このプロジェクトでは継続的な支援を募集しています
「なまけものの通りみち」となる生物回廊農園を共に作り育てましょう!

プロジェクト本文
▼野生のいきものと人間が共生する新しい形「生活回路の農園」づくりを目指して
みなさん、はじめまして。
一般社団法人コスタリカ社会科学研究所・代表理事の足立力也と申します。
このプロジェクトは、中米・コスタリカ共和国に「生物回廊農園」を作ろうというものです。
「生物回廊」とは、「いきものの通りみち」という意味です。コスタリカにはたくさんの自然保護区があり、生物の多様性は世界でも有数です。しかし、それらの保護区の間は人間の活動領域で分断され、いきものたちがその間を行き来するのは困難をともないます。
生物の多様性が豊かであるということは、いきものの種類がたくさんあるということですが、一方でそれぞれの種あたりの個体数が少ないということも意味します。そのため、野生のいきものたちが棲息域を拡大できる状態を作らないと、絶滅に至ることもあります。それは、小さな虫からジャガーのような大型哺乳類まで同じです。
<農園の中を移動するナマケモノ>
人間が、生活や経済活動のために道路を一本舗装するだけでも、いきものたちの移動がはばまれ、エコシステムが分断されます。生物回廊は、その逆のイメージです。つまり、植林によっていきものの通りみちを「逆舗装」して、人間だけが活動することで分断してきたエコシステムをつなげていこうという試みなのです。
野生のいきものたち同様、私たち人間にも、生活や経済活動のため、一定の広い領域が必要です。そこで、「人間が生活や経済活動をしながら、いきものたちの移動もできる場所」を作ろうというのが、<生物回廊農園>というアイデアです。森を人間の生活や経済活動が維持できる農園の形にすれば、あらゆるいきものが共に生きられる場所となります。そこに、自然保護区と農園を統合した、まったく新しいかたちの自然共生区域が誕生するのです。
このプロジェクトは、みなさんに、そこに植える木の「里親」として支援していただこうというものです。なぜ支援をしていただきたいのか、以下でご説明いたします。
<コスタリカ全図とトラピチェ統合農園の位置>
▼トラピチェ統合農園の発祥と存続危機
実は、そんな試みをすでに始めていた家族が、コスタリカ北部にいます。ニカラグア国境にほど近いトルトゥゲーロ国立公園に隣接する「トラピチェ統合農園(Finca Integrada Trapiche)」の入植者たちです。
国立公園(=自然保護区)内には、非常に希少なジャガーをはじめ、ホエザル、ナマケモノ、ハチドリ、ヤドクガエル、ハキリアリなど、数えきれないほどの野生のいきものたちが保護されています。しかし彼らは、保護区の外に出ることができません。
<トラピチェ統合農園のクリスティアンとニディア>
「トラピチェ(Trapiche)」とは、コスタリカの伝統的なサトウキビ圧搾機のことです。昔は牛馬を使って心棒を回していましたが、現在この農園では人力で動かしています。「素朴さこそ豊かさ」だという価値観を持つコスタリカ人らしく、伝統的生活を送ることに誇りと幸せを感じています。だから、農園にその名前をつけました。
「統合(Integrada)」という概念は、コスタリカでよく聞く言葉です。「ありとあらゆる価値が相互に関連しあってひとつの大きな総体となる」ということです。農園でいえば、人間と作物や家畜だけがあるのではなく、土があり、木があり、草があり、哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類などがいて、虫たちもいて、ミミズやら菌類やら……。そこにいる命の数はきりがないほどです。それらすべてを同じ重さを持つ命として受け入れ、尊重し、相互に連関しあいながら生きていく価値観の中に農園がある。
それが、「トラピチェ統合農園」という名前の意味なのです。
<「なまけものの通りみち」プロジェクト発足に合意したクリスティアンと足立。左手に見える機械がトラピチェ。上の心棒を回して2つのドラムを回し、その中にサトウキビを差し込んで圧搾する。その搾り汁はそのままサトウキビジュースとなり、煮詰めれば手作りキャラメルもできる>
ですから、ここでは、一般的な農業スタイルのように同じ場所に同じ種類の作物だけを植え付けるのではなく、数種類の作物を混ぜ合わせて栽培します。また、農薬や化学肥料を使わず、伝統的な農法で作物を育てています。そうすることで、農園は健康な自然林のようになります。つまり、隣接する国立公園(自然保護区)から外に出にくかったいきものたちが、農園の中にも棲息域を広げていけるのです。同時に、農作物の品質も高く保つことができます。
実際、毎年足立が日本の皆さまをご案内するコスタリカツアーでこの農園を訪れた時、彼らが栽培・加工したコショウをツアー参加者に試食していただいたところ、エグみのない深い辛味が大人気で、皆で在庫をすべて買ってしまったほどでした。その独特で意義深いコンセプトから、タレントが現地を訪れる形の日本のテレビ番組で紹介されたこともあります。
