沢山の御支援をありがとうございました
当会は、「犬猫の殺処分ゼロ!」を目指し、2008年より愛知県豊橋市を拠点に、主に、行政(豊橋市保健所や愛知県動物愛護センター)から犬猫の引き取りや、犬猫の里親さん探し、地域の野良猫のTNR(不妊去勢手術して元居た場所に戻す)活動を行っています。
全国の犬猫の殺処分頭数は年々減少していますが、2023年度より、高齢・病気・怪我などが理由で殺処分になる「『本当に』行き場のない犬猫の引き取り」枠を設けました。行政からは一般譲渡されず、ボランティア団体にも引き取られにくい犬猫達が対象です。ここを引き取っていかないと殺処分がゼロにはならないと考えていました。その際には、READYFORさんにて「約150頭の犬と猫に、新しい家族を!」と称して、クラウドファンディングを行いました。今回は、今までの活動だけではなく、「『本当に』行き場のない犬猫の引き取り」枠を継続するためにも、皆さまにご協力をお願いし、沢山の方々が賛同して下さいました。コメントのお返しが間に合わなかった方々にも心より御礼申しあげます。
今回のプロジェクトを始めた際には、既に以下の犬猫達を引き取っていました。

酷い皮膚炎と腎不全になっていた老犬「ボア♂」。現在、腎不全の対症療法として、毎日の処方食と1週間に一度の点滴が必要ですが、元気に過ごしています。皮膚炎もかなり落ち着いて、皮膚炎特有の臭いもおさまってきています。

引き取った時には、酷い貧血がありフィラリアが陽性だった「アクア♂」。親指が化膿しているために、犬にはとても珍しい親指の切断手術をしなければなりませんでした。現在では、別の指が化膿するため、また外耳炎にもなりやすく、通院が続いています。

事故に遭い右手に麻痺が残り、風邪が慢性化していて、殺処分になる寸前だった子猫の「のん♀」。その後、エイズキャリアだと分かり、里親さんが見つかることはないだろうと思っていましたが、3月に幸運にも家族ができました。
その後、「『本当に』行きい場のない犬猫の引き取り」枠として、以下の猫たちを引き取りました。

(行政に保護されている時の写真です)
黒猫の飛雅(ひゅうが)♂
キジトラの風雅(ふうが)♂
行政にいる猫の中で、一番ビビリな猫たちで困っていたそうです。
行政での引き取りが増え保護スペースが無くなると、殺処分候補になってしまいます。

(行政に保護されている時の写真です)
鐘雅(べるが)♂
飛雅♂と風雅♂と同じ家から行政に殺処分を依頼されました。
行政では一緒のケージにおらず別棟にいて、お互いに忘れている可能性があったために、すぐに同居させられず時間差の引き取りになりました。
持ち込まれた当初には素手で触ることができず、職員さんが触ったところ、職員さんが怪我をするほどの抵抗をしたために行政でも困っていたようです。

3匹は、飼い主が施設に入り、同居していない家族が持ち込んだそうです。
家族では猫の情報が全く分からず、性別も年齢も去勢の有無も分かりませんでした。
診察したところ、去勢手術でさえ施されていませんでした。
飼い主が何歳で施設に入られたのかは不明ですが、少なくとも高齢者が後継人を決めずに若い猫を迎えたのだろうと思われます。
現在では必要な検査を終え医療を施し、預かりスタッフの家で3匹一緒に暮らしています。
行政から引き取りを始めた時から決めているのは、「同じ家から行政に持ち込まれた猫は、必ず一緒に引き取る」ということです。
同じ現場から来た猫は「慣れてる猫だけ引き取る」とか「決まりやすい容姿の猫だけ引き取る」ということはできません。
3匹が一緒に居る姿を見て、引き取って良かったと思っています。
しかし、人慣れが難しいために、現在のところ里親さん募集をする目処はたっていません。

