みなさん、こんにちは。
「義足の図書館」プロジェクトチームメンバー、義肢装具士の田村秋人です。


いよいよ終了まで残り12日となりました。

今日は、昨日の大西からバトンをもらい、私が話をさせていただきます。

ぜひ最後までご覧ください。

 


私は普段、義肢装具士として、義足作りの仕事をしています。


もともと義足の国際支援に興味があり、義肢装具士を志し、日本の養成校を卒業した後、東南アジアで義足のボランティア団体にお世話になったり、大学に編入したりしてました。

 



色々とあったのですが帰国後は、東京にある今の会社に就職して義足をメインに仕事をしています。

しかし、現在も多くの義足ユーザーさんと関わっていますが、実際のところスポーツ用の義足を扱う機会はほとんどありません。(もちろん、障害者スポーツを応援していますし、パラリンピアンの選手の方々を尊敬しています。)

やはり義足の最も重要な役割は、「足を失われた方の社会復帰」や、「生まれつき足の無い方の積極的な社会参加」を支援する事だと思います。

 

 

そのため、スポーツ用の義足は保険適応外になります。

公的福祉制度での限られた予算の中では、当然の事なのかもしれません。

これまで、そうした理屈に甘えて、ユーザーさんをサポートする私自身が、「走りたい」や「スポーツを楽しみたい」と言うユーザーさんの当然の思いを汲み取って来なかった事を今は反省しています。

近頃、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、義足で活躍される方々がテレビでよく取り上げられていて、私も興味を持って拝見しています。

 

ユーザーさんはそうした活躍されている方々を見て憧れ、「自分も同じ様に走れるのでは」と希望を持ちます。

しかし現実は、多くの壁があります。

 

その中に、パーツの価格と環境が整っていないことがあります。

ユーザーさんが走りたいと思った時に、気軽に試したりするパーツも場所も少ないのです。


また、今回のプロジェクトがもし、「ただ単に高価なレンタルのパーツを揃えるだけ」のものであれば私は賛同できなかったと思います。

 

このプロジェクトの素晴らしい点は、トレーニングプログラムやイベントを通じて、ユーザーさん同士がコミュニケーションを取れたり、私の様にスポーツ用義足に詳しくない義肢装具士も、業者の垣根なく、経験のある義肢装具士から学べたりする場所になるという事です。

初めて走るユーザーさんは不安もあると思います。

そんなときに、周りに走っているユーザーさんがいて、気軽に話が出来るときっと安心だと思います。

私自身も初めて豊洲Brilliaスタジアムにユーザーさんとお邪魔したときは、「角度どうしよう」とか「いざ走って、もしどこか断端が痛かったら現場でどうやって調整しようかな」といった、不安がありました。

そんなときに、経験豊富な義肢装具士に意見を聞くことが出来ると、とても助かります。

 


パラリンピックが終わるとメディアや社会からの義足スポーツへの関心は今よりも薄れていってしまうかも知れませんが、ユーザーさんが持つ希望や夢は一生続きます。

今回のプロジェクトは、一時的な物ではなく将来に長く続く、とても価値のあるものだと思っています。

すべての義足ユーザーさんが気軽に走れる様な社会になるのは、環境だったり我々の技術だったり、まだまだ沢山のハードルがあります。

 

また、下肢切断者以外にも走りたいと思っている障がい者の方はたくさんいると思います。

 

この義足の図書館プロジェクトが、まず環境を変える第一歩となってほしい。

私も義肢装具士として、ユーザーさんの悔いのない人生を影から支え続けていけるよう、これからも日々努力を続けて参りたいと思います。

 

どうぞご支援よろしくお願いいたします。

 

 

 

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