しかし、農作物は市場価格が安定せず、豊作貧乏に陥ることもあります。実際、このコショウが価格暴落のため、耕作を断念する事態に追い込まれました。足立がその後数度現地を訪れて聞き取り調査をした結果、品質もよく、環境負荷も低く、それどころか地域の生態系を回復させるのに重要な役割を果たす「森の農園」を維持するのは経済的にたやすいことではないということがわかってきました。
<トラピチェ統合農園で栽培されていたコショウの実>
私たちコスタリカ社会科学研究所は、「この農園を支えることは、周辺の自然環境回復を支えることであり、ローカルコミュニティを支えることでもあるため、支援する大きな意義がある」と判断しました。そこで、当研究所が日本で資金を募り、生物回廊農園の拡大に協力することにしました。それが、この「なまけものの通りみち」プロジェクトです。
▼「苗木里親制度」で生物回廊農園を広げよう
2022年2月8日、別途案件でコスタリカに出張していた足立がトラピチェ統合農園を訪れて植樹祭を開催し、ついにこのプロジェクトがスタートしました。
少しずつ皆様のご支援が広がったおかげで、16株からスタートした苗木は9月15日現在で約50本に達しました。一本ずつ、トラピチェ統合農園の家族が大切にお世話しております。その様子は月に1回Facebook上で、また随時当プロジェクト専門YouTubeチャンネル「けもみちチャンネル」で報告しており、成長の早い熱帯で育つ木々がぐんぐんと大きくなっているのがわかります。
<2002年8月末、プロジェクト開始から半年後の様子>
しかし、木を1本植え、育てるにもコストがかかります。また、現地の人びとと私たちの間には大きな経済格差があります。そこで、このプロジェクトの運営を日本から私たちが支えることで、南北問題をもグローカル(グローバルかつローカル)に超えていくことも、テーマとして設定しました。
そこでみなさんに、コスタリカの生物回廊農園に植え、育てる木の里親になっていただきたいのです。一本一本、ひとりずつの出資で木を植え、成長する過程を共有し、いきものたちがともに住み、あるいは通り過ぎる農園をつくっていきませんか?
<左からカカオ、バニラ、コショウの順に苗を植え付け中。奥の森に住むナマケモノが遊びにくる農園を目指して!>
支援方法は、いわゆるサブスク(月極料金制)方式です。本プロジェクトでは現在、カカオ、コショウ、バニラの3種類の木を用意しています。皆様から月々お支払いいただく資金で、トラピチェ統合農園の人たちによる木々の植え付けとメンテナンス費用を賄います。現地からは、みなさんが里親になった木の成長記録を月々報告してもらい、「なまけものの通りみち」の成長を、日本とコスタリカで共有していきます。
お申し込みいただいた段階で、苗木を購入し、それを植え付けます。苗木の前には、みなさまのお名前を記したプレートを設置します。そのことで、毎月自分の里子の木がどれくらい、どのように成長したかが写真付きの報告によってわかるという仕組みです。月々お支払いいただくお金から、有機・非化学原料の肥料や害虫忌避材の製造もしくは購入費、木々の手入れの人件費など、継続的にかかるコストをカバーします。
収穫物の売却益は現地の方々の収入源となりますが、出資者の皆さんが実際に味わえる機会も将来的には作っていければと考えています。が、それぞれの種の初収穫までには2年ほどかかりますし、検疫や加工・運賃など別途手間とコストがかかります。当面は、毎月の現地からの報告をお楽しみください。
まずは1区画分の100本を第一期とし、その区画をカカオ、バニラ、コショウで埋め尽くすことを目標にしています。その区画が埋まれば、順次拡大を続けていく予定です。すでに一定の土地は確保してあります。さらには、コミュニティの近隣農園とも連携していくことで、現地と話し合いを続けています。
ここは文字通り、「なまけものの通りみち」になっている場所。もしかしたら、みなさんの木にも通りかかる姿が報告されるかもしれません。
<初植え付けから1ヶ月後の様子>
▼このプロジェクトのゴール
このプロジェクトは、以下のようなゴールを掲げています。
・コスタリカに「生物回廊」(自然保護区と自然保護区をつなぐ、野生生物の通り道)をつくる
・原生種による植栽を中心とし、切り開かれた熱帯林をもとあった自然に近い形に戻していく
・混栽農園を広げ、森をメンテナンスする人たちがともに生活を維持できるようにする
・現地の人たちが先祖代々受け継いできた、伝統的で環境負荷の低い自然共生型の暮らしを引き継げるようにする
・二酸化炭素の吸収量が排出量を上回る暮らしをつくることで、気候変動対策に貢献する持続可能なコミュニティをつくる
・南北間格差の是正に貢献する
みなさんに農園の木の「里親」になっていただくことで、生物回廊農園をともに広げ、これらのゴールを目指したいと考えています。なにとぞサポートをよろしくお願いいたします。みんなで「なまけものの通りみち」をつくっていきましょう!
▼コスタリカ社会科学研究所とは
本プロジェクトを企画するコスタリカ社会科学研究所は、2019年に創設された、中米・コスタリカ共和国を対象とする学術研究型の一般社団法人です。軍隊を放棄した平和主義的な「丸腰国家」から、再生可能エネルギーによる発電をほぼ100%達成した環境主義的な「持続可能国家」へと変貌を遂げつつある中米・コスタリカ共和国の姿を、統合的に研究しています。
