南九州の伝説「弥五郎どん」と「隼人族」の歴史的出逢いを実現したい

支援総額

2,193,000

目標金額 2,000,000円

支援者
127人
募集終了日
2025年10月23日

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プロジェクト本文

 

はじめに

 

私たちは弥五郎どんファンタジア実行委員会です。鹿児島県曽於市に伝わる巨神伝説「弥五郎どん」を広く伝えるべく公演活動を行っています。

 

「子供と大きな子供のための音楽劇」

2022年に、古事記の後藤象士先生のご縁で集まった皆様で製作いただきました。

脚本:市川愉実子さん、絵画:マーク・アントワーヌ・スキャルシャフィキ氏、音楽:松本俊行さん、語りべ:柴田美保子さん

 

弥五郎どんは巨人伝説や豪族説など沢山の言い伝えがあって、それを分かりやすく45分間の音楽劇で表現して頂いた「弥五郎どんファンタジア」を通じて、より多くの方々にいろんな弥五郎どんを感じて、興味をもって頂けるよう毎回バージョンアップしています。

 

地元の保育園児から大人まで総勢80名で演じてます。

 

 

これまでの公演実績は以下の通りです。

 

2022年7月24日、曽於市大隅文化会館

2023年5月4日、鹿児島市宝山ホール

2024年8月17日、鹿児島市宝山ホール

 

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同時に2022年から毎年11月2日に行われる弥五郎どん祭り前夜祭でも公演を開催してます。

 


 

 

記念する年に時空を超えて弥五郎と隼人の初めての出逢いのために

 

過去に3回ほど単独公演「弥五郎どんファンタジア」と毎年11月2日に行われる弥五郎どん祭り前夜祭でも公演してきましたが、弥五郎どんは沢山の伝説がある中で、一説には弥五郎どんの伝説は、古代日本に存在した隼人(やはと)族という部族に由来しています。

 

│隼人族とは

 

日本神話には海幸彦が隼人の阿多君の始祖であり、火照命の末裔であるとされる「はやひと」が本来の形だと思われますが現代では一般に「はやと」と呼ばれることが多くその他「はやびと」、「はいと」とも呼ばれています。


隼人の語源は「(犬のように)吠える人」の意味とも「ハヤブサのような人」の形容とも、方位の象徴となる四神に関する言葉から南を示す「鳥隼」の「隼」の字によって名付けられたともいわれ、そのほかにも諸説があります。


隼人族は、現在の鹿児島や宮崎の一帯に住み、勇猛な部族として知られていました。彼らは中央の律令国家に対してしばしば抵抗していました。そんな中、7世紀後半(682年)6年に1度朝貢し、犬の鳴き声のような吠声(はいせい)で皇宮衛門の守護や行幸の護衛(隼人之調)を行ったとされています(蛮族の声には悪霊退散の呪力があると信じられたため)。また竹笠・竹扇の造作などのほか、服属の意を示す歌舞の教習を行いつつ、「隼人舞」を節会で奏上したといわれています。


しかし隼人はその後もしばしば朝廷に対し反乱を起こし、特に有名なのが、**720年(奈良時代)**に起きた「隼人の反乱」です。


この反乱では、隼人族が中央政権に対抗し、自分たちの独自の文化や土地を守ろうと戦いました。しかし、最終的には朝廷側に鎮圧され、多くの隼人が犠牲となりました。この隼人族の首長こそが、後に伝説となった「弥五郎どん」だとも言われています​。


「弥五郎どん伝説」は諸説あるなか、後にこうした反乱で命を落とした隼人の霊を供養する放生会が行われたのが現代の弥五郎どん祭りの起源とされています。この祭りを通じて、隼人族の誇りと精神が現代にまで受け継がれています。

 

隼人舞の様子
松明の舞
振剣(ふりつるぎ)の舞
隼人踊り
京都田辺市の大住隼人舞保存会の皆さん
毎年10月14日隼人舞が奉納される月読神社

 

 

 

 

毎年11月3日行われる弥五郎どん祭りの様子

 

弥五郎どんご神体お面

 

弥五郎どん起こし

 

弥五郎どん祭り浜下りの様子

 

 

 

弥五郎と隼人の初めてのコラボイベント開催!

