保護された仔猫と母猫

駅前の飲食店が多い場所に母猫が仔猫を産んでいる。

飲食店の店先の段ボールに仔猫がいる。

保護してほしい・・・・・

連絡が入り様子を見に行きました。

 

仔猫は段ボールに入っていたけれど、通りがかりの女性が連れて帰ったので、母猫しかいない。

そう状況が変わっていました。

捕獲器を設置したところ、3匹の猫が・・・・・

警備員の方の話では3匹は兄弟。

3匹のお母さんは車にひかれて亡くなったとのことでした。

駅前で、車も搬入するトラックも多い場所。

交通事故が起こっても不思議ではない場所です。

 

捕獲器に入ったのは母猫ではない猫。

まずその子を保護。

次の日の夜に母猫が捕獲器に入り、朝方最後の1匹が捕獲器。

 

これで終了のはずが、まだ鳴き声が聞こえる。

ただ、この子たちがいたのは、駅前の機械室のような場所。

どれだけ鳴いても中に入ることはできません。

その分、その中に住みつき、餌を食べるときは飲食店あたりをうろうろする。

生きるすべをそうして得ていたのでしょう

 

事前に捕獲については管理者に許可を得ていますが、出勤時間にならないと連絡はできません。

とりあえず、保護した2匹を手術に連れていき、時間になり管理者に連絡していただけるようにお願いをしました。

 

かなり大きな声で鳴いたのでしょう。手術に連れて行っている間に、

通行人やお店の方も気が付き、そこにたまたま点検に来られ中から出してくれたのが、赤ちゃん猫。近くのお店で保護していますとのことで、その猫を預かりにいきました。

たくさんの人の手で助けられました。

 

なぜ、赤ちゃん猫が・・・・・？

連れ帰った人が、店先に段ボールのまま戻していたという事も後で聞きました。

その時には1匹はもう亡くなっていたそうです。

残った子を母猫が安全な場所に連れて行ったのでしょう。

そして、高いところで赤ちゃんを育てていたようです。

仔猫なので自力で降りることができず鳴いていたようです。

仔猫は連れ帰られた方がいると聞いていたのでビックリですが、鳴いてくれてよかった。

 

手術を終えた母猫と一緒にしたとき、仔猫が母猫のそばに行き身体を埋めた様子に涙が出ました。

 

連れ帰っても育てられなかったのでしょう。

もう少し早ければ、2匹とも保護できたと思うと残念ですが、1匹でも助かってよかった。

 

周囲の飲食店の方々も、警備員さんも、管理者の方や職員の方もみなさん好意的で心配されて情報もいろいろな方々から頂けて、この子たちの背景もわかりました。

母猫が亡くなり、3匹で生きていき、そのうちの1匹が出産し、いろいろなことがあったと思いますが、3匹でしっかり生きてきたのだと思うと感慨深いものがあります。

 

1匹は里親さんが決まりました。

里親さんの受け入れが整うまではこちらで過ごしますが、8月中旬には新しいお家に。

母猫と仔猫は2匹でゆっくり過ごしています。

あと1匹の子は、新しい保護猫のお友達ができて、いつもぴったりくっついています。

それぞれに新しい毎日が始まりましたが、みんな幸せになれるように、バトンを繋いでいきます。