応援メッセージが届きました！柳川孝二様

クラウドファンディング開始から約3週間が経過し、現在100万円を超えるご支援をいただいております。改めて、ご参加いただいた皆さまありがとうございます！

 

さて本日は、宇宙航空研究開発機構（JAXA）で有人宇宙技術開発ほか様々な業務を担当されていた柳川孝二様より応援のメッセージをいただきましたので、ご紹介させていただきます。

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「リーマンサットRSP-03に寄せて」

 

「リーマン」という言葉に最初に接したのは、確か、大学の学部の頃だったと、記憶する。

数学科の連中と飲むと、勢いで、「リーマン幾何学」や「リーマン予想」との言葉が飛び交う。

その時は、先刻承知の様な顔をしてやり過ごすが、帰宅後、慌てて調べた。

 

「リーマン幾何学」は、リーマン計量という概念を用いて、空間の各点における「距離」や「角度」を定義し、それを使って曲面の性質を調べ、一般相対性理論の数学的基盤とするのだそうだ。

また、「リーマン予想」は、素数の分布を研究する際に非常に重要な未解決の問題で、「リーマンゼータ関数」を用いて、素数がどのように分布するかを記述し、この関数の「非自明な零点」がすべて複素平面上の実部が1/2の直線上にあると予想する。

この予想が証明されると、暗号理論に大きな影響を与えるそうだが、現在までに解決されていないとのこと。

「リーマン」、今もって、よくわからないが、青春時代を思い出す（余談だが、この歳になるとアオハルと読むそうだ）。

 

10年くらい前（？）、丸の内朝大学で学ぶ有意な方々とお付き合いし始めて、「リーマン」との言葉に再会した。

正確には「リーマンサット」だったが。

「高度な数学概念を駆使して、自前で衛星を作る」と勝手に解釈し、一目も二目も置いて、お話しさせていただいた。

そして、時間が経つにつれ、実情が段々わかってきた。

「日曜大工ならぬ日曜衛星開発の進め方～リーマンサットの衛星開発～」、つまり「サラリーマン」に由来するそうだ。

「エー！　ホント？」、これが偽らざる、反応だった。

しかし、研究開発活動は着実で、RSP-00、RSP-01、、、と自前の衛星を軌道に次々に投入し、アンテナが展開しない、軌道上に1年近く滞在したとか、色々、あったと聞くが、地球を背景に自画像を撮って、送ってきたのは見事だった。

この度、RSP-03として、星座に着想を得て、搭載された人工知能が即興で楽曲を創るとの事、凄いです。

実は、小生、宇宙、特に有人部門でメシを40年近く食ってきて、リタイヤして10年になりますが、今でも、一つの出来事を思い出します。

それは、宇宙飛行士の講演会場で、聴衆から、「何故、日本宇宙飛行士なのか？アフリカを見ろ。

もっと、金の有効な使い方があるだろう」。

この答えが、中々、見つからないのです。

ウダウダとアレコレ考えているのですが、検討の模索の中、一つ、確かなのは、「宇宙を自分ごと」と捉えてくれる人が増えることがポイントと考えています。

その考え方を示す図を示します。

米国MIT大学で教鞭をとるN.オクスマン氏の論ですが、「サイエンス、エンジニアリング、デザイン、アートが一つのテーブルに乗る」ことが肝です。

「この4つの要素の融合で、物事がなる」と思い始めています。

この度、宇宙に行く「リーマンサットRSP-03」がこの仮説を検証してくれると嬉しいです。

頑張れ-！期待しているぞ-！

柳川孝二氏　略歴

1951年東京生れ。1977年、宇宙開発事業団（現JAXA）入社。ロケットエンジンLE-5開発を担当し、その後、シャトル利用宇宙実験、国際宇宙ステーションの利用、有人宇宙技術開発に従事し、訓練や搭乗調整に参画。2008年宇宙飛行士選抜を担当。2017年社友。著書に『なぜ、人は宇宙をめざすのか』、『宇宙飛行士という仕事』、『地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究』がある。