工作などをいっしょにして、緊張をほぐしていきながら、さまざまな活動を実施しました。
   
初日の写真。不慣れなマスク着用や距離をとっての着席で、緊張している様子が見られました。

 

〇ワークショップの主な内容
・それぞれの民族の歌やダンスの発表と交流
・平和や人権をテーマにしたビデオ教材や絵本・歌・寸劇を使っての学びとディスカッション
・平和や人権をテーマにした作文や絵画制作・造形 など

 

      民族衣装を着て民族のダンスで交流

 

 

  
平和をイメージした絵を描いた子どもたち

 

 

・「コミュニケーションマップ」
 皆で輪になって、「愛」「寛容」「共生」「調和」「友情」など平和をイメージする言葉を挙げながら緑色のテープを渡し、「平和な土地」の象徴を作りあげたところで、ソーシャルワーカーが平和と共存の意義を伝えた。 
 


・「風船飛ばし」
 風船に子どもたちの願いごとや平和を象徴することばを書き、イラストを添えて日本や世界に向けて空に飛ばした。子どもたちの願いや平和のことばが世界に届くことをイメージしている。 
 
・日本の文化・暮らしの紹介
 和食・和服・剣道・柔道・日本語・歌・ヒロシマ・ナガサキ・教育制度や学校の様子など。

*特に今回日本の学校の紹介に時間を割いていました。19年にアリーさんが来日の際、小学校を訪問し、その整った設備や清潔さ、給食のシステムなどに感銘を受けたことが背景にあるようです。日本では子どもたち自身で給食の盛り付けや学校の掃除をすることをイラクの子どもたちに伝えたところたいへん驚き、刺激を受けていたとのことでした。

 

 

(1)-2 心のケア
 多くの子どもたちが戦闘の影響による心の傷を負っているため、ソーシャルワーカーによる心のケアを実施しました。ピースヤードに参加する子どもたちの多くが、紛争の中で家族のだれかを失っています。住んでいた家や町が攻撃を受けて、けがをしたり、心に傷を負ったりしている子も少なくありません。
 子どもたちの精神状態についての簡易診断を実施、36名の内6名は特にケアが必要であることが判明したため、面談などによりケアを行いました。また、参加者全員に対しても、ワークショップの中で3回の精神的なケアのためのプログラムを実施しました。

 

 

(1)-3 大人たちへのアプローチ
 期間中、隔週で保護者および地域コミュニティメンバーが参加するミーティングを実施。ピースヤードでの子どもたちの様子を報告すると共に、紛争解決や平和構築の手法の基本的な考え方を伝え、身近なところでの実践を呼びかけました。
 
 
(2) これまでの活動の振り返りと今後の活動に向けての情報収集
 過去6年間にわたる「ピースヤード」の活動を振り返りその成果を確認するために、インサーンが過去の参加者およびその保護者や地域社会の人々からの聞き取りを実施しました。 
 それによると、過去のピースヤード参加者の多くがピースヤードでの学びを家庭・学校・職場・地域コミュニティなどにおいて周囲に広げており、さらに積極的に平和のための活動に取り組んでいる子どもたちもいることがわかりました。以下はその一例です。

 

Ali(12歳・男子中学生):学校や家の近所でたくさんの友だちを集めて、ピースヤードで学んだ非暴力ゲームを紹介、地域での平和づくりに参加を呼びかけている。
Alaa(14歳・女子):自分が学んだ平和づくりの方法を学校で友人に伝え、ラパリン地区での寛容・平和・共存のための自分の活動へのサポートを呼びかけている。

Avan BakirLaila Abdulkarim:キルクーク大学で法律を学んでいる友人どうし。異なる宗教への寛容とコミュニティの結束について他の学生たちに伝えようとしている。
・Fakhrya Ali:キルクーク大学教育学部2年生の女子。平和構築およびトラウマを抱えた子どもたちへの心理社会的支援の重要性に関するセミナーを準備中。
 
 また、母親たちをはじめとする女性たちも平和共存について考え、問題提起するようになっています。さらに、地域住民やリーダーらも、ピースヤードを高く評価しています。
 
 JVC側でもふりかえりを進め、以下のような成果が認められました。

 

・ISの影響で多数の避難民が流入し、さらに高まった緊張状態の中で、子どもたちが安心して過ごすことのできる「居場所」を提供することができた
・民族・宗教・宗派・地域住民と避難民など、バックグラウンドが異なるために知り合う機会のなく、ともすれば対立感情を持ちがちな子どもたちが出会い、時間を共有する貴重な機会を提供することができた
・現地の教育や社会であまり重視されない傾向にある「人権」や「平和共存」の概念に子どもたちが触れることで、子どもたちの心に平和共存に向けた種をまくことができた。
・ISの影響で心にダメージを受けた子どもたちに対し、心理学的なケアを実施することができた。


・子どもたちを通じてその保護者など大人たちにもアクセスし、平和共存の概念を伝えることができた。
・ピースヤード参加者やスタッフとして参加した人の中から、子どもの権利や人権問題に取り組むようになった人が複数出ている。
・ピースヤードの前身の子ども平和ワークショップの参加者(卒業生)の中から、学校などで平和共存のための活動をしている人が複数出ている
・日本の人々とイラクの人々をつなぎ、日本の人々にイラクの状況について知り、考える機会を提供することができた

