動物霊園で遺棄された可能性の高い高齢猫…

先日、京都市左京区の北白川仕伏町（北白川動物霊園に向かう道沿い）で、行き倒れていた猫を通行人の方が見つけ、「助けてあげたい」と連絡をくださいました。

その猫は麦わら模様の長毛の女の子で、左耳にはさくら耳（不妊去勢済みの印）がありました。

発見時の体は毛玉だらけで、痩せ細り、立っているのもやっとの衰弱した状態でした。

京都どうぶつあいごの会に来る前に、近隣の動物病院で診察を受け、検査と点滴、抗生剤とステロイドの投与といった初期医療を受けさせていただきました。

今後も回復のためには継続的な医療とケアが必要です。

今回猫が見つかった場所が動物霊園の近くだったことから、「遺棄されたのではないか」という疑念も拭えません。過去には人間の火葬場で猫が捨てられていたケースもありました。

一方で、左耳にカットがあることから、地域猫として一度は不妊手術を受け、地域で暮らしていた可能性もあります。

どちらであっても、人の手から離れた動物が路上で生き延びるのは過酷です。食べ物を探してさまよい、衰弱し、行き倒れてしまう現実があります。

この子について、もし北白川周辺で見かけたことがある方や、地域でお世話をされていた方がいらっしゃれば、ぜひ情報をお寄せください。過去の経緯を知ることは、今後の治療やケア方針を決めるうえでも大切です。

今回の保護を通じて強く感じたのは、市民の方々の意識の高まりです。数年前であれば「野良猫だから仕方がない」と見過ごされてしまったかもしれません。しかし今は「なんとか助けたい」と思い、通報をしてくださる方が確実に増えています。

最近では、観光で京都を訪れた方からのご連絡も多くなってきました。旅行中に衰弱した猫を見かけ、「放ってはおけない」と連絡をいただいた事例がいくつもあります。

地域の方々だけでなく、観光客までもが京都の街で見つけた命を大切にしようとしてくださる。そうした意識の広がりを感じられることは、私たちにとって大きな希望です。

もちろん、遺棄のような心ない行為がなくなったわけではありません。
けれど、それ以上に「命を守ろう」という声が確実に大きくなっています。

今回救われた麦わらの女の子も、行動してくださった市民の方のおかげで生きるチャンスをつかむことができました。

私たちは、寄せられた想いを受け止め、責任をもって医療とケアを重ね、この子が再び安心して暮らせる未来を必ず届けたいと思います。
どうか今後の回復を一緒に見守っていただければ幸いです。

また、こうした初期医療にかかる費用やケアの継続は、皆さまからのご支援によって支えられています。

「ちび猫ケア基金」を通じて、小さな命を救うための医療を届け続けられるよう、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

追記

10月4日未明、ケアの甲斐なく、静かに、それはそれは静かに亡くなりました。