【「応援合戦」と「応援」について】（後半）

冬の時代と一件のお問い合わせ。

2011年「Yell」の披露以降チームの活動は低迷期を迎えるのですが、2012年夏、YouTubeで動画を見てくださった福島市の介護施設職員の方からのお問い合わせがきっかけとなり小さな交流が生まれました。

その職員の方からは、私たちの作品を通じて施設利用のおじいさんおばあさんたちに元気を伝えたいので楽曲と振り付けを夏祭りでお借りしたいと、大変嬉しい内容のご相談でした。本当なら直接演舞を届けに行きたいところでしたが、この時ばかりは活動もままならない状況で、作品をご提供させていただくに止まりました。その後、夏祭りの様子をDVDにして送ってくださり演舞を拝見したのですが、振りは荒くとも一所懸命に踊る姿は私たちの原点に返ることを教えてくださっているようで、活動を諦めなければいけないかもしれないと弱気になっていたところ、いつの日か御礼とともに演舞を届けるまでは絶対にやめられないと心に誓い直した瞬間でした。

 

福島へ。
そしてその後ようやく学生メンバーの参加が増えてきたことで福島遠征の話が現実味を帯びてきました。施設側に慰問の相談を入れ、2013年11月。ついに施設への慰問が実現することとなりました。

披露する演舞のプログラムを検討するにあたり問題となったのは、あの「Yell」を出すかどうかでした。長く所属するメンバーからは複数曲仕込む中で中途半端に扱うべき作品ではないとの意見が出ましたが、それ以上に学生メンバーの強い想いと練習スケジュールの見直しを経て、ついにプログラムに組まれることになりました。

行くまでは、私たちの演舞がどう受け止められるのかわからず正直不安でした。それでもとにかく行くと決めた以上、僕らの演舞を使っていただいた感謝の気持ちと、僕らの演舞を通じて何か前向きな気持ちになってもらえたらということだけを考え、一路福島へと向かいました。

 

そして会場となった施設のホールには利用者の方とスタッフの方に大勢お集まりいただき、私たちの演舞をご覧いただくことができました。最後の曲には、あの2011年以来となる「Yell」も披露することができました。

 

感動の共有体験。
嬉しいことにアンコールまで頂いたステージ終了後、利用者の方がメンバーに握手を求めてきてくださったこと、普段太鼓の演奏があっても反応がないような利用者の方が釘付けになって首を振っていたと話してくださったこと、そして代表の方の「ありがとう、感動した」と熱い御礼のお言葉と堅い握手。短い時間の中で書ききれないほどの温かい交流と感動が生まれ、そしてまた私たちも自然と目に涙があふれそうになりました。そして元気を伝えに来たはずが、逆に多くの励み、元気をもらうことになりました。

受け入れてくださった施設長からのお話の中で、介護と応援の共通項として、相手にどう伝わるか、伝わっているかは正直わからないけど、伝わることを信じてやり続けることが大切だということを教えていただきました。

 

 

 

応援合戦は、誰かの力になる。


もともとは地元の高校で踊っていたひとつのパフォーマンスかもしれません。それでもこの遠征を経て、応援合戦は本当の意味で「応援」になり得ることを知りました。メンバーと共有したこの経験から、応援合戦を通じて元気や勇気、そして感動を伝えていくことこそが、我無沙羅のすべき使命とし、チームコンセプトの一つ目に据え今に受け継がれています。

 

 

 

だからこそ、

これだけの想いを込めて踊る応援合戦を

もっと多くの人に見てもらいたい。

一人でも多くの方にこの取り組みを知ってもらいたい。

 

そのためにも、応援合戦を世界の舞台で。

どうかご支援のほど宜しくお願い致します。

 

青春応援団 我無沙羅

代表　杉浦哲弥