プロジェクトが完了いたしました
「このままではお蔵入り。慰安婦をテーマにした絵本を刊行させたい」プロジェクトにご支援いただいた皆さまへ
お蔵入りしかけていた日本語版を『花ばぁば』のタイトルでようやく刊行することができました。
書店に初めて並んだのは、北朝鮮と韓国の首脳が38度線において握手をかわした2018年4月27日となりました。
この記念すべき日に産声をあげた『花ばぁば』が、すべての性暴力被害者の痛みを分かち合うきっかけになればと思います。
今回ご支援くださった202人の方には、それぞれのリターンを発送いたしました。
万一、不着の方がありましたら、ご連絡ください。
その中に「闘いはここからです」との書面を同封いたしました。
できることでしたら、地元の図書館へリクエストください。
また、ご友人などには書店での購入をお薦めください。
DVD「わたしの描きたいこと」については、団体上映権付きのものを各自治体ライブラリー向けに販売いたします。図書館、男女共同参画センターなどのライブラリーに「団体上映件付きDVD」をリクエストください。
そうすると、無料で上映会を開催することができます。
各自治体の機能を最大限にご活用ください。
またこれまでの経験上、ネット書店「Amazon」などでは本書についてひどい感想(レビュー)が寄せられることが予想されます。
お願いばかりが続いて恐縮ですが、「先手必勝」で、みなさまの率直なご感想(レビュー)を寄せていただければと思います。
【クォン・ユンドクさん来日報告】
『花ばぁば』の著者、クォン・ユンドクさんが来日され、下記のとおり大阪、新潟、東京を巡って講演などに登壇されました。
※写真は東京・神保町の書店で『花ばぁば』を手にするクォン・ユンドクさん
・大阪にて
大阪大学文学研究科(日本学講座)の主催によるシンポジウム「絵本は戦争と暴力をいかに伝えるか」に登壇されました。
研究者だけでなく一般の方も参加されるなか、韓国における日本軍「慰安婦」の描かれた方などを紹介し、「暴力を描かずに暴力を伝える」ことに挑戦する理由などを話されました。
・新潟にて
新潟県十日町市の「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」を訪問されて、美術館スタッフだけでなく、最高齢98歳の方を含む地元の人たちから大歓迎を受けました。
絵本作家の田島征三さんも出迎えられるなか、歓迎レセプションは深夜まで続きました。
・早稲田にて
アクティブミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)の主催で、「絵本で伝える戦争と暴力」シンポジウムに登壇されました。
会場は定員いっぱいの70名の参加で熱気に充ちました。
日本語版が刊行されてこなかった経緯や、現在の書店が本書を積極的に扱わない現状についても熱く討議されました。
・神保町にて
絵本専門店ブックハウスカフェの主催で、トークイベント「わたしの描きたいこと」が開催されました。
満員御礼となる45名の参加をえて、絵本創作のための技法から、本書のためにもっとも留意した点などが話され、また会場から熱心な質疑が行われました。
すべての会場で即席サイン会が開催され、クォンさんは一冊ずつ丁寧にサインしておられました。
そこに書かれたのは、こんな一言です。
「共感できる社会を目指して」
ここに、クォンさんの、そして『花ばぁば』が目指すところが凝縮されているかのようです。
今回のプロジェクトはこれで一区切りがつきますが、この本を広げていくという大きな「仕事」が残されています。
市民の手で刊行した本ですから、市民の手で広げていければと思います。
引き続き、ご支援ご指導をよろしくお願いいたします。
ころから株式会社
木瀬貴吉