 

今年は弥五郎どん祭りが重要無形民俗文化財に指定され、弥五郎どんの眠る岩川八幡神社が創設1,000祭の年であり、また曽於市市制施行20周年の記念すべき節目の年でもあるので、是非1,300以上前に京都に連れて行かれた隼人族の末裔(大住隼人舞保存会)の方々を弥五郎どん祭り前夜祭にお呼びしてそれぞれの伝説を持ち寄ることで祭りから見える隠された本当の歴史を垣間見るきっかけにしたいと思っています。

 

今までの弥五郎どん祭り前夜祭は曽於市の助成金と地元の方々の寄付金をもって開催してきました。今回、弥五郎どんとゆかりのある隼人族(隼人舞保存会の方々)と時空を超えて初めてお逢いする歴史的なイベントを実現するにあたって旅費や宿泊費など200万円ほど費用がかかります。

 

そこでクラウドファンディングを活用させてもらってその費用を集めたいのと同時にクラウドファンディングをきっかけに県内外のより多くの方々に弥五郎どんと隼人族を知って頂きたいと思っています。

 

弥五郎どん祭りの行事である「岩川の弥五郎人形行事」が今年2025年3月28日に国指定重要無形民俗文化財に指定されました。
無形文化財表彰

 

今年は岩川八幡神社が創建一千年祭の年
八幡神社と弥五郎どん

 

 

 

実行委員長あいさつ

 

-クラウドファンディングご支援のお願い-

 

小濵健一│弥五郎どんファンタジア実行委員長

この度は当クラウドファンディングのページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

まずは、私たちの取り組みに関心を寄せてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。 私は鹿児島県曽於市大隅町「弥五郎どんファンタジア実行委員会」委員長の小濵健一です。

 

本業では農業を営み、スプレー菊やマカ、無肥料、無農薬の小麦、蕎麦、お米、真菰(まこも)、バナナ、杉苗などを栽培しています。一方で、地元の「巨神伝説太鼓衆 大隅弥五郎太鼓」に30年ほど所属し、太鼓を通じて弥五郎どんの沢山の言い伝えや文化に触れ、沢山の方々に出会ってきました。

 

その中で弥五郎伝説が地域とその心にどれほど深く息づいているかを実感し、また、この弥五郎どんから見える歴史にも大きな興味を持つようになりました。そしてこの歴史、文化を次世代や多くの方々に伝え広めていくことの楽しさと大切さを強く感じるようになりました。

 

そして今年は、まさに歴史に刻まれる節目の年です。弥五郎どん祭りが国指定重要無形民俗文化財となり、弥五郎どんが眠る岩川八幡神社は創建一千年祭を迎えます。さらに、曽於市が市制施行20周年という記念の年でもあります。

 

この奇跡のようなタイミングに、私たちは「弥五郎どんと隼人族の時空を超えた出逢い」という特別な企画を実現いたします。 弥五郎どんとゆかりのある隼人として京都府京田辺市大住より「大住隼人舞保存会」の皆さまを初めてお迎えし、古代から伝わる隼人舞を披露いただきます。

 

弥五郎どんと隼人舞――いずれも地域に根ざした伝統であり、弥五郎と隼人が一堂に会するのは、地域の歴史の奥深さと繋がりを示す、かつてない機会です。この出逢いが、地域に秘められた本当の歴史を垣間見るきっかけとなり、過去の弥五郎と隼人の関わりを解き現代の新たな交流が始まる大きな一歩となると信じています。

 

しかし、この企画を実現するには、京都からの移動費や滞在費など多くの経費が必要となります。地域の文化と誇りを未来へとつなぐため、皆さまのお力添えを賜りたく、このクラウドファンディングを立ち上げました。

 

どうか趣旨にご賛同いただき、あたたかいご支援をお願い申し上げます。皆さまと共に、地域の文化、歴史を守り、育てるための大きな一歩を踏み出していただければと願っています。

 

弥五郎どんファンタジア実行委員会 委員長

小濵健一

 

 

 

プロジェクトの内容

 

目標金額:2,000,000円

 

ご支援頂いた資金の使い道:

 

皆様からご支援いただいた資金は、京都田辺市から大住隼人舞保存会の方々を曽於市大隅町の弥五郎どん祭り前夜祭にお呼びするにあたっての旅費、宿泊費などに充てさせて頂きます。

