第八番「宇宙の声が聴こえますか 」

太陽系第三惑星、地球に初めて生命が誕生して以来３８億年、生命は何度も宇宙的規模の大災害に遭遇し、大絶滅の危機に瀕しながら、その都度奇跡のようによみがえり、新たなる進化を遂げて、私たち人類は今、ここにいます。

宇宙は、自らが生んだ生命を”可能な限り永く生かせ続けたい”、という意志を持っているようにさえ思えます。この”宇宙の意志(Universal mind)”を地球上で体現しているのが樹です。

樹は何億年にもわたって地球の大気中の酸素濃度を２１％という数値に保ち続け（ガイア理論）絶滅と進化を繰り返してきた多様な生命を生かし続けてくれたのです。世界中のすべての文化の中に、樹齢数百年の老大樹の中には、精霊が秘んでいる言い伝えがあります。「樹の精霊」とは、「宇宙の意志」の顕れなのかもしれません。

私たち日本人の身体（からだ）の中には遥か縄文の昔から１万年近くに渡って聴き続けてきた樹の精霊の歌声が、かすかな残響波となって今も響き続けています。世界の人々が称賛する日本の伝統文化の美は樹の精霊との出会いに依って育まれ、洗練されてきた、と言えるでしょう。

東日本大震災から3年、人智をはるかに超えた宇宙的な力によってもたらされた崩壊と苦難から立ち直り、真の復活を遂げるために、私たち日本人は今、何に気付き、何をなさなければならないのか！

「樹の精霊の声、すなわち宇宙の声を聴く力をよみがえらせなければならない」と気付いた日本人たちがいます。

地球交響曲「第八番」では、この人々の想いと活動を世界に向かって発信します。地球の未来の全ての生命が健やかに、末永く生き続けることを願って

　　　　　　　　　　　龍村　仁