最終日｜子どもが「ここにいていいんだ」と思える社会を作りたい

5月8日にスタートしたクラウドファンディングも、あっという間に残すところ14時間となりました。本当にたくさんの皆様から、これからの活動への信頼を託していただいたことに、心から感謝するとともに身の引き締まる思いです。

実行委員のメンバーでもある私たち「特定非営利活動法人子どもNPOセンター福岡（以下、子どもNPOセンター）」は、福岡県域を中心に、子どもの権利保障のための課題解決に、様々な市民団体と協力して取り組むネットワークタイプの中間支援団体です。福祉の分野においては、福岡市こども総合相談センターからの委託を受け、協働で里親の開拓や社会的養護の子どもたちの環境改善、権利保障のためのネットワークを作り活動を行ってきました。ネットワークには、里親家庭、ファミリーホーム、児童養護施設、乳児院、自立援助ホーム、障がい児入所施設、弁護士、CAP、民生委員・児童委員、社会福祉協議会など多様なご所属・背景からの参加があり、それぞれの分野で厳しい状況にある子どもたちの様子が日々共有されています。

春休み、そして新学期、ゴールデンウィークは、施設に入所している子どもたちにとって実親のもとに帰省することのできる貴重な時間です。帰省できない子どもたちも、施設職員たちと買い物に出かけたり遠出をしたりする時間です。その時間は、道中に車の中や電車の中で、日頃はなかなか話せない話をしたり、職員としっかり関わりを持つことができ「自分はここにいていいんだな」と感じることができる時間です。新型コロナウイルスの影響は、日常だけでなく、子どもたちのそのような特別な時間にも影を落としている現状があるのです。

もし施設等にWi-Fi環境が整っていて、端末があったら、遠いところに住む家族とももっとこまめに話すことができます。寂しさや、このまま見捨てられちゃうんじゃないか、という不安も違ってくると思います。施設の職員も里親も精一杯関わっているけれど、もし、子どもたちがSOSを発信できれば安心して見守ることができます。

喪失体験を繰り返してきた子どもたちは、自分のために声を出すことをあきらめてしまっている子や、「このままの自分でいいんだ」と思えなくなっている子も多くいます。カメラを向けると、こちらが不思議になるほど頑なに、写ることを嫌がる子がいます。

お母さんの精神状態が悪く、いくども交流がキャンセルとなり傷つき「どうせ自分なんて」と期待をしなくなった子がいます。彼らが「いまのままの自分でここにいて、生きていていいんだ」と、心から思える瞬間が生まれることこそが、社会の希望だと信じています。

子どもNPOセンターは、福岡市と共働して進んできた15年の実績で培われたネットワークの力を生かし、千賀選手・甲斐選手とご支援いただいた皆様の想いに応え、このことをきっかけに、福岡の子どもたちの様々な権利を持続可能な形で保障するための、一歩進んだ仕組みづくりにつなげたいと思っています。両選手、そして社会的養護に関わる多くの人々や児童相談所の人たちと一番、いい方法を作っていきます。

ぜひ、最後の最後まで、プロジェクトの応援をよろしくお願いいたします！