フィンランドで日本の木のおもちゃの魅力を伝えたい

みなさんこんにちは！

あと15日となりましたこのフィンランドおもちゃプロジェクトには、現在20名の方から58万5千円のご支援をいただき、支援総額が目標の117%に到達しました！これまでにいただいたご支援に、心より感謝申し上げます。

 

さて、今回はLahti（ラハティ）という、スキージャンプの大会や大きな湖で有名な街にやって来ました。その大きな湖の湖畔に「Pro Puu（プロプー）」という木に関する場所があると教えていただいたので、どんな場所なんだろうと想像をふくらませながら、このレンガの建物に辿り着きました。1924年に建てられたマッチ工場が、約100年後の今となっては木工の仕事を展示するギャラリーや実際に木工機械を動かす工房として現役で使われ、歴史を伝えながらたたずんでいていて素晴らしいなあと思いました。フィンランドではこういった素敵なリノベーションあちこちで見られ、私たちが将来常設の施設を構える機会をいただいたときにも、リノベーションで街の一角を盛り上げられたら嬉しいです。

 

1階には企画展示があり、私が訪れた日には、フィンランドの木のデザイナーYrjö Kukkapuro（イルヨ・クッカプロ）をテーマとした家具の展示がありました。木材を責任を持って大切に使うことは、彼のデザイン哲学である、エコロジー、人間工学、美学という 3 つの重要な基盤を表現するのに適していたそうです。冬期間ということで2階にある継ぎ手などの木の展示は閉まっていて今回は見られず残念でしたが、またここに来るきっかけができました。

 

 

併設されているショップには、たくさんの木工品が広い店内に展示されていました。本当に色んな方法で、木の良さを引き出す方がいらっしゃるんだなあと感心するばかりでした。私が長い時間立ち止まっていたのは、やはり木のおもちゃのコーナーです。先日工房を訪問したTuffan Puulelutさんのおもちゃや、私の好きな頭を使う木のパズルがあり、帰る頃にはお気に入りのおもちゃを1つ購入しました。家に帰って30分ずっと考え続けてパズルが解けたときに、枠にとらわれない考え方はいつも大切だなあと思いました。

 

なかには木のキノコもありました。花巻おもちゃ美術館で毎日遊んでいたキノコに似ていて、なんだかとても懐かしくなりました。フィンランドでは森でキノコ狩りの体験をしている方が多く、こちらのキノコを作った方はきっと自然とアイデアが出てきたのかもしれないですね。このデザイナーさんとも、今後ぜひ一緒に木の遊び場を作っていけたら嬉しいです。

 

このLahtiのVesijärvi（ヴェシヤルヴィ）という大きな湖の湖畔には、9つの国際的な賞を受賞した木造建築物が集まる「WOOD ARCHITECTURE PARK」があります。Pro Puuの館内には、その1つ1つの建築物についての小さな展示も設けられていました。

 

「WOOD ARCHITECTURE PARK」の1つには、日本の隈研吾さんがデザインした屋根付きのベンチがありました。この日は晴れていて、格子状になっている屋根や壁や座面から日の光がこぼれていてきれいでした。後ろに見えるレンガ造りの建物とガラス張りの建物は、「Sibeliustalo（シベリウスタロ）」というコンサートホールです。

 

こちらのレンガの建物も、昔は木材を水運で運んで集積した木材の工場だったそうです。Sibeliustalo内に展示してあった白黒の写真から、木材によって街が盛り上がっていった歴史に思いをめぐらせました。木造建築によって、現在もそういったことを伝えられるのは素晴らしいことですね。

 

Sibeliustaloのコンサートホールに入る手前の吹き抜けのホールに来ると、大きな木の下にいるように感じる大きな集成材の柱と、枝が伸びているように見える集成材の梁がどっしりと構えていました。このLahtiという街が木材の工場によって栄え、それによって崩れた環境のバランスを森と共に取り戻してきた、この場所らしいデザインがしっかりと形になっていました。

 

今回はいつもバスや電車で通り過ぎてしまっていた街で足を止め、ゆっくり時間を過ごすことで、この街の歴史や木との関わりを学ぶことができました。