地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ
地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ
地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ 2枚目
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支援総額

916,025,000

目標金額 100,000,000円

支援者
56,584人
募集終了日
2023年11月5日

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2023年10月16日 18:30

かはくの偏愛研究室|file.04 森田航先生が語る、スンクスへの愛

毎週木曜19:00〜19:30に放送中の、クラウドファンディング特別企画「かはくの偏愛研究室」。

 

かはくに所属するさまざまな分野の研究者が登場し、かはくに収容されている約500万点のコレクションの中から、自身の「推しコレクション」をご紹介。資料への愛を語るYouTube番組です。

 

本記事では、配信の内容を一部抜粋してご紹介します。

 

※配信内容は、YouTubeからアーカイブ視聴も可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=sqELUKpCyRs&list=PL38SvBUmO1PemC1tsNtni7pCywLwAMoyl

 

編集:READYFOR かはく担当キュレーターチーム

 


 

\毎週木曜19:00〜19:30 生放送! /

 

 

第4回目のゲスト研究員は、人類研究部研究員の森田航(もりたわたる)先生です。

 

 

かはくの偏愛研究室|file.04:スンクスが好きすぎる先生

ゲスト研究員:森田航(国立科学博物館 人類研究部 人類史研究グループ研究員)
MC:田中庸照(上野地区寄付関連担当)

profile
森田航(もりたわたる)
専門は歯の人類学で、ヒトの歯の形態変異を調べてきた。しかし歯の形がどうして変わるのか、を理解するためには、歯の発生やその過程で発現する遺伝子にも注目する必要があると考え、マウスや今回紹介するスンクスも用いて研究している。歯の形態変化に着目し、人類進化を広く理解するべく研究を行っている。

 

 

ハイブリッドF2世代の「スンクス」

 

ーー早速ですが、森田先生の推しコレクションを教えてください。

 

森田:僕が選んだのは、スンクスという動物です。「ジャコウネズミ」という和名がついていまして、真無盲腸目(しんむもうちょうもく)のトガリネズミ科というところに分類されている動物です。小さな哺乳類で、ジャコウネズミという名前がついていますが、ネズミのようなげっ歯類とはちょっと分類群が違っていて、どちらかというとモグラに近いです。

 

ーー今回お持ちいただいたのは、普通のスンクスではない、という話を聞いたのですが。

 

森田:はい。野生のスンクスは、アジアの南の方の大陸に住んでいるものと、東南アジアの島の方に移っていったグループに分けられます。大陸に住んでいる方は大型で、島の方に出ていったのは小型。同じ種類なんですが、大きさとか形がちょっと違う種類です。

 

今回ご紹介するスンクスは、実はその大型の系統と小型の系統を交配させて出てきた子供と子供を掛け合わせた、孫世代の標本になります。なのでいわば大型の系統と小型の系統の「ハイブリッドF2世代」みたいな、そういう感じの標本になります。
 

 

ーーメンデルの法則では、交雑(異種交配)の一代目を「F1」と言っていますが、このスンクスは「F2」、つまり交雑の二代目ということですね。

 

森田:このスンクスの仮剥製や骨格標本は、モグラの研究をされている動物研究部の川田伸一郎先生が作っているんですが、僕はその骨格標本をCTで撮影をして、それを3次元に起こしてデータ構築しています。標本を作っている最中に、DNA抽出のためのサンプリングをして、DNAデータも揃えています。つまりこのスンクスは、仮剥製、骨格標本、CTのデータ、そしてDNAのデータという4つが揃った、コンプリートされたデータのコレクションになっているんです。
 

 

人類研究部だけど、動物が推し!?

 

ーー森田先生は人類研究部ですが、今回なぜスンクスを選んだのでしょうか?

 

森田:スンクスは我々人類と同じように4つの歯種というのを持っているからなんです。切歯(せっし)、犬歯(けんし)、小臼歯(しょうきゅうし)、大臼歯(だいきゅうし)、この4つを持っているというのが、僕が人類学者でありながらこのスンクスの研究をしているポイントになります。

 

 

人類の進化の過程で、この4つの歯種は形や大きさが様々に変化してきています。

 

ひとつ例を挙げますと、我々ホモサピエンスの大臼歯は小指の爪くらいの大きさですが、アウストラロピテクスは親指の爪くらいの大きさでした。さらにアウストラロピテクスは、単純に大臼歯が大きかっただけではなくて、小臼歯もすごくゴツくて大臼歯のような形になってくるという変化が見られます。

 

そしてアウストラロピテクスの後にホモ属、我々ホモサピエンスと同じホモ属というのが出てきますが、この時には大臼歯がどんどん小さくなっていく。我々のように華奢な顎と華奢な大臼歯というような感じに、その形が変わっていきます。ですが一方で、ホモサピエンスの一部では、切歯という前の方の歯が、逆に頑丈化してゴツくなっていくという、前の方の歯と後ろの方の歯で、(遺伝的な)制御が違うのではというような変化が現れてきます。
 

