プロジェクト終了報告
『インド北東部僻地に希望溢れる未来を。きのこ栽培で収入向上を目指す!』プロジェクトの代表実行者のガンメイ恵利です。いつも応援、支援していただきまして、ありがとうございます!!2022年2月より開始しました本プロジェクト、当初は2022年12月末までの活動予定でしたが、私共の諸事情により、2023年12月まで延長させていただき、2024年新年を迎える前にこちらが終了いたしました。
本プロジェクトがおよそ1年延長したことの原因として、まず、代表実行者である私が校長として勤めていた現地学校を管理統括する現地NGO団体から、2022年6月に解雇を勧告された結果、プロジェクト実施地のコウプムを退去せざるを得なくなったことが挙げられます。コウプムを退去後も、新しい居住地である夫の実家とコウプムを行き来しながらプロジェクトを遂行して来ましたが、2020年6月下旬、プロジェクト実施地の県の県庁所在地付近において集中豪雨による土砂崩れが発生し、主要道路である高速道路をかける橋が濁流に飲み込まれてしまった為、コウプムへの往来が不可能になってしまったこともプロジェクト期間延長のもう一つの原因です。更に、2020年9月下旬には他州での雇用機会があり、マニプールを後にせざるを得なくなり、2022年内に本プロジェクトを終了させることが困難になってしまいました。したがって、本プロジェクトを2023年12月末まで延長させていただきました。皆様への報告が大変遅くなってしまったことを心よりお詫び申し上げます。
【プロジェクト活動報告】
コウプムでは、合計3度のきのこ栽培トレーニングを実施し、述べ28人の農家さんたちがこれらに参加しました。彼らは全員、私が校長を勤めていた学校に通う生徒の保護者で、コウプム盆地より離れた山岳地帯に暮らす人々です。トレーニング終了後、参加者それぞれにきのこの菌種を購入して、各自で栽培•収穫する機会を与えました。ただ、誰もがきのこ菌種を少量しか購入せず、収穫量も少量であった為、家庭内での消費には困らないが、市場にて販売するほどの量を確保するのは困難を極めました。これには、きのこの発育環境が空調設備や温湿度管理がされておらず、一度収穫すると更に1週間ほど待たないとその次に収穫するまで発育に時間がかかってしまうが故に、きのこ栽培に挑戦しようとしている人々の殆どが少量での栽培に留まっていました。
また、2022年6月に私共の夫の実家の村(オイナムロング村)に戻った際、そこでもきのこ栽培に強い関心を持つ青年や女性が多く、彼らの要望に応えた結果、オイナムロング村でもコウプム同様にきのこ栽培を普及していくことに決めました。オイナムロングはコウプム盆地とは違って山岳部に位置する村ですが、人々を取り巻く環境や彼らが抱える問題はコウプム盆地より僻地に位置する村々と同じものでした。オイナムロングでもきのこ栽培トレーニングを3度行い、述べ30人の住民がこれによってきのこ栽培の知識•技術を会得しました。
【収支報告】
2021年10月中旬から12月中旬まで募集したクラウドファンディングにおいて、皆様からサポート、応援していただいた結果、1,143,000円の支援金が集まりました。こちらから、Readyforフルサポートプラン17%+税10%として308,610円、早期入金プラン申込みとして30,000円が差し引かれた結果、804,390円が私共の銀行口座に振り込まれました。最終的にこれをインドルピーに換算したRs.522,853(1JYN=Rs.0.65)が、2022年1月初旬にインド北東部マニプール州現地にて受理されました。皆様から集められた支援金は、本プロジェクトにおいて以下の用途に使用させていただきました。
1.きのこ栽培ハウスの修復と改善(木材、竹材、ワイヤー、トタン、ブルーシートなど):70,000円
2.きのこ栽培に必要な材料購入(きのこ菌床、稲藁、おがくず、ポリエステル製の袋、油性マジックなど):70,000円
3.受益者へのきのこ栽培トレーニングのための費用(主に食費):20,000円
4.車両の購入(中古車):300,000円
5.きのこ栽培ハウスの光熱費:10,000円
6.燃料費(車両):50,000円
7.燃料費(電動のこぎり):30,000円
8.人件費(きのこ栽培ハウス修復改善作業のための人員、ベビーシッター、夫のもとできのこ栽培指導にあたる人員など):200,000円
9.リターン作成料:50,000円
合計:800,000円
【反省点、問題点】
本プロジェクトは、トレーニングを通してきのこ栽培の知識•技術を人々に与え、その後にきのこを栽培していくプロジェクトですが、トレーニング実施側の夫はいかにきのこ栽培が利益があるのかということを人々に理解してもらうことが予想以上に難しいと感じたそうです。それは、トレーニング参加者は、トレーニング後にきのこの菌種を購入して、其々で栽培していましたが、やはりリスクを恐れてか少量でしか購入せず、大量生産を実現することはなかなか大変でした。人々に伝えるためにはやはりそれなりの経験と知識が備え合っていることが前提であり、この経験を活かして今後も夫はきのこ栽培を極めていく決意を固めました。本プロジェクトは、2022年の活動が予定通りに実施できなかった為に2023年12月まで延長する形になりましたが、2023年は、5月初旬に勃発したマニプール首都インパールにおけるコキ族とメイテイ族の衝突が本プロジェクトに大きく影響を与えました。物価が高騰し、高速道路が封鎖されたことも多々あり、特定の品物(特にインパールで製造、販売されているもの)が入手困難な状態が発生するなどが原因で本プロジェクトが停滞しました。更に、州政府は、この衝突の模様を一般市民がSNSなどを通して情報発信することを恐れ、11月初旬までインターネットを遮断しました。9月頃から都市部のみブロードバンドが解禁されましたが、Wi-fi環境が整っておらず、 携帯電話のデータ通信が唯一のネット環境であるマニプールの農村地帯では6ヶ月もの間これが使用禁止となり、本プロジェクトの情報発信が滞ってしまいました。今後、新たに資金調達してキノコ栽培関連のプロジェクトを実施していくのかはわかりませんが、やはり情勢が不安定なマニプールですので、このような問題などにどういう対策が必要なのか模索していく必要があることを痛感しました。
【今後の活動】
プロジェクトページにも掲載いたしましたが、今後もきのこ栽培を続けながら、ゆくゆくはきのこの菌種を夫が自ら生殖し、それを販売するビジネスに発展させたいと考えています。現在では、きのこの菌種はインパールでのみ入手できませんので、様々なコストを考慮して、農村部できのこの菌種を生産できるようになればコスト削減を実現するだけでなく、村内の経済発展にも繋がります。更に、今回のクラウドファンディングできのこ栽培の知識•技術を会得した住民とともに生産者グループを形成して、きのこ栽培•販売の組織化を目指したいと考えています。今後も私達の活動を見守っていただけたら幸いです。
また、リターンの発送についてですが、現在フォトアルバムの写真を整理中しながら報告書を制作中です。フィトアルバムは写真を選択後、日本にてアルバムを製作いたしますので、少々時間がかかってしまいます。なるべく早急に皆様の手元にリターンを受け取っていただきたく思いますので、少々お待ち下さい。よろしくお願いいたします。