「資本主義、民主主義における社会は、私たちが貨幣と票で選び取った結果だ。つまり目の前にある社会は鏡に映った私たち自身である。打倒すべき明確な敵はいない。敵は自分自身の中にいるのだ。だから、私たちが変われば、社会も変わる。したがって、豊かな社会における革命は、「北風」ではなく「太陽」でなければならない。自らの手で暮らしをつくる喜びを周囲に伝え、仲間を増やしていくのだ。この映画は、その喜びを社会に広く伝える送電網の役割を果たしている。まさにおだやかな革命を起こそうとしている。」

 

 

【高橋博之さんプロフィール】

東北食べる通信」編集長、「日本食べる通信リーグ」代表、ポケットマルシェ代表を兼務し今日も全国を、世界を飛び回る。目指すのは「世なおしは食なおし」。岩手県花巻市生まれ。著書:『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書)』 全国の食べる通信 http://taberu.me/(全国で40誌近くが発行されている)

 

高橋編集長との出会いは、2014年の5月でした。「世なおしは、食なおし。」という考え方に共鳴をして、妻の松本典子と一緒に「山形食べる通信」の立ち上げを相談しに行ったことがきかっけでした。私自身が前作の「よみがえりのレシピ」で在来作物の生産者に出会う中で、映画を撮影するという関わり方以上の関わりをしたいという思いが募り、映画で出会った方々へ山形の食の魅力を届けたいというその思いを、高橋編集長にぶつけました。そして高橋さんが考えるビジョンを聴きながら、ワクワクしていたのを覚えています。今回、協賛特典でお送りする焼畑の温海かぶのスープ(おかげさまで、完売!)は、「山形食べる通信」で取材・商品開発をしています。

 

 

「私たちの暮らしは、他人がつくったものを貨幣と交換して手に入れることで成り立っています。効率もよく、楽ですが、そこには、自分たちの暮らしを、自らの知恵、創意工夫でつくりあげる喜び、感動がありません。私たちの暮らしは、私たちの手の届かないところに遠のいてしまいました。

(中略)

 私たちはこれまで、衣食住、地域づくりを他人の手にゆだね、観客席の上から高見の見物をしてきたと言えます。誰かがつくってくれるだろう、誰かがやってくれるだろう、と。暮らしをつくる主人公(当事者)ではなく、お客様(他人事)でした。当事者を失った社会から活力などうまれようがありません。

わたしたちは考えました。世なおしは、食なおし。(以下続く)」

東北開墾のHPのこの文章を読んだ時に、私たちも暮らしを作る主人公になっていきたいと思いました。妻を代表として、仲間と一緒に「山形食べる通信」が立ち上げることができました。そして、全国の編集長や読者との交流が続いています。

 

今回の取材地である岐阜県郡上市の石徹白で高橋編集長のトークイベントが開かれ時も、映画に出演している平野彰秀さんと意気投合したと聞いています。創造的な生活者が、地方にも、都市部にも現れ、地方と都市に住む人の関係が、食を通してつながり、深まっていく、その推進役を担う「食べる通信」。2016年から電力小売自由化が広まる中で、エネルギーの分野でも同様の現象が生まれつつあります。電力会社を選択することで、コンセントの先にある、再生可能エネルギーを生産している地域の姿、そこに暮らす人々の姿が見えてくることで、都市と地方との関係がより良い姿に変わってくるのではないでしょうか。3.11の時の原発事故に象徴されるように、都市と農村の不均衡な関係ではなく、お互いを必要として、支え合うような関係になっていくことを時代が求めていると感じています。食もエネルギーも日々の暮らしの中で、少しずつ変えていくことで、ゆるやかに確実に変えていくことができるはずです。その先に、私たちの望む社会の姿が、きっと見えてくるはずです。

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