NPО法人食べて語ろう会「基町の家改修」の報告
NPО法人食べて語ろう会では、今まで活動していた「基町の家」が狭隘になったことから、広島市の理解を得て、隣家を借りることとしましたが、隣家は、事業所の倉庫形態になっていましたので、事業を展開するためには改修が必要となりました。当法人に、隣家改修の財源がなかったこと、他団体からの助成金は申請時期を過ぎていたことなどから、クラウドファンディングでの資金調達を行うこととし、皆様のご支援をいただくことにいたしました。
できるだけ早く新しい事業を展開したいとの思いが強く、クラウドファンディングに熟知した専門家もいない中悪戦苦闘した結果、募金期間は、令和元年8月30日から10月29日の60日間、当初の目標金額を300万円に設定し、本当に達成できるか不安の中スタートいたしました。しかしながら予想外に、期間半ばの9月30日には目標額の300万円を達成することができ、ネクストゴールを実質的に必要金額であった500万円に設定し直して、更に、ご支援のお願いをいたしました。最終的には270名という多くの方々から、517万4千円という予想以上のご支援を頂戴することができました。
また、期間中には、あたたかい沢山の応援メッセージを頂戴いたしました。スタッフも勇気を頂き、一人ではないという安心感に包み込まれたように、元気が湧いて来たことを実感しました。
加えて、いつも、「食べて語ろう会」を支援してくださっている方々ばかりではなく、遠くの方や初めての方、学生さんや子育て中のママさん、リタイヤし社会貢献に興味をお持ちの方など、これまでつながっていなかった方々と交流することができ、「NPО法人食べて語ろう会」を広く知っていただく機会にもなり、大変貴重な経験だったと思います。こうして、新しく、つながることができた方々とも、今後、末永くお付き合いができればと思っています。
集まった資金は、隣家の改修に加え、冬は冷たい水で食器を洗っていたので念願の給湯器、安全な調理環境のためIHのキッチンを1階に整備することができ、子どもにもスタッフにも優しい環境になりました
2階は、学習スペースとして、気兼ねなく一人勉強や大学生の先生からの指導など、子どもたちの未来のために大いに活用が図られています。カウンター机の奥側は人気の場所となっています。また、相談スペースとして、専門家による依存症の相談、勉強なども継続的に行いながら、個別の相談にも個人情報に配慮した閉鎖的な空間で安心して受けることが可能になりました。今後、ますます、活用の幅が広がるよう関係者と検討を行ってまいります。
基町の家に新しいスペースができたことによって、再非行防止としての事業展開だけではなく、ネグレクト等子どもたちの置かれた状況に応じ、子どもの支援を行ってまいります。
また、いつも多くのお客さまが来所くださいますが、ご迷惑を掛けずにお話を伺うこともできるようになりました。従前「基町の家」の1階は今まで通り、再非行防止のための食事スペースとして、2階は事務室として、会議、理事会など会の運営に関する機能を集約することができました。様々なストレスが解消できています。
設備、備品を調達するにあたり、食器棚、冷蔵庫、靴箱、勉強用いす、事務所用の本棚に至るまで、ほぼ、備品等を新しく購入する必要がないくらい、沢山の物品をいただきました。食器棚には、子どもたちのための沢山のお皿や丼、食器などが収められ出番を待っています。
今回、クラウドファンディングを行い、多くの方々からご支援を頂くことができ、感謝しています。当初は、毎日経過をびくびくしながらチェックしたものですが、徐々に、頂いたご厚志に対し、事業を着実に進めていかなければならないとの責任感の方が増してきたように思っています。
ご支援くださいました皆様の思いを励みとして、これからの活動につなげてまいります。ありがとうございました。
クラウドファンディングの他にも隣家改修に関し、ご支援いただきました方々に対しましても重ねてお礼申し上げます。
※頂きました資金は、工事改修費、設備・備品費等ですべて活用させていただきました。ありがとうございました。