 

 一方で、資金的・体制的な難しさ治安が安定せず現地に入れないことからくる事業運営上の難しさも挙げられました。

 
 
  廃品を利用してアート作品づくり

 

 

 

<おわりに>
 JVCは、2009年より12年にわたり、さまざまな宗教・民族的背景を持つ人々が集まる都市キルクークを中心に現地NGO「インサーン」との協力で、子どもたちの交流と平和共存のための教育・心のケアを柱に、地域社会を支援する「ピースヤード(平和のひろば)」を行ってきました。 
 しかし、近年は現地の治安状況が安定しないため日本から現地を訪問することができず、また資金的にも厳しい状況が続き、活動継続の難しさも痛感してまいりました。
  
 一方、JVCでは総合的な見地から、現在実施している活動全体の見直しを進め、いくつかの活動を終了することを決めました。その流れの中で、インサーンには独自の活動を実施する力があることから、JVCからの支援を終了することといたしました。今後も中東において状況を変化を見て行きたく考えており、その一環として、何らかの形でイラクに関わる活動が今後数年内に計画される可能性もあります。
 
 これまで支えていただいた皆さまには、心より感謝申し上げます。いただいたご寄付のおかげで、イラクの子どもたちの支援をここまで続けることができました。
 ほんとうにありがとうございました。 

 

 イラクでは政治・経済的な不安定さ、その状況に不満が爆発した形の抗議活動とその弾圧、ISなどの過激派組織が再び台頭する可能性、さらに新型コロナウイルス感染拡大など、まだまだ厳しい状況が続いています。イラクの人たちが静かな暮らしを取り戻すにはまだ時間がかかりそうですが、私たちが支援してきた子どもたちがやがて大人になり、イラク、そして中東に平和をもたらす一助となることを信じています。 
  
 JVCは、今後もこの地域に関心を持ち、できることを探って参ります。 
 どうぞ今後ともご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。

 

ギフト

3,000


alt

【3千円のご寄附】

◉領収証+感謝のメッセージ(電子メールにて送付)

寄付者
199人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年12月

10,000


alt

【1万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画

寄付者
155人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

30,000


alt

【3万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画
③2020年春@東京開催のJVCイベントにご招待いたします(1名様)
 ※開催場所や日程詳細はクラウドファンディング成立後にお知らせ予定

寄付者
24人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

50,000


alt

【5万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画
③2020年春@東京開催のJVCイベントにご招待いたします(1名様)
 ※開催場所や日程詳細はクラウドファンディング成立後にお知らせ予定
④2019年度のピースヤードに参加した子どもから手書きの感謝のメッセージ(現地からのスキャンデータをJVCで印刷して郵送させていただきます)

寄付者
10人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

100,000


alt

【10万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画
③2020年春@東京開催のJVCイベントにご招待いたします(1名様)
 ※開催場所や日程詳細はクラウドファンディング成立後にお知らせ予定
④2019年度のピースヤードに参加した子どもから手書きの感謝のメッセージ(現地からのスキャンデータをJVCで印刷して郵送させていただきます)
⑤寄附者様のお名前をピースヤードに掲示いたします

寄付者
15人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

200,000


alt

【20万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画
③2020年春@東京開催のJVCイベントにご招待いたします(1名様)
 ※開催場所や日程詳細はクラウドファンディング成立後にお知らせ予定
④2019年度のピースヤードに参加した子どもから手書きの感謝のメッセージ(現地からのスキャンデータをJVCで印刷して郵送させていただきます)
⑤寄附者様のお名前をピースヤードに掲示いたします
⑥寄附者様から子どもたちに伝えたいメッセージをお預かりして、ピースヤードの修了式にて発表いたします(※修了時の子どもたちへ温かなメッセージをお願いいたします)
 ※メッセージはクラウドファンディング成立後にメールにてお伺いする予定です

寄付者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

300,000


alt

【30万円のご寄附】

①領収証+感謝状(写真付感謝の手紙を電子メールにて送付)
 ※領収証は2019年12月末までに送付予定です
②寄附者様のお名前を記載した活動報告書(PDFデータを電子メール送付)
 +ピースヤードに参加したイラクの子どもたちからの感謝のメッセージ動画
③2020年春@東京開催のJVCイベントにご招待いたします(1名様)
 ※開催場所や日程詳細はクラウドファンディング成立後にお知らせ予定
④2019年度のピースヤードに参加した子どもから手書きの感謝のメッセージ(現地からのスキャンデータをJVCで印刷して郵送させていただきます)
⑤寄附者様のお名前をピースヤードに掲示いたします
⑥寄附者様から子どもたちに伝えたいメッセージをお預かりして、ピースヤードの修了式にて発表いたします(※修了時の子どもたちへ温かなメッセージをお願いいたします)
 ※メッセージはクラウドファンディング成立後にメールにてお伺いする予定です
⑦2020年春@東京開催のJVCイベントにて感謝状を直接贈呈いたします

寄付者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

1,000


alt

【1千円のご寄附】

◉領収証

寄付者
5人
在庫数
予定数終了
発送完了予定月
2019年12月

記事をシェアして応援する

    https://readyfor.jp/projects/iraqchildcare/announcements/164531?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る