支援総額
目標金額 1,500,000円
- 支援者
- 76人
- 募集終了日
- 2022年9月8日
能《鼓の瀧》と、講談・落語の《西行鼓ヶ滝》
クラウドファンディングはありがたいことに100万円を超えました。あと、少し!何卒ご支援いただけましたら幸いです。
さて、能《鼓の瀧》について興味を持って調べ始めたころ、インターネットで「鼓の瀧」と検索すると、最も上位表示されるのが、《西行鼓ヶ滝》という落語でした。
私は、能楽関係の活動とは別に、「霜乃会」という上方文化芸能ユニットの事務局もさせていただいておりますので、その霜乃会のメンバーである落語家・桂紋四郎さんに、落語《西行鼓ヶ滝》について、お尋ねしてみました。
すると、「講談と落語の鼓ヶ滝は基本的に一緒です!てか、講談です! 釈ネタです」とのお返事。「釈ネタ」とは、元は講釈(講談)の題材だったものが、落語に取り込まれた噺ということです。
ちょうど神田伯山さんが、まだ前名の「松之丞」時代に監修された『講談えほん 西行 鼓ヶ滝』(石崎洋司/文、山村浩二/絵、講談社、2019年)という絵本が刊行されていますので、まずはこれで触れてみました。
主人公は、若き日の西行。西行は、歌の修業として日本各地を旅する中で、歌の名所と謳われる摂津の鼓ヶ滝を訪れて次のような和歌を詠みます。
「伝え聞く鼓ヶ滝に来て見れば沢辺に咲きしたんぽぽの花」
しかし、帰りに泊めてもらった民家の、老人夫婦と若い孫娘にその和歌を直されてしまう……そんな物語です。
この《西行鼓ヶ滝》の舞台は、兵庫県川西町の鼓ヶ滝とされます。能勢電鉄にその名も「鼓滝」駅という駅があり、駅から近くを流れる猪名川に向かうところに、その和歌の石碑もありました。
能の《鼓の瀧》の舞台は、有馬の物語ですし、最初はあまり関係がない……と思っていたのですが、よくよく見ると似た部分があります。都からやってきた臣下が、所の老人に鼓の瀧に案内された場面です。
以下は能《鼓の瀧》の上演予定本(あくまで現時点ですが)より。
臣下「さては嬉しや音に聞く。鼓の瀧を来て見れば。げに面白き瀧なりなりけり
老人「あらうたてや津の国の。鼓の瀧を来て見ればとは。御言葉とも覚えぬ物かな。古き歌人の言の葉にも
地謡「津の国の。鼓の瀧を打ちみれば。鼓の瀧を打ちみれば。ただ山河の。鳴るにぞありけると。さしも読みし言の葉の。跡なれやこの山の。嵐も雪も落くるや。鼓の瀧も花の瀧も。糸をそへて白浪の。あら面白の景色やな。あら面白の景色やな
都からやってきた臣下が発した「鼓の瀧を来て見れば」という言葉を、所の老人が聞き咎めます。そんな言い方をなさるとは都人とも思えない。昔の歌人の和歌に「津の国の鼓の瀧を打ちみれば。ただ山河の鳴るにぞありける」というものがあるのに…といった意味です。
登場人物も、舞台となった場所も異なりますが、文化の香りを持つはずの人が発した言葉(和歌)が、地元の人に直されてしまうという展開が同じです。しかもその和歌(言葉)自体がかなり似ています。これは関係があると判断して良いかもしれません。
能と講談では、芸能としての歴史が能のほうが古いので、これは能がもとで、それが伝承される中で、主人公を西行に設定し、言葉もより分かりやすい形に直されていった……と考えてみたいところですが……
実際のところ、能《鼓の瀧》にも元となった題材があり、また能から講談に直接つながったわけでもないようです。
そのあたりも興味深いところではありますが、すでに長文になっていますので、今回はここで留めさせていただきます。続きはまたの機会に。
※なお、一番上に載せた写真は、兵庫県川西市鼓滝にある西行歌碑。「音にきく鼓が瀧をうちみれバ川邊にさくやしら百合の花」とあり、講談や落語に登場するものとも少し異なるようです。
リターン
5,000円+システム利用料
【リターン不要の方向け】鼓の瀧サポーター5,000円
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
※このコースは、リターン費用がかからない分、いただいたご支援金は、サービス手数料を除いたすべてを活動内容に充当させていただきます
- 支援者
- 16人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年11月
10,000円+システム利用料
《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 41人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年2月
15,000円+システム利用料
能(謡曲)《高砂》ハローキティ クリアファイル+《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権
●能(謡曲)の《高砂》とハローキティがコラボレーションしたクリアファイル(1枚) ※写真は表裏を見せるために2枚撮影しています
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 10
- 発送完了予定月
- 2023年2月
20,000円+システム利用料
冊子「こうべさんだと能・狂言」+《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権
●兵庫県の神戸三田地域(旧摂津国有馬郡)の歴史と能楽の関わりを、マンガと資料で紹介した冊子「こうべさんだと能・狂言」 ※民話を元に制作した新作狂言《くわばら》の台本も収録
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 28
- 発送完了予定月
- 2023年2月
30,000円+システム利用料
能《鼓の瀧》復活上演謡本+《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権
●今回、300年ぶりに復活上演をする能《鼓の瀧》の謡本(台本、製作中)
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 13人
- 在庫数
- 27
- 発送完了予定月
- 2023年2月
40,000円+システム利用料
有馬富士の和歌ゆかりのお菓子「松風」+《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権+能《鼓の瀧》復活上演謡本
●出家された花山天皇(花山法皇)が、詠まれたとされる「有馬富士ふもとの霧は海に似て波かと聞けば小野の松風」の和歌をイメージしたお菓子「松風」のセット(三田丹波菓子「サント・アン」製)
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●今回、300年ぶりに復活上演をする能《鼓の瀧》の謡本(台本、製作中)
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 17
- 発送完了予定月
- 2023年2月
50,000円+システム利用料
三田屋本店ハムギフト+《鼓の瀧》復活初演招待&動画視聴権+能《鼓の瀧》復活上演謡本
●三田市の能舞台を持つレストラン「三田屋本店」のハムギフト
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●今回、300年ぶりに復活上演をする能《鼓の瀧》の謡本(台本、製作中)
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 19
- 発送完了予定月
- 2023年2月
150,000円+システム利用料
リターンフルコース
他のコースのリターンすべてをお送りします
●能《鼓の瀧》復活初演に招待(1名様) また当日お越しいただけない方向けに、当日撮影した動画を後日ご覧いただける視聴権
●今回、300年ぶりに復活上演をする能《鼓の瀧》の謡本(台本、製作中)
●兵庫県の神戸三田地域(旧摂津国有馬郡)の歴史と能楽の関わりを、マンガと資料で紹介した冊子「こうべさんだと能・狂言」 ※民話を元に制作した新作狂言《くわばら》の台本も収録
●能(謡曲)の《高砂》とハローキティがコラボレーションしたクリアファイル(1枚)
●三田市の能舞台を持つレストラン「三田屋本店」のハムギフト
●出家された花山天皇(花山法皇)が、詠まれたとされる「有馬富士ふもとの霧は海に似て波かと聞けば小野の松風」の和歌をイメージしたお菓子「松風」のセット(三田丹波菓子「サント・アン」製)
●感謝のメール
●パンフレットにご支援者様として記名
※記名は企業名やニックネームなども可能です
- 支援者
- 3人
- 在庫数
- 6
- 発送完了予定月
- 2023年2月