6月16日、遂に4ケ月半を掛けた修復が完了いたしました。
全国226名の皆様からの温かいご支援と修復完了までの長い時間を辛抱強く、かつ温かくお見守りいただいておりましたことに心より御礼を申し上げます。
クラウドファンディング成立の後、昨年10月から開始した修復作業は、12月から今年4月までの冬囲い期間を除き、4カ月半をかけて、遂に6月16日完了いたしました。
作業のほとんどは古い塗装はがしと錆落としに終始しておりました。塗装はがし錆落としの作業はプロの力は一切借りず、すべて会員の手作業・ボランティアによるものでした。スクレーパと一部ダイアモンドカッターを使ってのグラインダー作業でという過酷な肉体労働の積み重ねでした。もしこの作業をプロにお願いしていれば倍以上の資金が必要となったものです。プロにお願いしたのは足場組み、屋根の防水、塗装、文字入れ、椅子と昇降階段の制作です。
かかった費用の内訳は以下のとおりです。もちろん会員のボランティアに係る費用は計上しておりません。
<直接費用 4,482,000円>
塗装錆落とし踏み台、電動工具、スクレーパ等購入 137,000円
足場組み・外し 177,000円
車両3両の外装塗装とヨ・ワフの内装塗装 2,090,000円
ヨ・ワフの屋根防水 627,000円
文字入れ 405,000円
ヨ・ワフの椅子修理(完全作り直し) 426,000円
昇降階段の制作 389,000円
電気引き込み工事 198,000円
その他作業雑費 33,000円
<間接費用 854,570円>
クラウドファンディング手数料615,570円
返礼品作成 188,000円
返礼品発送料 51,000円
以上の総経費5,336,570円について、皆様からご支援いただいた3,621,000円を充当。そのほかは自己資金により賄わせていただきました。これにより<1st GOAL>であった
①ヨ、ワフの屋根の防水
②ヨ、ワフの窓枠の修理
③ヨ、ワフの錆落としと塗装
④スユ15の窓枠修理
⑤スユ15の錆落としと塗装
は滞りなく完了。また<2nd・3rd GOAL>であった
①スユ15、ヨ、ワフへの文字入れ
②スユ15への昇降ステップの整備
③ヨ、ワフの室内塗装と椅子の修理
が完了。
⑥スユ15への電気・照明設備の整備
は一部を達成、
④スユ15内の鉄道レール展示棚の制作および
⑤鉄道レール以外の資料・博物展示設備の制作
については未達成となりました。
折からの労働力不足で作業完了時期が遅れ、また原材料高の影響を受け当初の予想を超える費用が掛かりましたが、何とか多くの皆さんに車両内部を公開できる内容の修復ができました。皆様の多大なるご支援に改めて深く感謝を申し上げます。
最新の活動報告にも掲載いたしましたが、修復完了に合わせて6月17日から8月20日までの期間、「石北本線写真展in郵便車スユ」を開催しております。この機会に是非ともオホーツクの地にお出でを頂き、修復完成車両をご覧いただきたいと思います。そして更には次の修復対象であるキハ27の状態をご確認いただき、次なるクラウドファンディングへのご理解を賜れれば幸いでございます。
2023年6月26日
NPO法人オホーツク鉄道歴史保存会
理事長 長 南 進 一