(弥五郎どん祭り前夜祭のかかる総額は350万円)

 

※本プロジェクトは、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、自己負担するなどして、必ず予定していた規模の実施内容の通り実行致します。

 

2025年11月2日に行われる弥五郎どん祭り前夜祭にて(予定)

 

【第一部】

隼人族にまつわる催し物として

①鹿児島在住の隼人族の末裔のミュージシャン隼人加織さんのライブ

②隼人族と弥五郎どんの関わりについて東川隆太郎氏によるトークショー

③地元大隅弥五郎太鼓Jrによる太鼓演奏

④地元ダンスチームraugh style
⑤京都田辺市の大住隼人舞保存会による隼人舞

 

【第二部】

①地元岩川小学校・大隅中学校・曽於高校による吹奏楽演奏

②子供と大きな子供のための音楽劇「弥五郎どんファンタジア」

 

*日時:2025年11月2日(日曜日)14時開場 15時開演(19時終演予定)

*場所:曽於市大隅文化会館

 

※会場周辺でマルシェ開催予定

 

※プロジェクト成立後、天災等やむを得ない事情(緊急事態宣言などコロナウイルスによる影響を含む)によりイベントが開催できなかった場合は次年度の弥五郎どん祭り前夜祭で実施致します。

 

 

 

プロジェクトの展望・ビジョン

 

今回の弥五郎どんと隼人族との初のコラボイベントを通じて交流親睦を深めそれぞれの伝説を共有しながら日本の隠された本当の歴史を垣間見るきっかけになって京都田辺市での弥五郎どんファンタジアを近い将来実現したいです。

 

また全国の多くの方々にこのふたつの歴史に興味をもっていただき、遙か遠いいにしえからの想いを今に伝えている鹿児島の弥五郎どん祭りと京都田辺市の大住隼人舞を見に足を運んでいただいて交流人口を増やしたいです。

 

さらに全国に眠る隠された本当の歴史を祭りを通じて発掘するきかっけにもなれたら幸いです。

 

是非、皆様からのご支援をよろしくお願いいたします。

 

弥五郎どんファンタジアのメンバー

 

 

 

応援メッセージ

 

中迫勇|弥五郎どん祭り保存会会長

ご支援のお願い


私は、弥五郎どん祭り保存会 会長を仰せつかっております中迫勇でございます。

 

本年、「弥五郎どん祭り」は国の重要無形民俗文化財に指定され、弥五郎どんをお祀りする岩川八幡神社は一千年祭を迎えました。さらに曽於市も市政施行二十周年という節目の年を迎え、私たちにとって誠に意義深い年となっております。


この記念すべき前夜祭では、弥五郎どんと深いゆかりを持ち、悠久の歴史を伝える隼人族の歴史を持つ「大住隼人舞保存会」の皆様をお招きし、伝統の隼人舞をご披露いただく運びとなりました。


千年以上の時を超えて実現する“歴史的な再会”は、私たち地域の者にとりましても大変喜ばしく、心より感謝申し上げます。そしてこの再会が、弥五郎どんと隼人との新たな交流の始まりとなり、未来へと続く絆を育む第一歩となることを、私たちは心より願っております。


つきましては、この意義深い催しを実現するため、クラウドファンディングを通じて皆さまのお力添えを賜れますよう、謹んでお願い申し上げます。

弥五郎どん祭り保存会 会長
中迫 勇

 

 

石坂清|大住隼人舞保存会会長

私たち「大住隼人舞保存会」は、京都府京田辺市の「大住」とよばれる地域で大住隼人舞を継承している団体です。

 

まず、「隼人舞」の起源は、日本書紀神代下巻海宮遊行の海幸彦、山幸彦の物語の後半で、山幸彦に海で溺れるところをたすけられたことにより、海幸彦が感謝の証として、湖に溺れる様を色々な演舞したものです。この海幸彦は隼人族の祖と言われています。

 

この神話は、薩摩半島の西海岸吹上浜一帯(阿多、田布施、加世田)で生まれ鹿児島市坂元町催馬楽一帯に住む隼人一族が、国分鹿児島神宮や大隅の総神守公神社に奉納する神舞として、隼人舞を伝えていました。

