大と福――ふたりが運んできた、本当の幸せ

「猫を飼ってくれてありがとう」

その一言に、すべてが詰まっていました。

学校でつらいことがあった日、娘さんは何も言わず、大と福をぎゅっと抱きしめていたそうです。

言葉にできない思いも、ふたりのぬくもりに溶かして、また次の日へ進む力に変えていたのでしょう。

「私がお願いして飼ってもらったから、私がちゃんとお世話するね」

そうお母さまに伝えてくれた娘さんの言葉に、胸がいっぱいになったといいます。

夜勤を終えて帰ってきたお母さまを、ふたりは静かに出迎えてくれる。

疲れた心にそっと寄り添ってくれる――

「この子たちがいてくれるだけで、毎日が違うんです」と笑って話してくれました。

小学生と中学生のお子さんがいるこのご家庭。

それでも迎えたのは、子猫ではなく成猫。

その理由を聞いたとき、お母さまは優しく言いました。

「大と福みたいな子たちのほうが、うちには合っていたと思います。

落ち着いていて、静かで。すっと、家族のなかに溶け込んでくれて…」

大と福。

名前のとおり、ふたりはこの家に、“大きな幸せ”と“深い福”を運んでくれました。

猫が人を幸せにする――

そのことを、まっすぐに証明してくれたご家族と、ふたりの猫たちに、心からありがとうを伝えたいです。

次回は、ラブリが迎えた新しい未来への第一歩のお話です。ぜひ、ラブリを見守ってください。