
絵本ができるまで① 与那国島「ディラブディ」編
皆さんこんにちは。
4つの島の絵本のイラストレーションとデザイン担当、山本史です。
2020年になり、クラウドファンディングの募集期間も折り返し地点を過ぎました。残りの期間も、変わらず応援していただけると嬉しいです!
このプロジェクトで制作している4冊の絵本は、それぞれの島のことばで長らく語り継がれたり、唄い継がれてきた昔話を題材にしています。
昔話は、陽気なものから美しく悲しいものまで様々ですが、島の文化や歴史がぎゅっと詰まっていて、お話の朗読を聞くたび、島の自然や暮らしの中から生まれたことばでなくては、昔話の世界は表現できないなと実感します。
そんな絵本のイラストレーションを描いたりデザインをする時に私たちが大事にしていることは、必ず島に足を運んで、島の人たちとやりとりを重ねたり、絵本に登場するシーンを追って取材をしながら制作をしていくこと。
お話の登場人物たちは一体どんな風景の中、どんなところに住んで、何を食べて、どんな着物を着ていたのか…語り継がれてきた昔話の世界をリアルに豊かに表現するために、たくさんの記録を残したり、スケッチを繰り返したりしています。
今回は与那国島の絵本「ディラブディ」の取材の様子について、一部お伝えしたいと思います。

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【ディラブディたちの行った道を追う】
絵本の取材に行ったのは、夏の暑い時期。
登場人物のディラブディたちが漁に行くために浦野墓地というお墓を抜けてアブヒティ浜から漁のために海に入り、ウブダヌ浜に行ったところまでを辿ってきました。実際に海の中にも潜ってきましたよ!
お話の始まりは集落を抜け、夕暮れ時に浦野墓地に向かうところから。亀甲墓という古墳のような形のお墓が並んでいます。風通しが良くて広々としていて、明るくからっとした雰囲気。取材時も時刻は夕方でしたが、不思議と夕暮れの墓地=怖いという印象は受けませんでした。

与那国島の地形の特徴の一つは、ゴツゴツしていて無骨な岩石群。ディラブディたちが大漁した魚を持って登った浜辺の坂道です。うっかりこけたら大けがかも…。こんな道をひょいひょいと降りたり、登ったりしていたんですね。


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【ディラブディたちの着物や民具】
主要登場人物のディラブディ、ウデャマ、イサが着ているのは「ドゥタティ」と呼ばれる与那国織の着物。苧麻や麻の生成り地に、藍と黒の格子柄がとてもおしゃれです。着物の丈は短めに仕立ててあり、豊年祭や島の行事の時に着用します。腰には幅広の帯を締めるのではなく、紐や荒縄を締めていたそう。高く結い上げる髪型も特徴的です!

ドゥタティ、実際に着て歩いたらどうなるのかな?絵を描くために、山田はかせこと言語復興の港代表の山田真寛に、ディラブディになりきってポーズをとってもらっているところです。

ディラブディの仲間、ウデャマが頭に巻いているのは「シダディ」という手ぬぐい。福木や車輪梅などの植物染料で染めた色糸と泥染した色糸を織り込んだ織物です。祭事でもよく使われており、美しい柄と明るい色が特徴的です。伝統的な織物ですが、とてもモダンな印象でかっこいいですね!

また、絵本には、赤ちゃん用のゆりかご「あみなぐ」やクバの葉で編み込んだかご、竹のざるなど、生活に欠かせない民具が登場します。
三線奏者で民具店を営む与那覇有羽さんご一家のお家や役場にお邪魔して、民具についても教えていただきました。



こちらはディラブディが夕暮れ時に漁に出かけた時に手に持っていた松明。懐中電灯もランプもない時代ですから、ディラブディは漁の途中でも松明を手放さず、辺りを照らし続けていたのではないでしょうか。

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【ディラブディたちの住んでいる家】
お話の舞台は、今より100年以上前という設定なので、住居も現在とはずいぶん違います。与那国島に現存する古民家や、時には文献もあたりつつ、ディラブディたちの家を描きました。
家は、主屋(だ)と台所(ちむやー)の茅葺の二棟形式で、他にも家畜を飼う小屋があったり、野菜畑もありました。建築材料に竹を多く用いているのもポイントです。敷地の中で、人も動物もにぎやかに暮らしている様子が目に浮かびます。


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【おまけ】
新しいものから古いものまで、琉球諸島全域でよく見かけるシーサー。もちろん与那国島にも住んでいて、とぼけた様子がなんとも言えず味があってかわいいのです。
「言語復興の港」のイメージキャラクターのうちの一匹、「シシ(シーサー)」は、与那国島のシーサーがモデルになっているんですよ ^ ^


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それでは、読んでくださって あらーぐ ふがらさ!
次回の私の記事では、竹富島の「星砂の話」や多良間島の「カンナマルクールク」の絵のメイキングについて書きたいと思います。
*絵本の絵は現在制作中のもので、完成にあたって変更する場合があります。
リターン
10,000円

【読み比べよう!】お好きな絵本2冊+壁紙データ
・お好きな絵本2冊
・絵本のワンシーンの壁紙データ
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
- 支援者
- 56人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
20,000円

【4冊コンプリート!】絵本ぜんぶ
・絵本4冊(各1冊)
・絵本のワンシーンの壁紙
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
- 支援者
- 136人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
1,000円

【言語復興の港のなかまに!】お礼のメール・新着情報をお届け(絵本無し)
・お礼のメール
・プロジェクトの新着情報通知をお届けします。
リターン選択画面で「新着情報を受け取る」にチェックを入れてください。
*このリターンには絵本が含まれません。
- 支援者
- 27人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
5,000円

【お試し!】お好きな絵本1冊
・お好きな絵本1冊
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
- 支援者
- 73人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
10,000円

お好きな絵本1冊+サイエンスカフェご招待
・お好きな絵本1冊
・絵本のワンシーンの壁紙
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
・「言語復興の港」が行うサイエンスカフェにご招待
*国立国語研究所(東京都立川市)で行います。日時は後日調整しますが、ご参加できない方には当日使用する資料を共有します。
- 支援者
- 10人
- 在庫数
- 50
- 発送完了予定月
- 2020年7月
100,000円

絵本ぜんぶ+出張講演
・絵本4冊(各1冊)
・絵本のワンシーンの壁紙データ
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
・言語復興の港のメンバーが出張講演*を行います。
*旅費実費を別途いただきます。日時と場所は後日調整しましょう。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
100,000円

絵本ぜんぶ+額装複製原画1点
・絵本4冊(各1冊)
・絵本のワンシーンの壁紙データ
・支援者様として絵本にお名前記載(ご希望の方のみ)
・絵本のワンシーンの額装複製原画1点
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
300,000円

絵本ぜんぶ+企業ロゴで名入れ
・絵本4冊(各1冊)
・ご支援いただいた企業さまとして、絵本に企業ロゴを掲載します。
*プロジェクト成立後にロゴデータをご提供ください。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月