シリア難民の子どもたちに表現の場とつながりを提供したい

寄付総額

4,411,000

目標金額 2,700,000円

寄付者
355人
募集終了日
2020年12月25日

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2024年12月23日 19:49

アサド政権崩壊後のザアタリ難民キャンプ

 2020年、コロナ禍の難民キャンプでの教育をご支援くださった皆様へ

 

 コロナ禍、閉鎖されたキャンプの中、学校が閉まったことで教育へのアクセスが難しくなったシリア難民キャンプの子どもたちへご支援いただき、誠にありがとうございます。

 皆様のおかげでクラウドファンディングが達成し、4年前に学校との繋がりを持ち続けた子どもたちへの事業を、私たちは現在も続けています。

 

2024128日、シリア国内と同様、ザアタリ難民キャンプもまた、喜びの空気にあふれていました。大きな商店街のある通りには人が集まり、「政権は崩壊した!シリアは自由だ!」というシュプレヒコールが響きます。

 子どもたちが毎日通う学校でも、8日は興奮気味な男子生徒が学校周辺に集まって祖国で起きた出来事を喜んでいました。

 

 ご存知の方々も多いかと思いますが、この日、54年の間シリアで覇権を掌握していたアサド政権が倒れました。そして、政権、反政府の対立に端を発して13年もの歳月続いたシリア紛争の状況も大きく変化することとなりました(アサド政権は崩壊しましたが、紛争の状態を長引かせるさまざまな干渉国やグループは現在もシリア国内にいます)。

 

 

 難民として隣国に逃れ、いつまたシリアに戻れるのかまったく見当もついていなかったシリア難民の人々にとって、この政権崩壊は、願い続けた夢が叶うという希望が生まれる瞬間でもあります。

子どもたちにとっても、空を掴む夢物語のように思えたシリアへの帰還が現実的になり、子どもたちの心は希望に満ちています。今の子どもたちの気持ちを訊いてみました。

 

「とても喜ばしくてうれしい。シリアの不正義がまかり通る状況から一変したことで、シリアとともにいるわたしたちの思いもより強く、嬉しくなった」(ナガム・アラ・アルディン;10年生)

「今までずっと待ち侘びてきたから、本当にうれしい。(政権崩壊は)とても美しい出来事です。家族中がうれしくなって、外の行進に参加してその幸せな気持ちを表現してきました」(アヤ・アラ・アルアリ;8年生)

「うれしくて鳥肌がたった」(アリ;9年生)

「やっと祖国が自由になって、とてもうれしい。犯罪者たちが国から出て行ったのは喜ばしいこと」(オマル;7年生)

「前政権がなくなり誰もが家に帰れることがうれしい。過去はいつも恐怖を感じなくてはならなかったけれど、今ではシリア内も移動できる」(ムハンマド;9年生)

「私たちがみんな安全に家に戻れるなんてとてもうれしい」(ビラール;7年生)

 

インタビューに答えてくれた男子生徒、右からビラール、ムハンマド、オマル、アリ
インタビューに答えてくれた男子生徒、右からビラール、ムハンマド、オマル、アリ

 

 話をしてくれた子どもたちはみな、喜びを口にしていました。

 そんな子どもたちの様子を学校で見守るヨルダン人の先生たちも、祖国へ帰り国を再建するという目的を持った笑顔に輝く子どもたちが勉強をしようという気持ちになっている、と子どもたちの変化を語っています。

 

 同じシリア人として、子どもたちを学校で教えてきたシリア人の先生たちは、自らも難民として自分の子どもを育てながら、学校でシリア難民の子どもたちを見てきました。

 「私の子どもたちは、夫が喜んでいるのを見て、喜んでいます。けれども、その詳細をわかっていません。だから、子どもたちはわたしに“誰が誰を自由にしたの?”と尋ねてくるのです。パレスチナのことはよくわかっていても、祖国シリアで起きていることはわかっていないのです。シリアで何が起きていて、どうしてこれほど嬉しいのか、わたしと夫は今やっと、子どもたちに説明できるようになりました」(女子シフト/フィダ・ミクダッド先生)

