現在進めている『沼牛駅保存修繕』のプロジェクトに対し、87年前の鉄道開業時に沼牛駅舎を新築施工した株式会社田中組(札幌市)様よりご支援いただけることになり、先日8日(月)に幌加内町役場にて田中組様より贈呈を受けました。(写真:田中組代表取締役社長 阿部芳昭様より、幌加内町長、当実行委員会代表に手渡される。幌加内町提供)

 

 

*北海道建設新聞社 8/4付*
http://e-kensin.net/news/article/9184.html

 

 
今回ご支援いただけることになった経緯は、新聞報道(7/20付北海道建設新聞記事)にて私たちのプロジェクトを偶然知った田中組の方が社史などの資料を調べて下さり、「深名線(当時、雨龍線)の沼牛駅本屋等を施工した記述がある」ことが明らかとなり、私たち実行委員会にご連絡いただいたことがきっかけでした。

 
残念ながら、沼牛駅にはすでに鉄路ことありません。しかしながら、約90年前『沼牛駅舎新築』の歴史が、さまざまな偶然やご縁のおかげでまた再び『つながった』このことは、レールがなくとも、いまでも地域や鉄道の歴史としてしっかりと『深名線・沼牛駅』が残っていることが、改めて強く実感することができた貴重な機会となりました。

 
改めて、この場を借りまして、株式会社田中組様、実際にお話をいただきました和地稔常務様に厚くお礼申し上げますとともに、今回のきっかけとなる記事を取材掲載していただいた北海道建設新聞社旭川支社の記者様にも感謝いたします。

 

 
***文献調査等の詳細***

 

少し長くなりますが、ここでさらに深く歴史を紐解いてみます。

 

深名線の鷹泊から沼牛、幌加内駅間の区間(第3工区)は、大正14年11月16日~昭和4年5月15日で工事が行われ、同年11月8日に鷹泊~沼牛~幌加内間が開業しています。田中組社史(『風雪の年輪 株式会社田中組』(昭和53年発行))の中には、昭和4年「沼牛駅駅本屋及び官舎その他新築工事」の記述があり、このことから沼牛駅舎を施工した企業が田中組様であることがわかりました。

 

現在も文献調査を継続していますが、その他の文献で沼牛駅建設に関する具体的なものは残念ながらまだ確認できていません。また、この工区の敷設工事全体は、別企業が落札、施工したとの記述がある文献はありましたが、当時の鉄道敷設は地元企業が下請けで施工する事例が多かったとの記述も合わせてあり、文献や当時の新聞記事等には記述がなくとも、実際の工事には携わっている場合もあることがわかっています。

 

深名線に関連しては、同じく田中組社史には「大正15(昭和元)年「深名線、幌内(幌成)-鷹泊間駅及び官舎新築工事」」の記述があったほか、他企業の会社資料等からこの記述が事実であることも確認することができ、実際に田中組様が深名線の駅舎建設に深く携わっていることが明らかとなっています。

 

また田中組様は、現在本社は札幌市にありますが、ウェブの沿革によると明治35年の創業時には上川郡鷹栖村に出張所が置かれ、その後木材販売部や煉瓦工場を旭川に開設するなど、道北地方にゆかりがある企業であることもわかりました。

 
幌加内町史や田中組社史、他の方からの文献資料情報などから、今回の沼牛駅新築工事に田中組様が携わっていたことがほぼ間違いないのではないかと思われます。

 

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