【水・衛生問題】下水管を設置し、ガザの子どもたちを守りたい！

8月17日に投稿した新着記事でご紹介したセーラムさん（当時13歳）の母親レイラさんにもベイト・ラヒヤの生活について話を聞きました。

 

 

「私には4人の子どもがいます。3人の息子と、すでに結婚している1人の娘です。ここに住んでいるのは夫を含めて家族5人で、セーラムは末っ子です。

 

2014年の紛争は、彼にとても強い影響を与えました。それまでは何の問題もありませんでしたが、おねしょをしたり、爪を噛んだり、不安な様子が多く見られるようになりました。大きな音にとても敏感になり、ただの花火だとわかっていても、不安になって、耳を塞いでしまいます。

 

このような彼の姿を見るのは、私たちにとって非常に辛いことです。最初はどう対処したらいいのかわかりませんでしたが、医療センターに連れて行き、精神科医の診察を受け、治療とアドバイスを受けました。今では、どのように彼をサポートすればよいのか理解できるようになり、ずいぶん良くなりました。

 

ガザ地区は封鎖されているため、生活のすべてが困難です。電気や安全な水といった基本的な生活インフラが整っていないし、子どもを遊びに連れて行きたいと思っても、どこに行けばいいのかわかりません。どこもかしこも危険なのです。尊厳を持って生活することはできません。ここでは封鎖の影響で、すべてが困難だということは断言できます。壁が築かれる前は、子どもたちを大学に通わせて学費を払うことができたし、水や電気もありました。今のような苦しみはありませんでした。 

 

2014年の紛争は非常に厳しいものでした。長い間、50人で1つの部屋を共有していましたし、近所には常に砲撃が続いていました。隣人の家も破壊されてしまいました。ある朝、目を覚ますと家の中に不発弾が落ちていましたが、私たちが寝ている間に落ちたのでしょう。いつ爆発してもおかしくない状態だったので、とても怖かったです。慌てて専門の処理隊に連絡し、撤去してもらいました。後で聞いたところによると、不発弾を運ぶ場所の途中で爆発したそうで、悲しいことに、この爆発で何人かの人が亡くなったそうです。

 

封鎖が終わって、若者たちが仕事を見つけられるようになってほしい。苦しみや貧困が軽減されることを願っています。私たちの子どもたちが平和に暮らせるように。アッラーが私たちを自由にし、他の国の人々のように良い生活ができるように助けてください。また、セーラムが教育を受けて希望する数学の教師になれるように、彼がなりたいものになれるようにと願っています。」
※このインタビューは2018年9月17日にパレスチナ自治区ガザ地区のベイト・ラヒヤにて行われたものです。

 

 

 

＜セーブ・ザ・チルドレンの支援活動＞
ガザ地区での暮らしは、最低限の生活インフラが整っていないうえ、子どもたちの心身ともに健康な暮らしや成長を脅かす状況が長く続いています。支援すべき領域は多岐にわたりますが、私たちは今回の支援活動を通して、ガザ地区北部のベイト・ラヒヤにおいて1万人（1,667世帯）が居住する地域の、下水および雨水の排水不良をなくしたいと考えています。

 

また、現地での電力供給が安定的でないことや再度衝突が発生する可能性に備えるため、電気や機械駆動への依存度が低い下水管を新たに設置します。そうすることで、今後の衝突による被害の最小化を図りたいと計画を立てています。

 

 

＜現地の子どもたちへの支援活動＞
また、今回のクラウドファンディングで行うプロジェクトとは別に、次のような支援活動を予定しています。

 

・個別支援：
心理的な支援が必要な子どもに対し、専門知識をもつケースワーカーがケアします。

・レクリエーションの実施：
遊び場が限られている子どもたちをサマーキャンプなどの実施で支援します。

・不発弾に対する啓発活動：
より安全に暮らすための啓発活動を行います。

 

健康で、環境へのリスクと不安のない暮らしを実現するために、皆さまに本プロジェクトの一員となっていただきたく、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。