リリーラ♀
行政から「譲渡が難しく(「殺処分になる」という意味)引き取ってほしい猫がいます」と連絡がありました。
右目は白濁して失明しており、両手に力が入りにくいため食事中に踏ん張ることができず、滑り止めのマットの上で食事をします。
「人慣れしていない」と聞いていましたが、ケージの中で逃げるものの威嚇はなく診察もできました。
譲渡は難しいかもしれませんが、歩行など生活に支障がないために、もう少し経過観察をし諦めずに里親さん募集をしたいと思います。
現在のところ、「のん♀」は運よく里親さんが決まりましたが、その他の犬猫達は里親さんが決まる可能性が非常に低いです。
どの犬猫たちも、終生飼育する覚悟で引き取りました。
1匹でも多くの犬猫に家族ができるように努力していきます。
現在でもブリーダーが廃業した現場から、絶える事なく猫を引き取っています。

ロシアンブルーのアルファード♂
風邪が原因なのか生まれつきなのかは分かりませんが、右目の眼球が少し小さめです。
また、風邪が慢性化していて完治は難しく、くしゃみが出たり、涙目になるときがあります。
風邪を引いてすぐに病院へ行き対処していれば、こんなことにはならなかっただろうと思います。
繁殖に使い金儲けに利用しているのに、まともな治療をしてもらえない。
同じ人間として、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
廃業している現場が複数あり、里親さんが決まり空きができ次第、次の猫を引き取って里親さん探しをしています。
まだまだ現場には多数の猫がいて、終わりは見えていません。
みんなに家族ができるわけではありません。
アメリカンショートヘアのリコ♀の場合。

FIP(猫伝染性腹膜炎)という病気を発症しました。
ある日、突然後ろ脚に麻痺が見られ起き上がれなくなり、動物病院はお休みでしたが急を要したので時間外で診察をお願いしたところ、FIPだと分かりました。
すぐに入院になりました。
その後麻痺が進み、自分で排尿できずに尿道にカテーテルを入れました。
写真はその頃のものです。
FIPは、数年前までは治療薬がなく、諦めて死を待つだけの病気で、神経症状が出るなどの残酷な病気でした。
何頭もの猫を、この病気で亡くしてきました。
しかし、ここ数年新しい薬が使えるようになりました。
非常に高額でしたが、リコ♀に使うと改善が見られました。
麻痺が無くなり、歩けるようになり排尿ができるようになり、10日ほどで退院できました。
現在は、その高額な薬と別の薬で調整しつつ、投薬を続けています。
投薬期間は最低2カ月です。
今でも尻尾は自分で動かせませんが、それ以外は普通に過ごしています。
FIPに完治はないですが、寛解を目指して頑張ってほしいと思います。
今回のプロジェクトは、2024年11月16日に終了し、49名の皆さまから手数料等を引いた602,352円がREADYFORさんから振り込まれました。
1年間に必要な経費は約400万円です。
医療費に充てさせていただきました。
以下、医療費の収支報告です。
4月 69,685円
5月 92,235円
6月 137,775円
7月 134,365円
8月 100,595円
9月 161,040円
10月 63,690円
11月 111,650円
12月 146,135円
1月 145,255円
2月 131,065円
3月 未定
2024年4月~2025年2月までの医療費の合計は、1,293,490円でした。
私が行政から引き取りを始めた10年以上前は、「成猫を引き取る=里親さんが決まらず終生飼育になる」という時代でした。
当初、成猫を引き取るには、今とは比べ物にならない覚悟が必要でした。
特に、「人慣れしていない」「怪我をしている」などの犬猫は殺処分対象になるのは当たり前でした。
今でも、そのような行政は多いだろうと思います。
「『本当に』行き場のない犬猫の引き取り」枠では、既に病気があると分かっていたり、人に懐く可能性がないと思われるなど、終生飼育をするつもりで引き取る命ばかりです。
行政で殺処分されたり、病気に亡くなるのを待つくらいなら、自分たちが看取りたいと思っています。
当会には、それができるスタッフばかりです。
そして、今こうやって行政に「どのような猫でも引き取ります」と言えるのは、皆様の応援やご協力があるからです。
ここ数年、医療費、フード等、すべてが高騰しています。
だからと言って、活動をやめることはできません。
賛同してくださっている方々も生活がある中、ご支援して下さったことに、改めて、あにまるあいず一同心より御礼申し上げます。
これからも全力を尽くしてまいりますので、今度とも、どうぞよろしくお願い致します。



















