【 川上が仕事を辞めようと考えたきっかけの話 】

(川上)

確か、2018年の10月頃だったと思います。
僕が社会人になり半年が経った時期です。

 

本格的に始まった仕事に一喜一憂しながら、
日々を過ごしていたある夜、
仕事終わりに最寄り駅から帰り道を歩いていました。

 

少し疲れもあり、憂鬱な気持ちで歩いていた時に、
急に電話が鳴り、スマホを見てみると
沖縄のおじいちゃんからでした。

 

僕のおじいちゃんは元政治家で、
お酒が大好きな人で、
毎晩、家から徒歩2分の居酒屋で楽しく酔っ払っています。

 

「この時間に電話ってことは、
　酔っ払って電話してきたんだろうな～」
と思いながら、僕は電話に出ました。

 

「もしもし？おじいちゃん？」
僕が電話口でそう言うと、
おじいちゃんがやっぱり酔っ払った様子で言いました。
「達輝！良い顔してるかー！？」

 

それが電話で最初に言う言葉かい！と笑っちゃいました。
「もしもし」も省いて、
直球でそんな事を聞いてくるのが実におじいちゃんらしい。
驚きましたが、でもやっぱちょっと笑っちゃいました。

 

でも、この瞬間でした。
この瞬間、おじいちゃんからのこの問いに、
「もちろん！良い顔してるよ！」と答えられない自分に気づき、
ふと、今の生き方を見つめ直しました。

 

会社はとても良い環境で、日々学ぶことが多く、
素敵な同期、先輩方に囲まれていました。

 

しかし、そもそも社会人としての生活が、
僕には合っていないのかもしれないと感じていました。

それをはっきり認識したのが、
この「良い顔してるかー！？」の問いでした。

 

その日から、
”仕事を辞めて、良い顔をする生き方を選ぶ”ということを
少しずつ考えていたのかもしれません。
というより、
実はその瞬間には決めていたのかもしれません。

 

あれから年末年始と沖縄に帰る機会はありましたが、
結局、おじいちゃんとゆっくりお酒を飲む時間を作れずにいました。

「次に沖縄に帰るときには、」
と何度も先延ばしの約束をしていました。

 

そして、僕は2019年3月に仕事を辞め、
”良い顔をする生き方”を選び始めました。

 

「その報告をおじいちゃんに話したい」と
おじいちゃんには電話で何度か伝えていました。

 

でも結局、その日は訪れませんでした。

僕のおじいちゃんは2019年7月に亡くなりました。

急な出来事で、家族全員が呆然としました。

亡くなる一週間前に、
僕はおじいちゃんと電話で話をしていました。
「来月には帰るから、その時には絶対飲みに行こう！
　話したい話が山ほどあるよ！」
そんな事を僕はおじいちゃんに伝え、
おじいちゃんも楽しみにしている様子でした。

 

おじいちゃんは慣れないパソコンで、
Facebookを登録して、
僕の投稿を見るのが好きでした。
毎回、プリントアウトまでして、
大切にスクラップにして保管してくれていました。

 

このクラウドファンディングを

おじいちゃんが読むことはありません。
それが少し寂しいです。

 

僕は今、新しい挑戦を始めています。
これは僕1人の挑戦ではありません。

仲間、家族、友人、先輩、後輩、
たくさんの方々と一緒に挑戦しています。

 

おじいちゃんが見守ってくれていると信じ、
良い報告を待ってくれていると信じ、
少しずつ進んでいきたいと思います。

ぜひ応援をよろしくお願いします！

※写真はおじいちゃんと僕の双子の弟妹です。