 

そこで、歯種によって何か遺伝的なレギュレーションが変わっているんじゃないかなと考えていまして、それを明らかにしたいと思っているのですが、通常使われる実験動物のマウスは、伸び続ける切歯と、大臼歯しかなくて、犬歯とか切歯を持っていない。それではどのような遺伝的な変化が起こっているのかわからないですよね。

 

ですので、(歯種の)発生過程とか遺伝的なところでどういう変化が起きたのか、そこから人類の進化の過程を紐解くためのモデルとして、4つ全ての歯種を持っているスンクスを使っているんです。
 

 

コレクションとは……、

 

ーー最後に、先生にとって「コレクションとは何か」、教えていただけますか。

 

森田:コレクションとは「未来と現在のバランス」です。未来への投資と現在の研究に対する欲求へのバランスというのが、僕のコレクションの定義といいますか...…。

 

コレクションを集め始めた頃は、未来にどういう分析技術や研究手法があるかわからない。わからないけれども、ずっと保管しておいたら、もしかしたら将来ものすごい技術が出てきて、新たなことがわかるかもしれない。そういった意味でもコレクションというのは、まず絶対に保管しておかなくてはいけないものだと考えています。

 


 

そうは言っても、例えば破壊分析(※)などが行われることもあります。また「今、科学の発展に貢献したい」とか「現在の研究を絶対に進めたいんだ」という思いがある一方で、例えば今回ご紹介したスンクスの場合でも、内臓や筋肉なんかは保存ができない。

 

どのくらいのコストをかけるのか、どのくらいのスペースがあって、どのくらい管理できるのかという現実と今(現在)研究をしたいという葛藤、そしてやはり未来に絶対に残しておかなくてはいけないという...…この2つのバランスをうまくとりながら築き上げられるものが、コレクションなんじゃないかと、僕は考えています。

 

※破壊分析:対象物を物理的に破壊して行う分析。


=  = = = =


本記事でご紹介したのは、配信のごく一部。
全貌はぜひアーカイブ動画で。


▼file.04:スンクスが好きすぎる先生【森田航先生(国立科学博物館 人類研究部 人類史研究グループ研究員)】

 

 


 

引き続き活動報告では「かはくの偏愛研究室」シリーズのレポートをはじめ、リターン情報や本プロジェクトの進捗状況などをご報告してまいります。今後とも応援のほど、よろしくお願い申し上げます。

リターン

15,000+システム利用料


【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑

【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑

※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)

●御礼メール
●かはくオリジナル図鑑
当館の全研究者が、自身の「最推し」標本を選び、解説したものを1冊にまとめた本クラウドファンディングのオリジナル「図鑑」。
●寄付金領収証
--------

※図鑑は、130ページ前後になる予定です。画像は、そのうちの一部(恐竜の専門家・真鍋副館長の担当ページ)のイメージです。最終的なデザイン・内容は変更となる可能性もございます。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。

申込数
39,306
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

5,000+システム利用料


【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ

【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ

※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)

●御礼メール
●トートバッグ
研究者が日々の研究で使用した「研究ノート」の一部をデザインとした、本クラウドファンディングのオリジナル「トートバック(全5種類)」。
●寄付金領収証
--------

<デザイン>
以下の5種から1つ【ランダムで】お届けいたします。
■モグラの歯の変異原図
■貝のスケッチ
■微細藻スケッチ
■ボーリングコアのスケッチ
■太陽黒点スケッチ

※画像は、5種のうち3種のイメージです。デザインや形状などは変更となる可能性もあります。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。

申込数
15,665
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

15,000+システム利用料


【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑

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※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)

●御礼メール
●かはくオリジナル図鑑
当館の全研究者が、自身の「最推し」標本を選び、解説したものを1冊にまとめた本クラウドファンディングのオリジナル「図鑑」。
●寄付金領収証
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※図鑑は、130ページ前後になる予定です。画像は、そのうちの一部(恐竜の専門家・真鍋副館長の担当ページ)のイメージです。最終的なデザイン・内容は変更となる可能性もございます。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。

申込数
39,306
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

5,000+システム利用料


【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ

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※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)

●御礼メール
●トートバッグ
研究者が日々の研究で使用した「研究ノート」の一部をデザインとした、本クラウドファンディングのオリジナル「トートバック(全5種類)」。
●寄付金領収証
--------

<デザイン>
以下の5種から1つ【ランダムで】お届けいたします。
■モグラの歯の変異原図
■貝のスケッチ
■微細藻スケッチ
■ボーリングコアのスケッチ
■太陽黒点スケッチ

※画像は、5種のうち3種のイメージです。デザインや形状などは変更となる可能性もあります。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。

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申込数
15,665
在庫数
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発送完了予定月
2024年3月
1 ~ 1/ 53


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