「トルコ地震被災者支援」活動終了報告書
2023年5 月22日
1)支援者の皆様へ
皆様のおかげで無事に現地での活動を終える事が出来ました。本当にありがとうございます。このクラウドファンディングでは、25名の方々からご寄付を頂きました。クラファン以外でも、NICCOの支援者の皆様や他団体の協力もあり、下記の支援を実施する事が出来ました。皆様のご協力と現地スタッフやボランティアの存在があり、この活動を円滑に進める事が出来た事、感謝しております。活動を終えた今、被災地で支援が必要な地域・人々に必要な物資を届けたと、自信を持ってお伝え出来ます。
(瓦礫撤去が進む街、マラティヤ県マラティヤ市中心部)
現地では瓦礫は大部分が撤去されていましたが、未だにテント生活の方々も多くいて、大地震の爪痕は余りにも大きいと感じました。地震発生直後よりは被災者の表情は多少明るかったです。でも彼らと話をしていて、一瞬にして全てを失った悲しみや心の傷は簡単には癒えないと感じました。物資を受け取った被災者からは、「遠い日本から私達の事を忘れずに支援を届けてくださり本当にありがとうございます」と、お礼の言葉をたくさん頂きました。時間が経っても被災地の事を忘れずに寄り添う事が重要だなと改めて思います。
(仮設住宅に住む家族、マラティア県ドアンシェヒリ市エルケネク)
2)ニーズ調査
活動準備期間中は、トルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)を始めとする政府機関や、既に現場に入っていた現地NGOから情報を集め、現地の様子や必要とされている物資を調べました。今回の活動では、比較的被害の少なかったエラズー県を拠点とし、より被害の大きいマラティア県に物資を届ける事としました。その中でも壊滅的な被害を受けていて、かつアクセスが難しい、つまり支援が届きづらい村々を支援対象に選びました。現地に入ってからも村長、コミュニティリーダー等から被災者の状況やニーズを聞き取り、配布時に最も必要な物資を調達出来るように全力を尽くしました。
(車両への物資積み込みの様子、エラズー県エラズー市)
3)物資調達と配布
地震発生から3ヵ月強経った、3月14日、トルコ人スタッフと日本人スタッフがイスタンブールから飛行機で被災地のエラズー県に入りました。エラズーではすぐに地元の協力者と合流し、出来るだけ低価格で物資を調達・配布できるよう、地元の卸売業者と交渉をしました。
皆様のご寄付で調達した約17.6万円分の物資に加えて、NICCOの支援者からの寄付で約58.7万円分の物資を購入し、さらに他団体の協力も得てより多くの被災者に支援を届ける事が出来ました。最終的に各家庭で約3週間使える量の食糧・衛生用品セットを、1県6村で291世帯8,873人に配布する事が出来ました。
(配布した食糧セット)
・配布物/受け取り世帯詳細
5月15日 |
月 |
■マラティヤ県アクチャダー市コズルジャ(人口110世帯) |
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5月16日 |
火 |
■マラティヤ県アクチャダー市ケペズ(人口200世帯) |
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5月17日 |
水 |
■マラティヤ県アクチャダー市キュチュクチミシュ(人口30世帯) |
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5月19日 |
金 |
■マラティヤ県ドアンシェヒル市エルケネク(人口360世帯) |
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セット内容 |
食糧 |
米2㎏、ブルグル(複数の種のコムギの挽きわりから作られる食材)2㎏、赤レンズ豆1㎏、インゲン豆1㎏、砂糖1㎏、茶葉500g、トマトペースト830g、パスタ1.5㎏、リゾーニ(パスタ)500g、小麦粉1㎏、食用油1㎏、塩750g、インスタントスープ65g |
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衛生用品 |
ウエットティッシュ90枚入り、洗濯用洗剤1.5kg、食器用洗剤650ml、シャンプー450ml、トイレットペーパー16ロール、石鹸 55g * 5個入り 各1個、生理用品10枚入り * 2パック |
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(仮設住宅に住む家族、マラティア県ドアンシェヒリ市エルケネク)
4)今後のニーズと想い
この大地震でトルコだけでも5万人以上の死者が出たと発表されています。行方不明者数は分かっておらず、実際には更に多くの方が亡くなったのではと推測されています。被災地の状況は未だ最悪で、町や村が丸ごと無くなってしまったかのような光景を目の当たりにしました。残念ながらこの未曾有の大災害からの復興が1年や2年で終わるはずがありません。今でも被災地への支援が足りていませんが、今後も食糧や衛生用品等の物資支援の他、医療サービス、心のケア、教育、住宅再建等、様々なサポートが継続的に必要になってきます。これから長い復興の道のりが続くので、被災地の事を忘れないよう、今後も関心を持ち続けて頂ければありがたいです。
(かなり山奥の村でも配布を実施、マラティヤ県アクチャダー市ハンチェリリ)
被災地では家族・友人・親戚・我が家・町・思い出の品、文字通り全てを失ってしまった方々が数多くいます。被災者支援活動では、ただ物資を届けるだけではなく「日本のような遠い国からでも、あなた方の事を想っている人々がいる」という事実を伝える事が大切だと思っています。日本人スタッフが配布現場に来ていたため、日本からの支援という事は分かりやすかったと思いますが、「日本の方々が寄付して下さって物資を購入する事が出来た」という事を、出来る限り直接被災者の方々に伝えるようにしました。冒頭にも書きましたが、皆様のご支援があってなんとか活動を実施出来ました。本当にありがとうございます。
5)収支報告
※送金時レート1リラ =7円で計算
収入 |
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ReadyFor支援総額 |
203,000 |
円 |
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支出 |
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物資購入費計 |
25,172リラ= |
176,204 |
円 |
物資内訳 |
食糧44セット 衛生用品44セット |
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ReadyFor手数料(支援額の12%+税) |
26,796 |
円 |
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支出合計 |
203,000 |
円 |
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収支差 |
0 |
円 |
クラウドファンディングの他にもNICCOへの直接寄付や他団体の協力もあり、輸送費や燃料費、現地スタッフの宿泊費等をカバーしたため、皆様のご寄付の大部分を物資購入にあてる事が出来ました。
(2月にNICCOが支援に来たのをしっかり覚えていた小学生の女の子、当時はテント暮らしだったが今は仮設住宅暮らし、マラティア県アクチャダー市ギュルカイナク)
以上