「以前はどんなことも非人道的で屠殺するモンスターのするような政権だったから、今のシリアに生徒たちはとてもよろこんでいます。私はもう67歳ですが、政権が倒れるまで生きられないだろうと思っていたので、今の状況が信じられません」(男子シフト/アブ・ムハンマド先生)

 

 そして、子どもたちに伝えたいことは何ですか?という問いに、シリア人の先生たちは以下のように話をしてくれました。

「人種や宗教の違いを、子どもたちには克服して欲しいと思っています。悲観的なことではなく、楽観性や教育など明るいことを子どもたちには広めていきたいです。過去に起こっていたことを想像することが難しい子たちには、明るいことへ目を向けて欲しいからです」(男子シフト/アブ・ムハンマド先生)
「他者ほど大切な人はない、だから偏見や差別ではなく、他者を愛すること。そして、人としての尊厳がこの世で一番重要なことである、ということ。私たち家族は、自分たちの尊厳を守るために国を離れましたが、自分たちの尊厳は国の尊厳であること、自分たちのアイデンティティ、それは国それ自体であること、を私たちは知っているのです。宗派、その他の違いを乗り越えなくてはなりません」(女子シフト/フィダ・ミクダッド先生)

「私たちの過去の過ちを繰り返してはいけません。わたしたちは今までの為政者たちに“あなたは永遠のリーダー”と言い続けてきました。(その為政者たちがいなくなった今)次の世代のために、国のルールを作るような責任を持てる人物を選ぶための知識、認識を持っていなくてはなりません。どんな時でも国民に教育の機会を作り、自由に意見を言える環境を作る人物が、責任ある人物なのです。」(女子シフト/ファーディア・アルハティーブ先生)

 

 大人たちは、十数年の、もしくは54年という年月の間、叶えられなかったたくさんの願いを子どもたちに託しているように思えてくる言葉ばかりでした。

 

 では、キャンプで育った子どもたちは、キャンプの中で何を学び、その学びをどのように活かしていこうとしているでしょうか。

「誰かに何かを読んで欲しい、とお願いされたら、読んであげられるようになります」(アリ;9年生)

「ここで学んだ勉強をこれからも続けていきます、それから、人をいじめたりしません」(オマル;7年生)

「自分に子どもができた時、質問に答えられるように、教えられるようになります」(ムハンマド;9年生)

「シリアに戻った時、どうやって移動をするのかなど、自分のことをきちんと管理できる人になることを、学びました」(ビラール;7年生)

 

 ご支援いただいた時から4年を経て、勉学を続けてきた子どもたちから、このような言葉が出てくることを、本当にうれしく思っています。

 しかし、キャンプの住む難民の人々がすぐ、シリアに戻るわけではないことも、キャンプに住む人々の声から見えてきました。13年続いた紛争のためにシリア貨幣の価値は暴落し、物価高で日用品も容易には手に入らない状況となっています。また、新たにシリアを治める政権がどのような統治をするのか、日常生活が送れるぐらいの治安が保たれるのか、家屋が倒壊している家族は住む家をどうするのか、帰ってすぐ仕事は見つかるのか。

いざ戻ることが現実的に考えられるようになると、このような課題もまた、見えてきます。

 

 多くの子どもたちが抱き続けてきた、祖国へ戻るという夢が叶った時、難民キャンプでの生活での学びが生きていく糧になるよう、これからも事業を続けて参ります。

 

国境なき子どもたち(KnK)

松永 晴子

ギフト

3,000


「知る」支援

「知る」支援

KnKの書籍『わたしは13歳、シリア難民。 ──故郷が戦場になった子どもたち』1冊をお送りします。(国境なき子どもたち著/2018年 合同出版)

【注】寄付金控除対象外となります。

申込数
102
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年2月

5,000


★5,000円支援コース:ご支援の多くがシリア難民キャンプの授業運営に使われます

★5,000円支援コース:ご支援の多くがシリア難民キャンプの授業運営に使われます

■松永と子どもたちからサンクスレター(デジタル)をお送りします。

★本コースは寄付金控除の対象となります。寄付受領証明書の発行は、2021年2月10日付けとなります。

申込数
119
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年2月

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「知る」支援

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