 

そして、今から1300年以上前に大隅隼人達は、九州からこの大住の地に移り住んだと言われ、「大住」の地名もそれに由来します。その頃前後8回にわたり、宮中での正月行事や祭り事の際に隼人舞が朝廷に奉納されました。こうして九州で生まれた隼人舞は、隼人の大住移住によって朝貢舞として伝えられ後の雅楽の源流ともなりました。

 

「大住隼人舞」は、故志賀剛先生の大住における隼人舞復元の努力と、鹿児島出身で隼人舞の継承者であった故牧山望先生の舞の指導により、昭和47年10月15日に長らく途絶えていた隼人舞を、およそ500年ぶりに地元の秋祭りの月読神社境内において復活させたものです。

 

その後、昭和50年12月には、この「隼人舞」が田辺町(現京田辺市)無形民俗文化財第1号の指定を受けました。その後、昭和51年には大住隼人舞保存会が結成され、同年に中学生の舞人が誕生しました。以後、代々大住地区の中学生舞人によって今日まで受け継がれてきています。

 

大住隼人舞の奉納は、毎年10月14日の夜、京田辺市大住地区の月読神社(西八区)と天津神社(岡村区)で行われます。私たちの活動は、今から1300年以上前に宮中祭祀の一つとして実際に行われていた古代の舞を現代によみがえらせ、新たな伝統文化への発展を願う地域の人々の想いを未来に繋ぎ、自らのアイデンティティと地域コミュニティの創造に貢献することです。

 

この度、隼人の故郷である鹿児島県曽於市の弥五郎どん祭り前夜祭に出演し大住隼人舞を披露できることを楽しみにしています。皆様の応援を宜しくお願いいたします。

 

 

市川愉実子|脚本家

『おかえりなさい!』

 

《弥五郎どんファンタジア》の台本を担当致しております、市川愉実子と申すしがない者でございます。この度、大住隼人舞の皆さまが実に1400年ぶりに、ご当地大隅にお里帰りなさると伺い、僭越ながら一言お祝いを申し上げたく参上致しました。

 

大和朝廷が、律令国家建設を目指して全国統一に乗り出したのが七世紀後半のこと。大隅に伝わる弥五郎どん伝説の成り立ちと、おおよそ時代を同じくします。御存じのように、弥五郎どんは薩摩隼人のリーダーとして大和朝廷と戦った伝説上の人です。

 

戦いの常として、敗北した弥五郎どん(薩摩隼人たち)は捕虜として奈良の都に連れ去られます。住み慣れた土地、親兄弟、友、妻子、恋人との別れは、それこそ生木を裂かれるような辛いものだったことでしょう。別れのかたちも様々です。

 

「来年の刈り入れには、間に合うよう、必ず戻ってくるから!」「手柄を立てて、都の土産をたくさん抱えて帰ってくるぞ!」「俺を信じて、元気な子を産んで、待つてるんだぞ!」薩摩隼人たちのその後を、悲劇的に想像することは簡単です。

 

しかし、歴史は時して予想だにしない方向へ人々の運命を展開させることもあります。私は、この度、大住隼人舞いの存在を知り、実際の彼ら少年たちのパフォーマンスを目にしたとき、歴史は決して人間を裏切らないのだと、ある種感動をもって確信しました。

 

捕虜として連れ去られた薩摩隼人たちは、その軍事力、統率力、精神力などスキル能力の高さゆえに、各地の戦場において、大和朝廷に大いなる勝利をもたらしたのです。そりゃ、あの弥五郎どんと一緒に戦った仲間たちだもの、当然ですよね。

 

彼らの戦闘能力の高さを、今時の若い人たちに分かりやすく誤解を覚悟で言うならば・・・警察ならSWAT(スワット)?か、軍隊なら朝廷の特殊精鋭部隊?と言ったところでしょうか。

 

隼人舞いの、元になった薩摩隼人たちは、皮肉なことにその能力の高さゆえに、故郷に返されることはなく、都に常駐させられる運命をたどります。彼らの子孫たちは、どんな思いで隼人舞いを編み出し、帝の御前で舞ったのでしょう。

 

