
支援総額
目標金額 2,400,000円
- 支援者
- 304人
- 募集終了日
- 2020年1月31日
多良間語絵本『カンナマルクールクの神』の紹介
明けましておめでとうございます。多良間島担当の下地賀代子です。
応援、支援してくださっているみなさま、
おかげさまで目標金額を達成することができました。
改めてお礼申し上げます。とーてぃ すでぃがぷぅ!!!(とてもありがとうございます)
どうぞ最後まで応援のほどよろしくお願いします。
「カンナマルクールクの神」は『多良間村の民話』(多良間村役場、1981年)に収められているお話の1つです。
40年近くも前に島の70代のおじいさんによって語られたお話しで、今も残る多良間島の拝所(井戸)や地名、屋号などがいくつも出てきます。
今回の絵本は、このおじいさんの語りを基に、朗読を担当して下さった野原正子さんと一緒に再話をしました。
(正子さんのことは次回!)
どんなお話しなのか、動画と合わせてご紹介です。
(※動画の字幕と本文のたらまふつ表記が違うところがあります。詳細は末尾で)
★紹介動画★
たらまずまんか、 ^むにまがーてぃーぬ かーぬ あとぅい、
多良間島に 嶺間井戸との 井戸が あって
うぬ みずう ぬみー ぶたり˚ ぴすとぅんかからー、
その 水を 飲んで いた 人の中からは
あがい ^むめ、 すぐり にんげんぬ、
ああ もう 優れた 人間の
ぱなばなーぬどぅ、 ^むまりー うきす どーり。
花々が 生まれたらしい
かながいどぅ、 なかすずむらぬ かんかやーんか、
昔 仲筋村の カンカヤーに
カンナマルクールクてぃーぬ、
カンナマルクールクとの
あっぱらぎみどぅ^むっゔぁぬ ^むまりたり˚てぃー。
美しい女子が 生まれたそうだ
かながいや あぱらぎ むぬーばー、
昔は 美しい 人を
クールクてぃーどぅ い˚ーたり˚ぎ むぬ。
クールクと 言ったそうだ
カンナマルクールコー、 でーんがーぬ、
カンナマルクールクは 一番の
ゆばいてぃーぬ あぱらぎっふぁどぅ あたり˚。
吸いつきたくなるほどの 美しい子だった
思わず「吸いつきたくなる」ほどの美人。。
(直訳は「吸いつかれようとの」という受け身の表現になっています)
大変な美少女だったのでしょうね。
そして、そのあまりの美しさのために、島の若者たちが大変なことになってしまいます。
あんしありー、んだくだぬ ばかむぬぬ ^むめぬ、
そのようだから どこそこの 若者たちが
うり˚が あっぱらぎみぱなう みーぶっさん、
その 美しい顔を 見たくて
ゆり˚らぴすり˚ら、 むぬまい ふぁーんぐとぅ、
夜も昼も ものも 食べないで
かんなまるが やーぬ ままーっる
カンナマルの 家の 周辺を
まーりーまーりー しー ぶりってぃー、
回り回り して いて
あとぅんや、 がり˚ずにう しー
返り返り してしまったそうだ
かいりかいり しー ねーんてぃー。
後には 餓り死にを して
なんと、カンナマル見たさに寝食も忘れ、飢え死にしてしまったのです。
若者の親たちはもちろん、みんなが心配しました。
カンナマルの守姉*も大変心配し、「このままでは村中に大きな迷惑になる」と、
カンナマルを海に連れて行って置き去りにすることを決心します。
そしてある日、カンナマルをアカダン海へと連れ出しました。
そして、カンナマルに魚を焼いて食べさせている隙に、岩崖の下に隠れました。
うまん かっふぃとぅい みー ぶり˚ばどぅ、あがいたんでぃ、
そこに 隠れて 見て いれば あれまあ
むり˚っゔ^む ふむんかから、
真っ黒い 雲の中から
じゃらじゃらてぃー かにがぎずぬ うりー きー、
ジャラジャラと 金鉤が 降りて きて
カンナマルー かかぎー、
カンナマルを 掲げて
てぃんーけー ぬーしー とぅびずたり˚てぃ。
天へ 引き揚げていったそうだ
守姉が見ている前で、カンナマルは天へと連れていかれてしまいました。
カンナマルが可哀想でならない守姉は、
村に帰ると、カンカヤー(屋号)の東側に、香炉と花生けを立て、カンナマルを神として祀りました。
また、嶺間井戸の水はあまりにも人を優らせるので塞がれてしまいました。
残念なことに、その水脈は今も探し出せないままなんだそうです。
『多良間村の民話』に収められているカンナマルクールクのお話は実は3つあります。
再話の元になったお話しが一番長く、ストーリー性に富んでいたのでこれを選びました。
他の2話では、守姉がカンナマルを連れて行った場所が違っています。
また、カンナマルが八重山から追い出されて多良間に来た娘、という設定のものもあります。
(八重山のどこかの島でもクールクのお話しが語り継がれているかも!?)
この物語に出てくる拝所や地名、屋号は実際に島にあるものですが、最近は島の方にもあまり知られていないようです。
絵本を通して、親子でクールクゆかりの場所まで歩いてみた、
なんてことがあったら素敵だなと妄想しています。
次回は、多良間島のことと、一緒に再話・朗読してくれた野原正子さんのことをご紹介します。
※絵本の絵は現在制作中のもので、完成にあたって変更する場合があります。
*守姉―多良間島のことばでムリ˚アニ、ダキスアニと言います。乳幼児の子守役となる女の子、また、幼いころに(自分の)子守役をしてくれた女性を指します。
*表記のプチ解説
多良間島のことばには仮名そのままでは表せない音がいくつかあります。
本文で使っているものをプチ解説します。
「^む」
唇を閉じる「ン」(m)。たらまふつには2つの「ン」(n,m)があります。
「り˚」
英語のLの音に似ています。私が1番苦手な発音です。
「ぴす」「きす」
p、sと舌先母音と呼ばれるちょっと変わった音が組み合わさっています。
小文字の「す」は字幕では出せないので「ぴ^す」「き^す」と表記しています。
「い˚」
舌先母音だけの音を表します。発音の仕方が絵本の解説で説明予定です。
リターン
10,000円

【読み比べよう!】お好きな絵本2冊+壁紙データ
・お好きな絵本2冊
・絵本のワンシーンの壁紙データ
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
- 申込数
- 56
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
20,000円

【4冊コンプリート!】絵本ぜんぶ
・絵本4冊(各1冊)
・絵本のワンシーンの壁紙
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
- 申込数
- 141
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
10,000円

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