エシカルペイフォワード 稲葉哲治さん
ネパールの女性は、木から落ちる。そして腰を痛めて、障がいが残る方もいる。

そんなお話しを、アンジャナさんから聞きました。

電気の供給が不安定なネパールでは、家事のため燃料として木を使うそうです。家事を担う女性たちは、家族がおきる夜明け前に木に登り枝を切るそうですが、暗いなかの作業で命綱もつけないため、落ちることもしばしば。そして腰を打ち、脊髄を損傷してしまうことがあるそうです。

このお話しを聞いたとき、どう考えるでしょう。

安定的な発電の仕組みを考える人、女性が危険な家事労働を担い続けることを疑問とする人、脊髄損傷を治す医療を志す人・・・、みんなもっともです。ではその中で、すぐできることは何かなと考えると、立ち止まってしまいます。

社会をよくしたいと望むとき、同じことが起こるかもしれません。

貧困や、紛争や、環境破壊はなくしたい。女性の地位も向上してほしいし多様性を認め合えるようにしたい。でもそれらの大きな課題にすぐに、直接的に働きかけることは難しいです。それでは、私たちは無力なのでしょうか。

アンジャナさんに、ネパールの女性たちが木から落ちて障がいを負わないために、どうしたらいいと思うか聞きました。

「知ればいい」「木から落ちたら怪我をする、そのことを知らないから」

そうアンジャナさんは言いました。みんな失敗するとどうなるのかを知らない。木から落ちるという失敗をしたとき、どうなると危険で、どうすれば大丈夫か、それを知ってもらうことが最初だし、すぐできることなのでしょう。

何かをすれば、必ず失敗をします。特に社会に向けた活動のような、答えもなければゴールもない、一つ解決すれば別の問題がでてくる果てしない取り組みに挑むなら、きっと日々が失敗の連続です。

でも私たちは、木に登らなくてはいけません。大きな課題が解決されたらいいのにと願って無力感に膝をかかえる暇があったら、自分にできる小さな行動を続けていった方がいい。そして木に登れば、必ず木から落ちます。

だから私たちは、いっぱい木から落ちなければいけません。

アンジャナさんと小嶋さんの、失敗をまとめた本を作る取り組みは、とても素敵で意義深いと思います。木に登り続けている人たちが、もっと木から落ちた話しを伝えあい励ましあうことができれば、何かに取り組もうとする人たちが勇気をもって挑戦できて、もし失敗してもにこやかに立ち上がれる、しなやかでしたたかな社会になるはずです。

「圧倒的な成功体験」より、「圧倒的な失敗体験」を。

アンジャナさん、小嶋さん、これからも一緒にたくさん失敗を続けていきましょう!(でもクラウドファンディングは大成功させましょう!)応援しています。

エシカルペイフォワードはこちら。
http://ethical-payfoward.jp

 

新着情報一覧へ