《お祓いの舞い》《神招の舞い》《剣の舞い》《盾の舞い》《弓の舞い》《松明の舞い》・・・今、少年たちの清らかな舞姿に、じかたの奏でる野趣に富んだ旋律の中に、いにしえの薩摩隼人たちの、望郷の思いをついつい求めている筆者がおります。そして心からの『お帰りなさい』と。

謹んで 市川愉実子

 

 

柴田美保子|『弥五郎どんファンタジア』語り部・女優

「1400年の時空を超えたつながり」 柴田美保子
    
私は「弥五郎どんファンタジア」で初演から語り部を務めさせていただいています。そして「古事記」を舞台化した「ドラマティック古事記」や「天語り・古事記」でも長く語り部を務めています。


「古事記」は今から1300年余り前に大和朝廷によって日本で初めての歴史書として編纂されました。そのころには隼人族はすでに朝廷に仕えていたようですので、古事記編纂に携わった方々は、隼人族の皆様に出会っていたでしょうし、隼人舞をご覧になっていたかもしれません。


それを想うと、今現在その両方を語らせて頂いていることにとても不思議な繋がりを覚えます。今回、隼人舞を継承している皆様が、弥五郎どんに会いに1400年ぶりに帰って来られるということに時空を超えた強い繋がりがあり、私もその瞬間にその場に立ち会わせて頂くことに喜びを感じています。


弥五郎どんは、子供やお年寄り誰にも優しく、力持ちで働き者。まさにヒーローです。


そんな英雄の弥五郎どんが、皆様の心の奥まで届くように「弥五郎どんファンタジア」でもしっかり語って、弥五郎どんを応援致します。弥五郎どんと隼人舞の方々との出会いに、皆様からも応援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

松本俊行│(作編曲家/アーティスティックスイミング乾友紀子選手世界水泳金メダル獲得曲『大蛇〜オロチ〜』作曲/尚美学園大学非常勤講師

九州から遠く離れた千葉県に生まれ育った私は、恥ずかしながら隼人という言葉は勇猛果敢な「薩摩隼人」という言葉くらいでしか知りませんでした。

 

縁あって脚本家市川愉実子先生の『弥五郎どんファンタジア』という作品の音楽を担当することになり、鹿児島県曽於市に残る伝説の巨人「弥五郎どん」と出会いました。そしてその弥五郎どんこそ、隼人族の首長として大和朝廷との激しい戦を戦い抜いた傑物あるいはその象徴的存在と知るに至りました。

 

西暦720年の隼人と朝廷との戦は熾烈を極め、1年半も続いたと聞きます。戦力としては朝廷軍の方がはるかに強大であったろうことは容易に想像できます。それを1年以上も持ちこたえた。それこそが隼人の勇猛果敢さ、強さの証と思われます。

 

しかし最終的に隼人は敗れてしまう。 先述の音楽劇『弥五郎どんファンタジア』では、象徴的シーンとして、敗れた弥五郎どんが隼人の人々の身代わりとなって都へ引かれてゆきます。弥五郎どんは悲しむ同胞たちにあえて気丈に希望を持たせる言葉を投げかけ、別れてゆきます。

 

そのシーンは作品の語り手女優市川美保子氏の語りと相まって、涙を誘う白眉のひとつとなっています。 現実に都に引かれたのは戦力の中心である多くの男たちだったでしょう。そしてその力(と一説には呪術的な力)によって朝廷にとりたてられるようになり、いつしか都に定住するようになる。

 

その中で「隼人舞」が生まれ、連綿と今に受け継がれている…。 果たしてその舞には隼人のどのような想いが込められているのでしょう。 止みがたい望郷の念でしょうか。

 

そして今年2025年。 曽於市の弥五郎どんの末裔は都へ引かれた弥五郎どんの末裔、隼人舞の舞い手を大隅に招くと言います。1300年の時を経ての再会! 両者の想いはいかばかりでしょう! ふるさと大隅で舞われる隼人舞を私も楽しみにしております。

 

最後に。 『弥五郎どんファンタジア』は市川愉実子先生が2年以上の現地取材を重ねて書き上げた作品です。私はその本に大いに触発されるところがありました。 実際の舞台では曽於市の子どもたちが元気な歌声で弥五郎どんに呼びかける歌を歌い、地元の小中高校の合同吹奏楽部が壮麗に序曲を奏でます。