これまでは政治や社会、経済、文化、教育などに関して、主に平和学的な視点から研究してきましたが、現在ではこれに加えて、環境やエネルギーに関して、持続可能な社会構築という観点から研究を進めています。
本プロジェクトでは、企画・コーディネートなどを担当します。本企画において当研究所が必要とする送金手数料などの各種費用も、サブスク金額に含まれます。
▼当研究所のミッションと活動内容の紹介
当研究所は以下のようなミッションを掲げています。
1.コスタリカに関する調査・研究を通じて持続可能で平和な社会のあり方を考え、広める
2.学術的立場から、人文・社会科学諸分野の知見を深め、広げる
3.日本とコスタリカの交流を促進する
4.既存の企業や団体、組織などの平和的な転換を通じて、経済・社会の平和化に貢献する
これらに従って、当研究所はこれまで
・コスタリカ共和国に関する社会科学的な研究とその成果の発表
・コスタリカ社会科学研究所資料室の構築(コスタリカに関する本、論文、一次資料の収集と整理)
・コスタリカや平和学などに関する講演・執筆事業・コスタリカへのスタディツアー
などを行なってきましたが、このたび、研究者(観察者)としての立場から一歩踏み込んで、コスタリカの「持続可能な社会構築」の現場に関わることにしました。
それがこの「なまけものの通りみち」プロジェクトです。
▼リスクについて
一本単位で枯れたり病気になったりなどした場合は、苗木そのものを無償で植え替えます。その際、その木の里親の方にご報告いたしますが、付加的な追加費用をお願いすることはありません。それ以前と同様・同額で、ゼロからのスタートに引き続きご支援いただければ幸いです。
<留意事項>
・ご支援にあたり、利用可能な決済手段はこちらをご覧ください。(リンク)
・本プロジェクトでは、お1人様1コースへの支援となります。複数コースへのご支援は出来兼ねますのでご了承ください。
・本プロジェクトでは、毎月の継続的なご支援を募集しています。初回ご支援時に1回目の決済が行われ、翌月以降は毎月10日に決済が行われます。ご支援に関するご質問は、こちらをご覧ください。(リンク)
・ご支援確定後の返金は、ご対応致しかねますので何卒ご了承ください。翌月以降のキャンセル(解約)については、こちらをご覧ください。(リンク)
・コースを途中で変更することはできません。お手数をおかけしますが、一度支援を解約していただき、ご希望のコースに改めてご支援ください。支援の解約方法は、こちらをご覧ください。(リンク)
・ ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。
- 寄付金が充てられる事業活動の責任者:
- 一般社団法人コスタリカ社会科学研究所
- 団体の活動開始年月日:
- 2019年8月28日
- 団体の法人設立年月日:
- 2019年8月28日
- 団体の役職員数:
- 5〜9人
活動実績の概要
コスタリカ共和国に関する社会科学的研究(直近のテーマ:コスタリカにおけるエネルギー事情を中心とした持続可能な社会構築。継続中) ハーバービジネスオンラインに不定期連載寄稿(代表理事ー終載) コスタリカに関連する資料室の立ち上げ コスタリカへのスタディーツアーの企画・催行 など
プロフィール
一般社団法人コスタリカ社会科学研究所です。
コース
1,000円 / 月

カカオ1株
・里親になっていただいた株の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
1,000円 / 月

コショウ1株
・里親になっていただいた株の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
1,000円 / 月

バニラ1株
・里親になっていただいた株の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
3,000円 / 月

カカオ・コショウ・バニラ3種セット
・カカオ・コショウ・バニラ各種一株ずつ、合計3株のコースです。
・里親になっていただいた木の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
5,000円 / 月

5株おまかせセット
トラピチェ統合農園に、全体の植生バランスに基づいて植える株の種類を選んでもらい、合計5株植え付け・育成していただきます。
・里親になっていただいた株の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
10,000円 / 月

10株おまかせセット
トラピチェ統合農園に、全体の植生バランスに基づいて植える株の種類を選んでもらい、合計10株植え付け・育成していただきます。
・里親になっていただいた株の成長記録を現地から毎月ご報告いたします。報告はFacebookの本プロジェクト専用非公開グループでさせていただく予定です。Facebookアカウントをお持ちでない方は、別途ご相談ください。
・あなたのお名前(本名でなくて結構です。ただしアルファベット表記になります)のプレートを作成し、植える株に掲げます。
プロフィール
一般社団法人コスタリカ社会科学研究所です。