 

隼人舞と弥五郎どんファンタジア。 いずれもかつて大いに気を吐いた隼人族の残した歴史の面影といえましょう。 お近くの方はぜひ「弥五郎どん祭り前夜祭」にお運び頂き、弥五郎どんすなわち隼人の末裔のそれぞれのパフォーマンスを目の当たりにお楽しみ頂けたらと思います。

 

何卒皆さまのお力添えをお願い申し上げます。

 

 

東川隆太郎|NPO法人まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表

 

 

隼人加織|歌手

 

 


 

※大住隼人舞保存会様、隼人加織様、東川隆太郎様、大隅弥五郎太鼓Jr様、岩川小学校・大隅中学校・曽於高校様からプロジェクトを行うこと、名称と画像掲載を行うことの許諾を取得しております。

※プロジェクトページ内に使用している画像について、保護者より掲載許諾取得済み

 

プロジェクト実行責任者:
小濵健一(弥五郎どんファンタジア実行委員会)
プロジェクト実施完了日:
2025年11月2日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

私たち弥五郎どんファンタジア実行委員会は今年、弥五郎どん祭りが国の重要無形民俗文化財に指定され、弥五郎どんが眠る岩川八幡神社が創設一千年祭の年であり、また曽於市市制施行20周年の記念すべき2025年の弥五郎どん祭り前夜祭に隼人族の方々が1300年以上前に朝廷側によて連れて行かれた京都田辺市より大住隼人舞保存会の方々をお呼びしてそれぞれの伝説を同じ舞台で披露致します。この時空を超えた歴史的出会いをなんとしても実現したいです。 集まった支援金は隼人舞保存会の方々の旅費、宿泊費など曽於市に来て頂くための経費に使わさせて頂きます。

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
第1目標金額は200万円ですが、最終目標金額は350万円です。チャレンジしても最終目標金額に達しなかった場合、必要金額と目標金額との差額は寄付金や自己資金で対応致します。

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プロフィール

私たち『弥五郎どんファンタジア実行委員会』は2022年、古事記の後藤象士先生、脚本家の市川愉実子さん、画家のマーク・エステル氏、音楽家の松本俊行さん、女優の柴田美保子さんとのご縁で『子供と大きな子供のための音楽劇 弥五郎どんファンタジア』を創って頂いたのをきっかけに立ち上げた任意団体です。 『弥五郎どんファンタジア』は地元の岩澤剣司さん演出の元、大隅弥五郎太鼓の皆さんやおひさまの杜こども園、太陽の子幼児園の園児や先生方、篠笛奏者の瀬戸口留美子さん、役者の宮路佳具さんら総勢80名で演じています。 私達はこの音楽劇を通して弥五郎どんとその背景を感じてもらうと単独公演や毎年11月2日の弥五郎どん祭り前夜祭で頑張っております。 そしていつしか「弥五郎どんファンタジア」が地元の新たな伝統芸能になるよう継承していきたいと思っております。 近い将来、京都府京田辺市や東京での公演も目指しています。

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リターン

3,000+システム利用料


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応援コース│3000円コース

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申込数
21
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年11月

5,000+システム利用料


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応援コース│5000円コース

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2025年11月
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私たち『弥五郎どんファンタジア実行委員会』は2022年、古事記の後藤象士先生、脚本家の市川愉実子さん、画家のマーク・エステル氏、音楽家の松本俊行さん、女優の柴田美保子さんとのご縁で『子供と大きな子供のための音楽劇 弥五郎どんファンタジア』を創って頂いたのをきっかけに立ち上げた任意団体です。 『弥五郎どんファンタジア』は地元の岩澤剣司さん演出の元、大隅弥五郎太鼓の皆さんやおひさまの杜こども園、太陽の子幼児園の園児や先生方、篠笛奏者の瀬戸口留美子さん、役者の宮路佳具さんら総勢80名で演じています。 私達はこの音楽劇を通して弥五郎どんとその背景を感じてもらうと単独公演や毎年11月2日の弥五郎どん祭り前夜祭で頑張っております。 そしていつしか「弥五郎どんファンタジア」が地元の新たな伝統芸能になるよう継承していきたいと思っております。 近い将来、京都府京田辺市や東京での公演も目指しています。

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